古代エジプト王は最古の巨人症!? 異常な高身長ミイラは187cm
ニューズウィーク日本版 / 2017年8月9日 17時40分
<これまで一番背の高いファラオ、ラムセス2世の記録を更新することに>
古代エジプトを治めたファラオが巨人症だった可能性が出てきた。およそ4700年前のウル第3王朝時代のサナク―ト王の可能性があるミイラは、身長が約187cmもあり、巨人症としては最古の症例という。
糖尿病と内分泌学に関する医学メディア「The Lancet Diabetes&Endocrinology」によると、このミイラは1901年に、エジプトのルクソールで発見されたもの。古代エジプトの都テーベがあった場所で、現在も数多くの遺跡が残っており、カルナック神殿や「死者の都」があることで知られている。
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エジプト人の平均身長は165cm
歴史情報サイト「New Historian」によれば、古代エジプト人(王族)の平均身長は、男性165センチ。259柱のミイラから導き出した数字という。これまで発見された最も身長が高いラムセス2世のミイラは全長173.3cm。生前はこれより10cm以上大きかったと推定されている。
今回見つかったミイラは、乾燥した状態でもラムセス2世より約14cmも大きい。他の王族のミイラと比べても群を抜いた大男だったことがわかる。
チューリヒ大学のフランチェスコ・ガラッシ博士とそのチームは、この異常に大きいミイラが生前、脳下垂体異常で成長ホルモンが過剰分泌される疾患、巨人症を患っていたと考えている。この仮説が本当ならば、確認された世界最古の巨人症患者になるという。骨格を分析した結果、頭がい骨は普通のサイズで「(首以下)の長い骨だけが活発に成長していて、巨人症の兆候」が見られた。
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The supposed remains of Sa-Nakht, a pharaoh of ancient Egypt, may be the oldest known human giant. https://t.co/85UVygQjEr pic.twitter.com/Ltu4ryZ5K8— Live Science (@LiveScience) 2017年8月6日
(「サナク―ト王は世界最古の巨人症かもしれない」)
巨人症の社会的地位も推測できる
古代エジプトでは、小人症の人々は神の力を持っていると信じられていた。中東情報サイト「step FEED」などによれば、小人症の人の多くがファラオに近い助手として働いていたと知られている。
では、巨人症についてはどうだったのか。今回見つかったミイラの埋葬の様子から、研究者は、「成人した後に、(身分が高い人たちが眠る)マスタバ墓に埋葬されたということは、当時の古代エジプトにおいて巨人症が社会的に疎外されることはなかったということだろう」としている。
巨人症のミイラとサクナート王が同一人物であるかどうかは「確信できない」と述べている。たとえ、サクナート王ではなかったとしても、上層階級の人物だった可能性が高いし、最も古い巨人症の症例として認められれば大きな価値がある発見だ。
【参考記事】ムかない男の美学
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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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