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違反きっぷに異議あり!の時のお助けアプリ - 瀧口範子 @シリコンバレーJournal

ニューズウィーク日本版 / 2014年7月31日 13時29分

 フィックストを利用するのは無料だ。まず、スマートフォンで違反チケットの写真を撮影。その後、どういった理由で異議申し立てをするのかを、選択肢から選んで送信。追加で証拠写真を送れと指示が表示されることもある。その後、フィックストでは法律の専門家(たいていは法学部の学生らしい)が内容をチェックして、交通局へ送付、という手順だ。

 もし、異議申し立てが認められれば、罰金として払うはずだった金額の25%をフィックストへ料金として支払う。認められなければ、あくまでも無料。駐車違反への不満を持つ人々は多いらしく、今年初め最初にローンチしたサンフランシスコ市での登録者は3万5000人以上いるという。申し立てをしたケースの20〜30%は、認められて罰金を逃れているらしい。

 当局への異議申し立てはめんどうだし、やってものらりくらりと緩慢に対応される。そんなことが嫌なのでアプリを使うわけだが、それにしてもこういうところにまでアプリが介入してくるとは、感慨深い。ゲームを楽しんだり、メモを取ったりするのではなく、ある種法的な手順がスマートフォンの操作に取って代わられているからだ。

 たかが駐車違反とは言え、これまでは異議申し立てをするにはそれなりの覚悟が必要だった。しかし、こんなアプリならば、どこかに「チェックイン」するような気軽さ。そのうち、近所への苦情などもアプリで済ませられるようになるのかもしれない。

 フィックストには、先頃創業資金もついた。市民をエンパワーするという謳い文句だが、この手の「リーガル・アプリ」が広まれば、ますます人間的手続きが減っていくのも確かだろう。




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