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「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」とヤングは言った

ニューズウィーク日本版 / 2015年10月26日 16時20分

『アイデアのつくり方』(ジェームズ・W・ヤング著、今井茂雄訳、CCCメディアハウス)という本がある。原書の初版が刊行されたのは、なんと1940年。この邦訳版も初版は1988年で、四半世紀に及ぶ発想術のロングセラーである。

 ただし、この『アイデアのつくり方』、わずか104ページという薄い本で、しかもそのうち26ページが、科学雑誌『Newton』初代編集長で東大名誉教授の故・竹内均氏による解説である。

 そこで、「では、具体的にどうしたらアイデアを生み出せるのか?」という要望に応えたのが、アメリカの広告業界で40年近いキャリアを積んだジャック・フォスターによる『新装版 アイデアのヒント』(青島淑子訳、CCCメディアハウス)だ。

 とはいえ、こちらの『アイデアのヒント』も実は、旧版が1999年、新装版が2003年刊行と、15年以上日本で支持され続けてきたロングセラー。随所に記された「ひらめくためのハウツー」が、これだけ仕事の環境が変わった今も古びないのは驚きだ。

 アイデアとは何か、独創性とは何か――。東京五輪エンブレム問題などで関心の高まった今こそ、これらのロングセラーをひも解いて、発想術の「本質」を再確認してはどうだろう。ここでは、『新装版 アイデアのヒント』から「第1章 アイデアって何だろう」と「第2章 もっと楽しもう」を抜粋し、前後半に分けて掲載する。

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『新装版 アイデアのヒント』
 ジャック・フォスター 著
 青島淑子 訳
 CCCメディアハウス



『アイデアのつくり方』
 ジェームズ・W・ヤング 著
 今井茂雄 訳
 竹内 均 解説
 CCCメディアハウス


◇ ◇ ◇

アイデアって何だろう

「僕、その答え知ってます。答えはすべての人の心のなかにあるんです! え、答えは12?......教室を間違えたかな」
――チャールズ・シュルツ(『スヌーピー』シリーズの作者)

「その答えはすぐにわかったので、僕は喜んで答えた。『わかりません』って」
――マーク・トウェイン

 アイデアを手に入れる方法を学ぶ前に、まずアイデアとは何なのかを考えなくてはならない。手に入れようとしているものが何なのかわからないのに、それをたくさん得る方法を見つけ出すというのは難しいからだ。

 ただ、問題がある。アイデアをどう定義すればいいかということだ。

 イギリスの詩人A・E・ハウスマンはこう言っている。「ねずみとは何なのか、犬が説明できないように、わたしも詩が何なのか定義はできない。だが犬もわたしも、ねずみや詩を目の前にしたときの心のときめきによって、それを認識することはできる」。「美」も同じようなものだ。「すばらしさ」や「愛」といったものもこうした部類に入る。

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