高橋一生&中村倫也“伝説のカラオケシーン”に凝縮された『凪のお暇』というドラマ

dwango.jp news / 2019年9月21日 17時0分

“切なさ”といういわし雲がかかったような、それでいて清々しさもあるような、まさにひと夏の終わりを感じるラストを迎えたドラマ『凪のお暇』(TBS系)。

最終回序盤で突然流れたゴン(中村倫也)や慎二(高橋一生)の歌唱シーンに、「激レア!!」「歌上手すぎる」「全視聴者がうっとり」「フルで聴きたい」「カラオケシーンは伝説に残る」などとお茶の間はいきなり盛り上がった。視聴者へのご褒美とも言えるこのシーンだが、一連のカラオケシーンにはドラマ『凪のお暇』の魅力が凝縮しているように感じられる。(以下、ネタバレあり)


そもそも、なぜこんなシーンが? それは凪(黒木華)プロデュースの“みんなで緑さんを送ろうの会”。この時まだ凪は知らないが、凪たちの住むアパートは取り壊しが決まっていた。一足先にアパートを出る緑さん(三田佳子)を送り出そうと、凪が計画したのだ。場所は、スナックバブル2号店。手書きのイラストやメッセージ、手作りの紙の装飾が施された店内は優しい世界だ。

緑さんを囲んで、ゴン(中村倫也)、みすず(吉田羊)、うららちゃん(白鳥玉季)、エリィ(水谷果穂)と仲間たち、坂本さん(市川実日子)、バブルのママ(武田真治)と杏ちゃん(中田クルミ)。そして慎二(高橋一生)が勢揃い。まずはゴンが、『糸』で甘い高音を響かせる。美しすぎる裏声は必聴。みすずは『さよならの向う側』で緑さんにメッセージ。エリィたちは『睡蓮花』で盛り上げ、坂本さんも『贈る言葉』を心をこめて歌う。そして、慎二は『また逢う日まで』を声量豊かにのびやかな歌声で熱唱。ママ&杏は『けんかをやめて』の歌詞になぞらえ三角関係をいじる。

このラインアップ全てが見所だが、例えば歌う人を見つめる緑さんの目は温かく、ノリノリで盛り上げるママの無邪気な姿は優しい。慎二は、恋敵・ゴンが歌っている間、星形のライトを頭の上で振っている。うららちゃんは別れが耐え難く、ご機嫌斜めなのもいじらしい。

最後に指名された凪(黒木華)。「あー、いや、こいつは人前で歌は…」と慎二が庇おうとすると、「歌わせていただきます!」と意気込む。ある曲を予約すると、ママは両手をあげてジャンプし大興奮。「なんでこんな曲知ってんの!?」と尋ねられると、凪は、「お客さんと一緒に歌える歌を、せめて一曲でもと思い、ひそかに練習しました」と答えた。ママは親指でグー。「うん、しっかりね!」」とマイクを渡した。おそらく人前で歌ったこともないであろう凪が、健気に一生懸命歌う姿。それを見守る慎二は、その成長を認めたような、どこか悟ったような柔和な表情だった。また、凪を愛おしそうに見つめるゴンを見て、優しく微笑むエリィの表情も切なく優しかった。


緑さんに坂本さん(市川実日子)が貸した石のブレスレットは、紐が切れバラバラに。坂本さんは「役目を終えたのかもしれません。今までありがとう」と石につぶやく。石のパワーを信じ頼って、生きてきた坂本さんの成長もそこで描かれた。


とにかくこの世界はやさしく温かい。「全員好き」「なんか登場人物みんな恋しかった」「凪ちゃんだけではなく、他の登場人物全員が愛おしい」「心があったかくなる」。そんな感想が聞かれるのは、このカラオケシーンの中にあるような、ふとした表情や愛のある行動が積み重なっているからではないだろうか。凪はのちに、「美味しい空気をあげられる人になる」というWISHを持って一歩踏み出すが、このシーンですでに凪のまわりには笑顔が溢れている。きっと、ここで慎二も「おまえは絶っっ対に大丈夫」と確信しているのだろう。

さらに、ちょっと斜め上をいく“まさか”な遊び心も。まず凪の選曲は『ジュリアに傷心』。今クール話題となった他局のドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)でも使われていた楽曲だ。これには「あな番のあのシーンがよぎった」「あな番と被るとはww」と反応した視聴者も。第7話で、他局で放送されていた『天空の城ラピュタ』の呪文をママ(武田真治)がぶち込んだ例もあり、この演出も遊び心か。しかも、『ジュリアに傷心』エンディングにさしかかり、ママが「〆は私の十八番ねー」と向かった先にはサックスが!これは…と思いきや、横にあったフルートを吹き始めるママ。「そっち吹くのかよ!」誰もが思ったツッコミを即座に慎二(高橋一生)が代弁してくれた。こんなふうに視聴者との絶妙な距離感でクスッと笑いを与えてくれたのも、このドラマの魅力だった。ちなみに、ここでは明かさないが、最終回に対し「納得の終わり方」と言った視聴者でさえ、「そこだけは意外だったww」と口を揃えた“まさか”も用意されていた。


カラオケシーン自体、凪(黒木華)の大きな一歩。自分からやりたいと思ったことがなかった凪が、自分で計画し、まわりの人を巻き込み実現した。おまけに歌まで。そんな凪の成長を見つめる、圧倒的魅力のやべぇ二人。3人の周りにいる温かい人々・優しい空間。その世界に説得力をもたせ、感情移入させてくれたキャストの演技力。そこに加わる“まさか”の演出・遊び心。ドラマ『凪のお暇』の魅力が、このカラオケシーンには実はぎゅっと詰めこまれていたのではないだろうか。



画像(C)TBS


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング