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極右ルペンの父娘バトル勃発

ニューズウィーク日本版 / 2014年6月25日 14時29分

 5月の欧州議会選挙でフランス第1党に躍進した国民戦線のマリーヌ・ルペン党首。瞬く間にヨーロッパ極右勢力の顔となった彼女だが、その快進撃を妨げようとする厄介な「敵」が現れた。同党の初代党首で名誉党首、実の父親であるジャンマリ・ルペンだ。

 昔から反ユダヤ主義的な言動で知られる父ルペンだが、国民戦線を批判するユダヤ系歌手に対してナチスのガス室を連想させる発言を浴びせたことが発覚。メディアはもちろん、今回は党内からも容赦ない批判が続出し、引退を促す声まで上がった。党首のマリーヌも「発言がどう受け止められるか予測しなかったのは政治的な過ちだ。国民戦線はその波紋に苦しんでいる」と、仏フィガロ紙上で異例の苦言を呈した。

 無理もない。マリーヌは党首就任後、人種差別的なスローガンを控え、市民が受け入れやすいソフト路線への変革に必死で取り組んできた。今の人気はそのたまものだ。しかし父ルペンの言動はそんな努力を台無しにしかねない。それこそが彼の狙いかもしれないが。

[2014.6.24号掲載]

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