Interview with Methyl Ethel about “Triage” /メチル・エチル『トリアージ』インタビュー

NeoL / 2019年2月28日 17時0分

Interview with Methyl Ethel about “Triage” /メチル・エチル『トリアージ』インタビュー



“ネクスト・テーム・インパラ”。そんな呼び声もあるオーストラリアはパース発のプロジェクト、メチル・エチル。本国では数々の音楽賞を獲得するなど成功を収めているかれらだが、この度、名門〈4AD〉と契約して世界デビュー盤となるニュー・アルバム『トリアージ』を完成させた。デヴィッド・ボウイやクラシック、DIYなベッドルーム音楽から得たインスピレーションを、磨き上げた楽器演奏とモダンなプロダクションを通じて落とし込んだ、3作目に到達点と言える一枚。サイケデリック・ミュージックの新たな旗手――中心人物のジェイク・ウェブに話を聞いた。


"Next Tame Impala”,some people call them so.Methyl Ethel is the music project that started in Perth,Australia.They’ve already got some domestic music award but this time,they had a contract with and finally finished making their world debut album”Triage”.The record made by inspirations from David Bowie,classical music,and DIY bedroom music through sophisticated band sound and modern production into this third album which can be called “arrival point”.The standard-bearer of psychedelic music――we asked a story from Jake Webb.






――今回はプロモーションでの来日になりますが、他に予定は?


Jake「いや、特に。今ちょうどオーストラリアも休暇時期だし、東京で何週間か遊ぼうと」


――サプライズでソロ・ライヴとか、なんて期待してたんですけど。


Jake「前回日本に来たときにはライヴをやろうと思ってたんだよね。結局、実現しなかったけど。ときどきサンプラーを使って自分1人でエレクトロニック系のライヴをやったりするんで。ただ、今回はそういうのはなしで、純粋に遊びだよ(笑)。キーボードを買いたいなと思ってさ。だから、今回の一番のお目当てはショッピングなんだ(笑)」



――楽しみは次回ということで(笑)。では、今回のニュー・アルバム『トリアージ』について教えてください。今作はバンド編成をへてレコーディングされた作品ということで、サウンドも多彩で、エレクトロニックなアレンジも過去の作品と比べて洗練された印象を受けました。


Jake「作曲の構成を今まで以上に意識したんだ。コード進行とか、アレンジとかをもっと工夫できないかってことで、他の人の音楽を研究したり、自分が思い描いている音をより正確に形にするにはどうしたらいいか考えていったり。ただこれは毎回やってることで、今後もずっと続けていくことなんだけど。最終的なディテールに磨きをかけるというね」



――具体的に研究対象となった「他の人の音楽」とは?


Jake「インターネット・ラジオをずっと流して聴いてたんで、特定の誰かの曲ではなくて、自分の知らない人の曲もあったし、とにかく幅広くいろいろ聴いてたって感じかな。クラシックなポップもクラシックも聴いたし……特定のジャンルってことよりも、結局のところ音楽の何が人々の心を掴むのかという、そこを突き詰めていった感じかなあ。その結果、実はものすごくシンプルなところに行き着く場合が多いんじゃないかとに気づいて。いろんなものを全部削ぎ取ったところにあるコアの部分というか。そこが音楽の不思議な魅力であり、だからこそ自分は音楽を作ることに夢中なんだよね。音楽と感情の関係性というか」


――You came to Japan for promotion this time,any other plans?


Jake ”Not really.I was thinking that hang out in Tokyo,Australia is in holiday season so”


――I expected your surprise solo live.


Jake ”Actually I was thinking about that last time I was in here.It didn't become true though.Sometimes I do the electronic music live by my self with sampler.But not this time,because it's holiday haha.I want to learn playing keyboad so buying it is the most important thing of this trip,haha”


――So it’ll become true next time,right?haha.So about new album“Triage”, since it’s recorded by band the sound is multicolored and the electronical arrange is more sophisticated than your past works,I thought.


Jake ”I tried to focus on the constitution this time.I tried to figure out the codes,arrangement more carefully,so I studied about other musicians's works or thought about how to make the sound more crearly for it.But I it is what I’m always trying to do,and I will keep doing,improving the details”


――What were the other musisian’s works,specifically?


