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10年ぶりとなるオラファー・エリアソンの大規模な個展「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」東京都現代美術館にて開催

NeoL / 2020年2月14日 17時0分

10年ぶりとなるオラファー・エリアソンの大規模な個展「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」東京都現代美術館にて開催



オラファー・エリアソン《ビューティー》1993年
Installation view: Moderna Museet, Stockholm 2015 Photo: Anders Sune Berg
Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles
© 1993 Olafur Eliasson

私はベルリンの太陽の光を日本に持ってきました。私の手の中にあるのは小さな発電所なのです。
オラファー・エリアソンは、電力にアクセスできない地域に住む人びとに届けられる携帯用のソーラーライト「リトルサン」で周囲を明るく照らし出し、そう語った(2019年4月、東京都現代美術館にて)。


東京都現代美術館は、アイスランド系デンマーク人アーティスト、オラファー・エリアソンの個展を2020 年 3 月 14 日(土)から開催。本展覧会「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」は、日本で10年ぶりとなる大規模な個展となる。


オラファー・エリアソン(1967 年生まれ)はアートを介したサステナブルな世界の実現に向けた試みで、国際的に高い評価を得てきた。本展覧会は、エリアソンの再生可能エネルギーへの関心と気候変動への働きかけを軸に構成される。それは展覧会のタイトルにも反映されていると、エリアソンは言った。
「〈ときに川は橋となる〉というのは、まだ明確になっていないことや目に見えないものが、たしかに見えるようになるという物事の見方の根本的なシフトを意味しています。地球環境の急激かつ不可逆的な変化に直面している私たちは、今すぐ、生きるためのシステムをデザインし直し、未来を再設計しなくてはなりません。そのためには、あらゆるものに対する私たちの眼差しを根本的に再考する必要があります。私たちはこれまでずっと、過去に基づいて現在を構築してきました。私たちは今、未来が求めるものにしたがって現在を形づくらなければならなりません。伝統的な進歩史観を考え直すためのきっかけになること、それがこうした視点のシフトの可能性なのです。」


オラファー・エリアソンは 1990 年代初めから、写真、彫刻、ドローイング、インスタレーション、デザイン、建築など、多岐にわたる表現活動を展開してきた。本展は、エリアソンの代表作を含む、多くが国内初公開となる作品の数々で構成される。植物を用いたインスタレーション、光と幾何学に対する長年の関心が反映された彫刻、写真のシリーズ、ドローイングと水彩画、公共空間への介入をめぐる作品等が展示される。


エリアソンは、幼少期に多くの時間を過ごしたアイスランドの自然現象を、長年にわたり撮影してきた。《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》(2019 年)は、過去 20 年間の氷河の後退を鑑賞者に体感させる。また、私たちと自然との複雑な関係をめぐる思考が反映されたエリアソンのインスタレーションは、光、水、霧などの自然現象をしばしば用いることによって、周りの世界を知覚し、世界をともに制作する方法について、私たちひとりひとりの気づきをうながす。さらに、本展覧会では、最初期の代表作として、暗闇の中に虹が現れる《ビューティー》(1993 年)をご紹介。アトリウムの吹き抜け空間と展示室に隣接するサンクン・ガーデンでは、大規模なインスタレーションが本展のために制作される。


スタジオ・オラファー・エリアソンの活動は美術作品の制作に限定されない。スタジオでは日々、実験とリサーチ、コラボレーションによって、さまざまなアイデアやプロジェクトが開発されている。本展覧会では、サステナブルな生分解性の新素材やリサイクルの技術に関する近年のリサーチの一部をご紹介。展覧会カタログには、本展キュレーターの長谷川祐子による論考と、エリアソンと哲学者のティモシー・モートンとの対談が収録される。


代表作と本展のための新作
展示室の内外で展開される 2 つの大規模なインスタレーション、写真のシリーズ、公共空間への介入をめぐる作品など、本展のための新作を紹介。また、鑑賞者の目の前に虹を再現する初期の代表作《ビューティー》(1993年)をはじめとする体験型作品やインスタレーションが展示される。





