メッセージを暗号化する「超プライベート携帯」発売へ - 瀧口範子 @シリコンバレーJournal
ニューズウィーク日本版 / 2014年6月27日 11時56分
携帯通信を切っていても、ワイヤレス通信がくせ者だ。スマートフォンに表示される接続可能なワイヤレスのリストは、とりもなおさずそれだけのワイヤレス通信ポイントがユーザーを特定しているということである。もともとはユーザー・データを悪用するための機能ではないにしても、そうやってわれわれは自分の足跡をいろいろなところに残している。
だがブラックフォンの登場で、プライバシーやセキュリティーを高いレベルで護ることも不可能ではなかったことが証明された。ブラックフォン関係者は、3年後には年間1千万台の販売を目指しているが、プライバシーに敏感な人々以外には軍関係者、情報活動関係者、政府関係者、企業トップ、有名人らが最初のユーザーになることだろう。
当面の弱点は、同時性が低いメールのやりとりが保護できないこと、そしてこのブラックフォンに合ったアプリが限られていること。だがテクノロジーが進んで、これらの弱点が克服される日もいずれやってくるだろう。
また、ユーザーが通常のアプリをダウンロードすると、そこからハッカーに付け入れられる可能性はある。また、匿名でブラウジングを行えても、ソーシャル・ネットワークのアカウントで活発に書き込みをしたり、オンライン・ショッピングで買い物をしたりすると、匿名性は失われるだろう。
ブラックフォンに象徴されるように、最近はプライバシー技術自体が新しい領域として注目を集めている。歓迎すべきことだ。ユーザーが増えればこうした製品も増え、製品が増えれば一般ユーザーの意識も高まる。すっかり諦めていたプライバシーを、少しでも保護しようという良い循環に変わるのではと期待する。
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