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少女を殺人にいざなうネットキャラ「スレンダーマン」 - 瀧口範子 @シリコンバレーJournal

ニューズウィーク日本版 / 2014年6月14日 16時39分

 ウィスコンシン州では、子供であっても10歳以上ならば殺人未遂、殺人は成人として罪を問われることになっており、2人の少女はすでにメディアで顔を報じられてしまった。私見を述べれば、ちょっとオタクっぽい雰囲気。あるいは読書好きなタイプ。だが、どう見てもまだ子供だ。

 さて、それではこういったインターネット上の物語は悪なのか。大人たちはもっと責任を感じるべきなのか。議論はいつものようにそちらの方向へ向かっているのだが、それは短絡だろう。
昔から小説や映画に影響を受けた犯罪はあったから、インターネットが悪いとは言えない。けれども、人々が独自にディテールを付け加えていくことで、物語がひとつのかたちに留まらず増殖していく性質は新しいものだ。いったん妄想を抱き始めたら、その増殖にすっかり足を取られてしまうこともあるだろう。

 けれども、結局は現実と非現実に対するリタラシーとバランスの問題ではないだろうか。人は現実と非現実の両方があってこそ生き延びていけるのだと思うが、インターネットは伝える現実も物語る非現実も、その両方をすさまじい速さで増殖させている。その速さに対する認識力こそ見失ってはいけないものだ。






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