「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」展のための新作の試作、2019年
Photo: María del Pilar García Ayensa / Studio Olafur Eliasson


自然の変化を追うアイスランドの作品
エリアソンは、アイスランドの自然を 20 年以上にわたり撮影し続けてきた。《溶ける氷河のシリーズ1999/2019》(2019)は、過去 20 年間の氷河の大きな変化を目に見えるかたちで示す。






オラファー・エリアソン《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》2019年
Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles
© 2019 Olafur Eliasson Photo: Michael Waldrep / Studio Olafur Eliasson






《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》(2019年)をレイキャヴィクで撮影するオラファー・エリアソン
Photo: Studio Olafur Eliasson / Alcuin Stevenson


サステナブルな実践
誰もが「リトルサン」に蓄えられた太陽の光で自由にドローイングを描ける《サンライト・グラフィティ》(2012 年)等の作品におけるソーラーエネルギーの利用、作品の輸送における二酸化炭素排出量の削減など、展覧会のさまざまな側面で環境に配慮している。また、サステナブルな生分解性の新素材やリサイクルの技術に関するスタジオ・オラファー・エリアソンの近年のリサーチの一部を紹介。






オラファー・エリアソン《サンライト・グラフィティ》2012年
Installation view: Tate Modern, London Photo: Zan Wimberley, 2019
Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles


作家プロフィール
オラファー・エリアソン Olafur Eliasson
1967 年、コペンハーゲン(デンマーク)生まれ。現在、ベルリンとコペンハーゲンを拠点に活動。アイスランドとデンマークで生まれ育ち、1989 年から 1995 年までデンマーク王立美術アカデミーで学ぶ。1995 年、ベルリンに渡り、スタジオ・オラファー・エリアソンを設立。スタジオは現在、技術者、建築家、研究者、美術史家、料理人等、100 名を超えるメンバーで構成されている。2014 年、建築家のセバスチャン・ベーマンと共同でスタジオ・アザー・スペーシズを設立。
光や水、霧などの自然現象を新しい知覚体験として屋内外に再現する作品を数多く手がけ、世界的に高く評価されている。テート・モダン(ロンドン)で発表した《ウェザー・プロジェクト》(2003 年)やニューヨークのイースト川に人工の滝を出現させたパブリックアート・プロジェクト(2008 年)等、大規模なインスタレーションで広く知られている。近年は、電力にアクセスできない地域に住む人びとに届けられる携帯式のソーラーライト「リトルサン」(エンジニアのフレデリック・オッテセンと共同開発)や、グリーンランドから溶け落ちた巨大な氷を街なかに展示することで人びとに気候変動を体感させる「アイス・ウォッチ」(地理学者のミニック・ロージングとの共同プロジェクト)といった社会的課題をめぐる取り組みにも力を注いでいる。
日本での主な個展は原美術館(2005 年、東京)、金沢 21 世紀美術館(2009-10 年、石川)がある。


「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」
会期 2020 年 3 月 14 日(土)- 6 月 14 日(日)
休館日 月曜日(5 月 4 日は開館)、5 月 7 日
開館時間 10:00-18:00(展示室入場は閉館の 30 分前まで)
観覧料 一般 1,400 円(1,120 円)/ 大学生・専門学校生・65 歳以上 1,000 円(800 円)/
中高生 500 円(400 円)/ 小学生以下無料
※( )内は 20 名様以上の団体料金
会場 東京都現代美術館 企画展示室 地下 2F
主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、産経新聞社
後援 駐日アイスランド大使館、デンマーク王国大使館
協賛 クヴァドラ、ブルームバーグ L.P.
助成 スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団


同時開催
企画展
カディスト・アート・ファウンデーションとの共同企画展 「もつれるものたち」
「ドローイングの可能性」
コレクション展
「MOT コレクション いま―かつて 複数のパースペクティブ」

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https://www.neol.jp/art-2/

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