まねきケチャ、困難を越えて突き進む姿を焼き付けた5周年ライブ

dwango.jp news / 2020年8月11日 22時59分

5人組アイドルグループ、まねきケチャが8月10日、パシフィコ横浜でグループ5周年を記念するライブを行った。同公演の模様はZAIKOでも同時中継でオンライン配信された。

客席の照明が落ちてグループのオーバーチュアが鳴り響きオープニングムービーが流れるが、フロアは静まり返ったまま。この日、パシフィコ横浜はソーシャルディスタンスを保つために観客数を大幅制限(*)、さらに客席で声を発する行為も控えるようグループから事前にアナウンスがなされていたのだった。(*客席は前後左右を空席とした配置で全席をレイアウト。)

この5年、まねきケチャのライブの変わることのないアイデンティティであったのはメンバーの生歌とそれに負けない熱量で巻き起こる爆音コール。この夜、新型コロナウイルスの感染対策のため客席からの発声が封じられた中での公演となったが、まねきケチャは開始15分で自分たちのライブのニューノーマルを生み出した。

この夜のオープニングに選ばれたのは、これまでも数多くのライブの幕を開けてきた『冗談じゃないね』。勢いそのままにアッパーチューン『カクカクシカジカ』でさらにフロアのボルテージを高めると、刀を振り下ろすダンスが印象的な『一刀両断』ではメンバーのダンスに合わせて客席でもサイリウムが無数の閃光を放つ。続いて5人はグループ最初期の楽曲である『愛言葉』をパフォーマンスすると、自己紹介のMCパートへ。これまで各メンバーの自己紹介に合わせて大きなコールが起こったパートだが、この日はコールのリズムによる拍手が客席から自然発生。ソーシャルディスタンスを越えたコール&レスポンスがパシフィコ横浜の一体感を揺るぎないものにしていく。


その後、5人はインディーズ時代の楽曲、『モンスターとケチャ』をパフォーマンス。さらに1stアルバム『きみわずらい』、2ndアルバム『あるわけないの』それぞれの収録曲を立て続けに披露し、新旧のファンを大いに沸かせていく。

その後も武道館公演ではトロッコ演出も行われたスケール感ある楽曲『奇跡』、甘酸っぱい台詞パートを絡めながら展開される『告白のススメ』、さらに新曲『難攻不落』ではロックなトラックに各メンバーがハイトーンを駆使してエモーショナルにメロディを歌い繋ぎ、グループの過去と現在が詰まったセットリストを重ねていく。

まねきケチャの5年間のキャリアを網羅する内容となったこのパシフィコ横浜公演だが、ライブのハイライトはこの夜に初披露となった“自己紹介ソング”『招かれチューン』に違いない。ライブ中盤、《まねきケチャの想い》と題されたインタビュー動画が流れると、そこで語られたのはライブ自粛期間中のメンバーの姿だった。ライブアイドルである自分たちがステージに立てない悔しさや不安。そんな想いを背景に、この新曲はメンバー間でリモート打ち合わせを繰り返して作り上げられたことがインタビューの中で明かされる。グループのメインボーカルである松下と深瀬がアカペラで歌ってメロディの原案を作曲。リーダーの中川が詞を書き上げると、メンバーの中でも最も高学歴な篠原が添削。こうした生まれた楽曲に宮内が振り付けを乗せ、5人は5周年の舞台でパフォーマンスした。メンバーそれぞれの主役パートを繋ぎながら、《夢や目標笑われることもあるけど 皆がいるからここまでこれた この景色やきつけて さあ今日も歌うよ》というメッセージを歌い終えると、思わず涙をこぼしたのはまねきケチャに途中加入した経緯を持つ深瀬。すかさずフォローを差し伸べる初期メンバーの姿に、会場内外のオーディエンスは5年間という年月の絆を目撃したのだった。

自身のプロデュースした楽曲によりさらにギアを高めた5人は『SPLASH』『妄想桜』『青息吐息』といったファンの間でも思い出深い楽曲を連打していく。途中のMCでは8月29日に宮内、9月20日に中川、9月26日に深瀬と3つの生誕ライブを告知。この5周年公演のあともさらに活動を加速させていくことを表明し、いよいよライブは終盤に差し掛かる。

本編ラストのMCでメンバーそれぞれが今後の抱負を語る中、宮内は「今の5人でもう一度武道館に立ちたい」と新たなる目標をファンに誓った。そのまま5人はグループのソングリストの中でも屈指のエモソング、『愛と狂気とカタルシス』『キミのいない世界に』を畳みかけると、『あたしの残りぜんぶあげる』では5人が各自のパートをバトルのようにぶつけ合う圧巻のボーカルリレーを披露。グループの歩みの核にある「生歌」をむき出しにし、パシフィコ横浜の本編を終えた。

アンコールを受けて再びステージに登場した5人はまだまだ止まらない勢いを見せるかのように新曲『引き算』を初公開。プロポーズソングとなるこのミディアムバラードでも5人の息の合った歌で観客を魅了していく。そしてアンコールのラストでパフォーマンスされたのはグループの躍進のきっかけとなった不動の代表曲『きみわずらい』。2015年8月にライブデビューを果たし、以後毎年250本を超えるライブを行ってきたまねきケチャ。上がった舞台とそれに向けたリハーサルで数千回と歌い込んできた同曲をパフォーマンスし、5人は5周年を記念する公演の幕を閉じた。

「本当は会場パンパンでコールもみんなにやってもらいたかった」。インタビュー動画の中で中川が語ったよう、コロナ禍はまねきケチャの5人にとっても大きな変化をもたらした。しかし、どんなに先行きの見えない状況の中でも、僕らは少しでも今をよりよくするために何かを考え、生み出していくことができる。新曲『招かれチューン』、そして3時間超のパフォーマンスを通し、まねきケチャは今を生きるためのヒントを僕らに残して次なる目標へと歩みを進めたのだった。


カメラマン:イシハラタイチ


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