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ドイツ右傾化の新たな兆し?ネオナチ政党勝利の衝撃

ニューズウィーク日本版 / 2019年9月18日 12時0分

<ドイツ国家民主党党員の首長就任に既存政党が危機感を募らせている>

ドイツ中部の小さな町、ワルトジードルングの町長選挙が波紋を呼んでいる。

当選したのはネオナチ思想を信奉し、人種差別発言を繰り返す極右政党「ドイツ国家民主党(NPD)」のシュテファン・ヤクシュ。対立候補がいないなか、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)や社会民主党(SPD)など主要政党所属の町議会議員の支持を得て当選を果たした。

NPDは1964年の結党以来一度も連邦議会に議員を送り込んだことがなく、地方議会に少数の議席を有するだけの弱小政党だ。

2017年には連邦憲法裁判所がNPDの排外思想を憲法違反と認定したが、脅威となる規模ではないとして、党を非合法化すべきとの申し立ては却下していた。

だがヤクシュの勝利を受け、既存政党は危機感を募らせ批判の声を強めている。

CDUは選挙の無効を訴え、SPDの幹部は「われわれはナチスとは絶対に協力しない」とツイート。今後NPDの存在感がさらに高まれば、ドイツ社会の右傾化を示す新たなサインとなりそうだ。

<本誌2019年9月24日号掲載>

※9月24日号(9月18日発売)は、「日本と韓国:悪いのはどちらか」特集。終わりなき争いを続ける日本と韓国――。コロンビア大学のキャロル・グラック教授(歴史学)が過去を政治の道具にする「記憶の政治」の愚を論じ、日本で生まれ育った元「朝鮮」籍の映画監督、ヤン ヨンヒは「私にとって韓国は長年『最も遠い国』だった」と題するルポを寄稿。泥沼の関係に陥った本当の原因とその「出口」を考える特集です。



ジェイク・メイアー

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