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自身の心に残る風景と死生観が同居している、堀内 結 個展『We must bring salvation back』

NeoL / 2019年8月20日 12時0分

自身の心に残る風景と死生観が同居している、堀内 結 個展『We must bring salvation back』






やわらかな庭で花は根にかえる
2019 108 x 90 cm, water color on paper


堀内結は、多様な生き方を体現している女性の姿とともに緑豊かな自然を、インクや水彩を用いた絵画、イラスト作品として展開してきた。近年は、雑誌のイラストからショップやホテルの壁画といった大型作品まで幅広い活動をしているが、なかでも、緑の中に佇む女性の後ろ姿を描いた水彩画シリーズ『FROM BEHIND』は堀内の主要な作品として継続して描かれている。

 
本シリーズに登場する女性の容姿や場所は様々であり、「彼女たち」の姿には、堀内自身の心に残る風景と死生観が同居している。本シリーズのきっかけとなったのは、ロンドンの古い墓地の中で外部から忘れ去られたようなうっそうした緑の中に浮かび上がる友人の後ろ姿だった。堀内はそのイメージを反復するなかで、「彼女たち」の姿は、堀内の身近な亡き女性たちの姿と重なるようになり、彼女たちを偲ぶようなパーソナルな行為としても続けられてた。







いちばん近くにいながら、いちばん遠いところにいる自分 2019
35 x 24 cm, water color on paper


本展『We must bring salvation back(「お互いに救いの心を取り戻そう」)』は、本シリーズで描かれてきた女性だけでなく、その空間に広がる関係性を新たに紡ぎ出すような新作を発表。タイトルは、制作中にラジオから流れてきたジャクソンファイブの曲『I’ll be there』の冒頭の歌詞からきている。20年以上使っているという古いラジオから流れてきた古い曲は、親しみがあるわけでもないのに、遠く離れた異なる世界から送られてきたメッセージのように思えたと堀内は言います。とくに、冒頭の歌詞である「We must bring salvation back Where there is love I'll be there」は、まさに本シリーズとも繋がる堀内自身の制作と人生における喪失とそこからの救いや回復が交差するような心情を表しているといえる。



私たちは日常的に喪失や別れを重ねながら生きていますが、堀内にとってこのシリーズはそれらと対峙する時間であり、それは本人と亡き人々に向けた救いであると同時に“彼女たち”がまだそこに生き続けているということでもある。匿名的な人物や場所を通して、本展では絵葉書や日記の1ページのように、遠く彼方に追いやってしまった記憶を思い返したりするような表現が生み出される。


Solo Exhibition
” We must bring salvation back ” by Yui Horiuchi / 堀内 結
OPENING RECEPTION : 9 月6日(金 ) 7pm - 9:30pm
会期: 2019年9月6日 - 10月5日
会場 : CLEAR GALLERY TOKYO 東京都港区六本木7-18-8岸田ビル2F
Open : 火~金曜日 14 -19 時、土曜日 11-19 時 Close : Sunday, Monday, National holidays

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https://www.neol.jp/art-2/

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