遺族が落胆する大川小学校事故検証委

NewsCafe / 2013年11月6日 15時0分

東日本大震災で、児童70人が死亡、4人が行方不明、10人の教職員が死亡した宮城県石巻市の大川小学校の当日の避難行動などを検証する「事故調査委員会」の6回目の会合が3日に開かれました。すでに出されている「事実情報に関するとりまとめ」をもとに、有識者からの公開ヒアリングが行なわれました。

この「学校事故調査委員会」の検証の範囲は、事前対策、当日の避難行動、そして学校長や市教委の事後対応を含んでいます。もちろん、ここから将来の教訓を引き出すためにも行なわれています。しかし、この日の議論は、震災当日の避難行動の検証はほとんどなく、将来の防災教育のあり方が中心となりました。そのため、傍聴していた遺族からは落胆する声が聞かれました。

事実認定について、有識者の一人、河田恵昭氏(関西大学理事、社会安全研究センター長)は「現場で何が起こっていたかをさらに明らかにすることは不可能。生き残った一人の先生の証言が仮にもっと詳しく得られたとしても、そこから確定的な結果を推論することはできない」と述べました。すでに2年半以上も経っていることもありますが、事実認定は難しいとしました。

もちろん、難しいことは承知で委員会のメンバーはそれを引き受けていることでしょう。委員会としては最後までその努力をしなければなりません。にもかかわらず、議論の中で委員の一人が「私もこれ以上、事実を確定するのは無理だと思う。しかし、確定できなくても、教訓を残すことはできる」と述べました。この段階で、事実認定を諦めているかのような発言がありました。

私はこの発言の真意を聞こうと、記者会見にのぞみましたが、その委員は会見には参加しませんでした。もともと、委員長の室崎益輝氏(関西学院大学総合政策学部都市政策学科教授)は、「会見は委員の自由意志による参加で強制できない」との立場を取っています。全員がそろうことがないかもしれません。

しかし、私はこの発言が気になりました。というのも、当日の避難行動について、これまでの会合では細かな事実が浮き彫りになっていないからです。そして有識者の公開ヒアリングでも、ほとんど議論されませんでした。まだ、遺族との関係が悪化した市教委の調査のほうが、証言等が豊富に公表されています。

そのため、室崎委員長に、「まだ最終報告が出る前の段階で、『事実を確定するのは無理』との意見が委員から出るのはおかしいのではないか」と質問しました。室崎委員長は「教訓となるべき事実はきちんと確定したいと思うし、そのような努力をします」などと述べました。

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