Jake ”I don’t know specifically because I had been listening internet radio,there were songs that I don’t know so I’d been listening many kinds of music like classical pops and classical music.Not specifical genre but I sought for what the music catch people’s heart,I guess.And It was found that the simpleness is the most important thing.Sophistication is the core,I think.That is the mysterious charm of music,and that’s why I’m crazy about making music.I’m crazy about the relationship between music and emotion”










――今作では「構成」にフォーカスされたとのことですが、それまでの作品ではどうだったんですか。


Jake「ファースト(『Oh Inhuman Spectacle』2015年)のときは何だろう……トランス状態ともまた違うけど、それに近いような、完全にあっちの世界に行っちゃってる状態で、ただひたすら本能の赴くままに自分の感情をぶちまけるみたいな。セカンド(『Everything Is Forgotten』2017年)のときはその流れを引き継ぎつつも、同時に曲の構成みたいなものを意識するようになった感じで……今回のアルバムではさらにそれを突き詰めているという。なぜそういうことを意識するようになったかというと、ただ純粋に感情の赴くままに曲を書くのも楽しい作業なんだけど、それだとただ自分を繰り返すだけになってしまう気がしてね。自ら努力したり研究したりすることも必要なんじゃないかと。その上で、自分の感情をより的確に捉えて、伝えていった」



――自分が好きなものや心地よい音楽を作り続けるというアーティストもいますが、あなたの場合は自分の限界を超えていくために新たな挑戦をすることが大事なんですか?


Jake「うん、自分はそういうタイプだと思う。もともと新しいものが好きなんで……いろんな新しいことを試してみたいし、自分の限界に挑戦していきたい。でないと、飽きちゃうような気がして。それに前に進んでいく感じが好きなんだ。だからって自分が他のアーティストよりも凄いとか優れてるというわけでは決してないけどね」



――一方、メチル・エチルは“ネクスト・テーム・インパラ”との評価も寄せられているわけですけど――。


Jake「いや、それは絶対にないし、おこがましすぎる(笑)……うん、違うと思う。そう言われてしまうのもわからなくもないけど……いや、でもここまでの発言に留めておこう。あんまり変なことは言いたくないから(笑)」



――そうした声もわからないでもない(笑)。


Jake「うん、まあ、それは(笑)」



――テーム・インパラしかりコートニー・バーネットしかり、最近のオーストラリアの音楽シーンの盛り上がりについては率直にどう感じていますか。


Jake「たしかに(自分たちも)繋がりは感じるけど、それってたとえば自分が海外に行ったときに、故郷を意識するみたいな感覚に近いかな。ただ、自分は海外に行くのも好きだし、それこそ東京みたいなところに来て、新しい人と会ったりするのも好きだ。それがこの仕事の醍醐味の一つでもあるし。だから、自分がオーストラリアの音楽シーンとの繋がりを感じるのは、単純に自分がオーストラリア人だからであって」



――たとえばテーム・インパラのケヴィン・パーカーは近年、カニエ・ウェストやリアーナといったメインストリームのポップ・アーティストとのコラボレーションが目立ちますが、あなた自身もそうした活動への憧れや欲求みたいなものってありますか。


Jake「そうだね。そうやっていろんな人とコラボレーションするのって楽しいんだろうなと思うし、ヒット・チャートのトップに入ってるビッグなポップ・ソングを聴くと、楽しそうな曲が多い。作っててきっと楽しいんだろうなあって思って、自分もいつかそういう現場を体験してみたいなと思う。ただ、ケヴィンは別格だよね(笑)。どんなスタジオでも堂々と渡り歩いていける人というか」




――So this time,you focused on the constitution,what about the past works?


Jake ”I don’t know about the 1st album(Oh Inhuman Spectacle,2015)...it wasn’t really in trance but really close to it,I was just be myself and express my emotion directly.In the second album(Everything Is Forgotten,2017),I stayed in same way as 1st but started to focus on the constitution at the same time...the reason why I started to do is,well...being myself and writing songs is really fun thing to do but I thought it’s gonna be just repeating myself.And I thought making effort and studying are also important things.So I saw my emotion more specificly and expressed it”


――Some artists keep making music what they like or makes them feel good,but for you,making music is the new challenge of going through your self?


Jake ”Yes,I’m kind of like that artist.I like new thing,I want to try it.Otherwise,I will be bored of music I think.I like feeling o progress.It doesn’t mean I’m better than other artists,never”


――So on the other hand, some people say Methyl Ethel is “Next Tame Impala"…


Jake ”Oh,no no never and it’s too impudent,...no.I can understand why they say it but...I should stop talking about it,because I don’t want to say weird thing,haha”


――So you can understand their feeling?


