ロシア軍機がアメリカの裏庭に?
ニューズウィーク日本版 / 2014年12月3日 16時59分
ウクライナ情勢をめぐって孤立するロシアの挑発行為が、一段とエスカレートしている。
NATO(北大西洋条約機構)は先週、ロシア軍の戦車や部隊がウクライナ領内に侵入するのを確認したとしてプーチン政権を批判した。ロシアはその事実を否定した上で、アメリカの裏庭ともいえるメキシコ湾やカリブ海周辺に長距離爆撃機を派遣して偵察飛行に当たらせる方針を発表。「現在の状況を考えれば、大西洋西部や太平洋東部、カリブ海やメキシコ湾で軍事的プレゼンスを維持することが必要だ」と、ショイグ国防相は語った。
この決定は、軍事衝突の可能性をにおわせて欧米諸国を揺さぶるロシアの戦略の一環だ。冷戦時代にはソ連の軍用機が太平洋や大西洋上を定期的に飛行していたが、近年はそうした行動は減少していた。
だが今は親ロシア派武装勢力が独立を求めるウクライナ東部の取り込みに野心を燃やす。8月には核兵器搭載可能なロシア空軍機がアラスカ付近を飛行。先月末にも欧州空域を飛行するロシア機をNATO軍が追い払う事態が頻発したばかりだ。
[2014.11.25号掲載]
ポリー・モセンズ
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