1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

【写真特集】イラン・イラク地震でレンガ造りの建物は住人を呑み込み崩れた

ニューズウィーク日本版 / 2017年11月14日 18時40分

<被災地の病院は患者を収容したまま崩壊し、被災地の医療システムは機能を停止している>

イランとイラクの国境付近で11月12日午後9時20分(現地時間)に起きたマグニチュード7.3の強い地震による被害が少しずつ明らかになってきた。

イラン国営通信によると、13日時点で地震による死者は450人以上、負傷者は7000人に達しており、今年発生した地震として9月のメキシコ地震を大きく上回る最悪の被害を出した。発生から時間が経ち、被災地では生存者の捜索から被災者支援に比重が移りつつある。



サルポレザハブの街で遺体の横で泣き叫ぶ女性 Tasnim News Agency-REUTERS


イラン側で被害が大きかったのは、西部ケルマンシャー州。イラクとの国境から10キロの地点にあるサルポレザハブの街では、崩壊した建物の下敷きになる人が続出した。国境近くの山岳部の住宅の多くはレンガが使われているため、揺れに弱い。英ガーディアンによるとこの街だけで少なくとも236人の死亡が確認された。

ケルマンシャー州ダーラーフー郡では、一部の村が完全に破壊されたという地元知事のコメントもある。

Amateur video appears to show the level of destruction in the Iranian town of Sarpol-e Zahab, after a powerful earthquake. pic.twitter.com/qtOHCVd1zG— RFE/RL (@RFERL) 2017年11月13日


一夜明けた被災地の様子





病院が崩壊しているため十分な治療は望めない Tasnim News Agency-REUTERS


サルポレザハブの地元議員、ファハド・タジャリはこの地震で、親戚15人の命を奪われた。サルポレザハブに唯一ある病院は倒壊し、施設内にいた患者と職員は瓦礫の下に埋まっており、機能は停止。数百人の負傷者は十分な治療がされないまま、ほぼ放置状態だ。

地震発生後からサルポレザハブで取材活動を続けるイラン人記者は「無秩序な状態だ」と言っている。「十分な食糧もない。燃料でも冷凍食品でも、支援物資はなんでも構わない。特に子供と高齢者は空腹に苦しんでいる。多くの家族がまだ避難できていない」と被災地の困窮した状況を記者会見で訴えた。



地震の犠牲者を前に悲しみを爆発させる Tasnim News Agency-REUTERS

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください