米大統領選も終盤へ「10月には魔物がいる...」歴史を変えてきた決戦前夜の大逆転は今回も起きるか
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月17日 20時30分
08年にはリーマン・ショックがオバマに追い風となり、04年にはビンラディンの犯行声明がブッシュの助け舟となった。00年の投票日の数日前には民主党支持の弁護士が、若き日のブッシュに飲酒運転による逮捕歴があることを暴露した。
92年には、レーガン政権時の国防長官がイラン・コントラ事件で起訴された。もともと支持率が低迷していたジョージ・ブッシュ(父)は再選を果たすことはできなかった。
期日前投票で影響小さく
「アメリカの選挙では、10月になると何かのサプライズが起きるのが常だった」。
危機管理のプロとして知られるジェームズ・ハガティは本誌にそう語った。しかし今はメディア環境が変わったので、一発の大サプライズではなく、小サプライズの乱発が目立つそうで、「たいていは個人攻撃で、ハリスはアメリカ嫌いの共産主義者、トランプは人種差別主義のファシストといった具合だ」と続けた。
「中東での停戦とか、ロシアの軍事的勝利とかのグローバルな出来事もあり得るが、そういうのは予測し難いし、誰に有利となるかも判然としない」
20年の民主党予備選でバーニー・サンダース上院議員の選対本部長を務めたファイツ・シャキールによれば、今は期日前投票をする人が増えたので、10月に何かのサプライズがあってもあまり影響はない。
何がオクトーバー・サプライズになるかは「結局のところ予測不能」だと言ったのは、政治コンサルタントのデニー・サラス。
「しかし有権者の関心が最も高い問題は何で、勝敗のカギを握るのはどこの州かを見極めることができれば、どんな話が決定的サプライズになるかを推測することは可能だ」
16年に『アクセス・ハリウッド』ビデオが出たとき、クリントン陣営は小躍りして喜んだものだ。こうなれば勝ちは決まった、保守的な白人女性だって誰もがトランプを見捨てるに違いない。そう信じた。
現にトランプの支持率は急落し、全国規模の世論調査ではクリントンが10ポイント以上の差をつけていた。ところがその後に本物のサプライズが来て、最後に笑ったのはトランプだった。白人女性の47%も、トランプに一票を投じていた。
これがオクトーバー・サプライズというもの。どんなにショックが大きくても、それで票の出方が変わる......とは限らないのだ。
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