山ガール富士山にゆく!

NewsCafe / 2013年6月28日 15時0分

大手スポーツ量販店が「これからは登山ブームが…」と「山用品に特化した専門店」を作ったのは、かれこれ15年ほど前になる。登山は「一歩間違えると生命の危険がある」と言う事を考えると「店員にもある種の専門知識がいる」ので大変だったようである。当初は「老舗の専門店もあり「なかなか採算に乗らなかった」様だが、ここ5年余りは、折からの「山ガールブーム」で好調とのことである。店を訪ねても「カラフルで明るい」のには驚かされ「これで富士が決まれば…」との期待が大のようである。周りを見ても最近の若いカップルは「二人で富士登山」がブームだし、無謀な?若者同士の「ゼロ泊登山・弾丸登山」も流行りと聞く。そんな富士山が「世界文化遺産」にようやく認定されたのである。

「いやと言うほど報道された」が、専門家は『当初は自然遺産を狙ったが、自然には固有の動植物の存在や自然がキチンと保護されている…などの厳しい条件があり「観光化し開発も進む富士山では無理」と「信仰の対象とその文化遺産にチェンジ」したことが指定につながった。三保の松原の除外問題は「世界の絵画に大きな影響を与えた浮世絵の富士にも多く描かれている」との巻き返しが効いて除外を免れた。これで日本の世界遺産は「文化遺産は法隆寺地区の仏教建造物」を嚆矢に今回の富士山を含めると13ヶ所・自然遺産は「白神山地」を嚆矢に4ヶ所となる。狭い国土に17ヶ所の世界遺産はまさに日本の自然の豊かさと奥行きのある文化を示している』と言う。

報道を見ていていささか気になったのは「商売がらみの喜びの光景」である。すでに数日しかたたないのに「売り上げが倍増したお土産店・あやかりメニューが好評の飲食店・続々ツアープランが売れる旅行会社・山ガール予備軍は登山用品店に…」と報じられている。さすがに「富士は日本一の山」なのである。真夜中の富士山を見ると「登山者のヘッドライトの光の帯が中腹から山頂に向かって続く」のに驚かされるが、それほど登山者が多いと言う事である。識者は『世界遺産指定は信仰の山としての山や施設の保護がテーマのはずだが、日本ではえてして「観光振興」と地元が勘違いし、結果的に環境破壊に拍車がかかる。富士山が心配である』と言う。ユネスコも「来訪者の管理・開発の規制・緊急時の対策」を課題として挙げている。「2012年夏山シーズンの富士登山者数は、調査を始めた05年以降2番目に多い31万8565人。年間では33万人」とのことである。この調子だと今年の登山者は山ガールの増加もあり倍増するだろう。

地元の富士吉田市は『環境保全と安全管理は限界に近い。「富士山の世界文化遺産の登録」が認められ、ますます登山客は増える。それに合わせて公共トイレの増設・登山道の拡張などに多額の費用が掛かる。「受益者負担の原則」で入山料の徴収で財源を作る必要がある。また入山料を取ることで爆発的な登山者増を抑えたい』と言う。まことにもっともな意向であるが、保護に重要なのは「登山者の総数の規制」である。「金を払えばOK」はまずいと思う。「入山料(常識的には5000円)+弾丸登山の禁止+1日の登山者数は宿泊施設の人数」が筋と思うのである。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]

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