Jake ”Ah,yeah,haha”


――Tame Impala and also Kevin Parker,how do you think about the movement of music scene in Australia now?


Jake ”Yeah,I feel the connection between us and the movement,but I think it’s like when you go to foreign country you feel your home town,it’s like that.But I like going to foreign country like Tokyo and meeting new people,that is one of the best part of this job.So I feel the connection to the Australia music scene just because I’m from there”


――Recently Kevin Parker collaborate with pop artists in main stream such as Kanye and Rihanna,do you also have desire or longing for kind of like that works?


Jake ”Yeah,I think collaborating with many artists must be really fun thing,and when I listen to the pop songs that in hit chart,it sounds fun.It means,making kind of like that songs must be fun I guess so I want to have experience of making those songs one day.But, Kevin is special,isn’t he?I think he can go any studio”









――実際、自身の曲作りの上でもそうしたメインストリームのポップ・ミュージックから刺激を受けているようなところはありますか。


Jake「最近のものに限らず、ポップ・ミュージック全般から影響を受けてるよ。子供の頃からポップ・ミュージックをずっとラジオなんかで聴いてたし、それこそ自分が子供だった頃に聴いていた90年代のポップ・ミュージックも大好きだし、脳味噌に染みついている。それが自分の作る音楽にも自然と影響として出ていてるんだと思う。それは自分が望む、望まないに関わらずに」



――ちなみに、資料によると今回の制作では、デヴィッド・ボウイの『スケアリー・モンスター』にとてもインスパイアされたそうですね。先ほどの「いろんな新しいことを試してみたい」という話は、まさにボウイの姿勢と重なるところでもあると思ったのですが。


Jake「良い指摘だね。自分は常に進化し続けるアーティストを尊敬してるんだ。必ずしも作品に良い形で反映されるわけではないけど、それがアーティストとしての正しい姿勢だと思うんだ。ただ、『スケアリー・モンスターズ』に関しては、たまたまインタビューで質問されたときに聴いてたのがあの作品だったっていう話で……まあ、みんなと同じように僕もボウイの大ファンなんで。日本盤の『スケアリー・モンスターズ』も持ってるくらいだよ」



――それはどこで買ったんですか?


Jake「インターネットで(笑)。レコード屋にも通ってるけどね。日本なんて良いレコード屋がたくさんあるから」



――今作に寄せたあなたのコメントでは、イギリスの作家のT・S・エリオットの詩が引用されていましたね。詩や文学作品からの影響というのも大きいものがあるのでしょうか。


Jake「どちらかと言うと、詩というより文学全般が好きという感じかな。音楽や詩について語るのはなんだか説教臭くてダサいような感じがする、とくに詩なんかは(笑)。でもぼくは本を読むのが好きなんだよね」



――音楽とは別に詩も書かれていたりするんですか。


Jake「うん、自分でも詩を書いてるけど、それは秘密にしておいて(笑)」



――Do you think you get inspired by pop music in main stream?


Jake ”Not only recent music,but I got inspired by any kinds of pop music.I’ve listened pop music from radio since I was kid,I love 90’s pop music that I used to listen,it stuck on my mind.So it gives me influence naturally,I think.Whichever I want to or not”


――According to the press paper,this album got inspired by “Scary monster”by David Bowie?I think your stance that you like challenge is same as David’s.


Jake ”Good point.I admire the artist who always progress.Not every time it makes works better but it’s best atitude that artists have I think.But about Scary Monsters,I was listening that album at that interview...I’m big fan like any other people.I have Japanese version album”


――Where did you buy it?


Jake ”On the internet,haha.I go to record shop a lot though.There are many good record shop in Japan”


――In your comment to this album,you using the quotes from poet by T.S.Eliot.The influence by poet and literature is huge for you?


Jake ”If anything,I just like poet and literature that’s all.I don’t want talk about music or poet,especially poet because it sounds preachy and uncool,I think,haha.But I like reading”


――Do you write poet,not for lyrics?


