シアトル市が下した最低時給15ドルの「英断」
ニューズウィーク日本版 / 2014年6月18日 14時26分
米ワシントン州のシアトル市議会が、最低賃金を現行の時給9.32ドルから破格の15ドルに引き上げる法案を満場一致で可決した。アメリカ最高の水準であり、今後7年以内で段階的に導入する計画だ。15ドルの最低賃金は、昨年11月に同州シータック市の住民投票でも承認されている。
「1年前、15ドルはプラカードに載る『数字』にすぎなかった。それが今日、シアトルの10万人の労働者にとっての現実になった」と、ファストフード店の1年前の大規模ストライキを支援した団体「ワーキング・ワシントン」の広報担当は言う。
法案の支持者は、シアトルは物価が高いだけでなく、現在の最低賃金ではフルタイムで働いても年収約1万9300ドルにしかならないと指摘していた。「低賃金で生活が苦しいという不満と怒りが、ファストフード店のストライキを生んだのだろう」と、ニック・リカータ市議は言う。「少数の人々の手にどれほどのお金が集中しているか、われわれは分かっている」
マリー市長は最低賃金引き上げを支持し、法案の投票時には議場の後方で見守っていた。有権者も同様で、先月の調査では賛成が74%に達している。
[2014.6.17号掲載]
エリック・リントン
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