Jake ”Yes I do,but please keep it secret,haha”









――ちなみに、そのコメントでは「最終的な心の整理をしようと思った」と今回の制作背景について触れられていましたね。


Jake「もうちょっと噛み砕いて説明するなら、このアルバムで心の整理をつけようというんじゃなくて、自分がこのアルバムを作ったことが心を整理することに繋がったって感じなんだ。もともと自分の経験を元に曲を書いてるんで……今回のアルバムを通して、自分にとって何が大切で、何に焦点を当てるべきなのかってことを見極める作業をしてたんだよ。そのプロセスを通して自分についてもっと深く知ることができた」



――今回のアルバムは作り終えて、今までに味わったことのない達成感みたいなものがあったのではないでしょうか。


Jake「ただ、そのプロセスって終わりがないと思う。たしかにアルバムの出来には満足してるし、これはこれで一つの完成された作品ではあるんだけど、これが自分の人生のすべてに対する答えっていうわけじゃないし、あくまでも一部でしかないわけだよね。まだまだ完全に人生を悟ったという状態とはほど遠いしね。それに、何か一つのものが終わるとまた次の新しい何かが始まるという、そういうサイクルってあるじゃないか。そんな感じだよ」



――すでに次の作品に向けて湧き上がってるイメージみたいなものもある?


Jake「たしかに湧き上がってるんだけど、今のところ音楽に関するアイデアのほうが中心かな。歌詞とかストーリーとかテーマに関しては、作品作りの後半になってから思いつくことのほうが多いんだ。次は自分よりももっと大きな何かについて歌っていけたら……だから、今みたいなあくまでもパーソナルな表現というよりも、もっと普遍的で抽象的なテーマについて触れてみたいというか。正直、過去3作で自分のことばかり話すことに飽き飽きしてて(笑)。もっと自分とは全く関係ないことについて歌いたいんだよね。自分以外のテーマだったら、それこそ電車とかそういうのでもいいくらい(笑)」



――では最後に。今回のアルバム・タイトルである『トリアージ』とは、「患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行う」ことを意味する医療用語であるわけですが、あなたが人生において最優先していることとは何でしょうか。


Jake「良い質問だ(笑)。自分が人生で一番大事にしてること……今の質問をされて改めて考えてみたときに、自分がなんで今回のアルバムに『トリアージ』ってタイトルをつけたのかわかるような気がしたんだ。この質問ってものすごく答えを出すのが難しいけど、誰もが人生を通じて一生自分に問い続けていくことだと思うんだよ。今ここで自分なりの答えを出したところで、それが正解かどうかはわからない……それが『トリアージ』って言葉とリンクしてるんだと思う」



――なるほど……いや、「恋人(※インタヴューに同席していた)が一番大事」って感じのポップな答えを期待してたんですけど(笑)。


Jake「あはははは、それを先に教えてよ(笑)」



――So,You mentioned that “I tried to organize my emotion in the end”,in same interview.


Jake ”If I explain about it more,I didn’t try to organize my emotion through the making process of this album but making this album made me organize my feeling eventually,it was like that.I’ve making music based on my own expeience....through making this album,I tried to see what is the important thing for me and what should I focus on.I got to know about them though the process”


――So after you finished this album,you must felt greater than any other past works?


Jake ”But I don’t think there is end.I’m pretty much sure that this album is great and this is the work but this isn’t the answer of my life,it’s only one of the part of my life I think.And when something ends,that means the start of something,it’s like cycle”


――So,you already have the image of next work?


Jake ”Yes,but right now,it’s still the idea for music.I usually get idea for the story or lyrics later.I want to sing about bigger thing than myself in nexy work...not like personal expression like this album but more universal and abstract thing.To be honest,I’m bored with talking about myself through past three albums,haha.So I want to talk about not about me,like about train maybe haha”


――So last question.This album title"Triage"means select the order of the treatment for patient depends on their sick level,and it’s medical language,what is the most important thing of your life?


Jake ”Good question.The most important thing of my life is...this question makes me figuring out why I named this album as Triage.This is tough question but I think everyone should keep asking themselves for lifetime.If I answer now,So I don’t think it is the final answer...and this feeling links to this title,Triage”


――I thought you will answer like”My girl friend is the most important thing of my life”,more pop answer,you know...


Jake ”Hahahahaha,you should say that first!"










photography Riku Ikeya
text Junnosuke Amai
edit Ryoko Kuwahara












Methyl Ethel
『Triage』
(4AD / Beat Records)

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国内盤CD 4AD0114CDJP ¥2,400+税
ボーナストラック追加収録予定、解説/歌詞対訳冊子封入
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Methyl Ethel
2017年度、豪ラジオ局トリプルJのホット100の中で4位を記録したのちに、豪ラジオチャートでゴールドシングル賞を獲得した。オーストラリア、パース出身のジェイク・ウェブを中心として結成されたサイケデリック・ポップ・バンド。
http://methylethel.com

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