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ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?

ニューズウィーク日本版 / 2024年12月10日 14時5分

「シリアにはロシアの主要な軍事施設が2つある。シリア北西部のフメイミム空軍基地と地中海沿岸のタルトゥース海軍基地だ。最近、ロシアがフメイミム空軍基地の防衛にあたっていた防空資産の少なくとも一部を再配備したという報道があり、両基地では現在厳戒態勢が取られている」

オズチェリックはさらに「今後もシリアへのアクセスを維持することはロシアの利益に叶うが、今はロシアがシリア国内で軍事力や影響力を発揮する能力が著しく低下している」と言及し、こう続けた。

「今後ロシアがシリア国内でのプレゼンスを維持することにどのような意義があるのかが分かるまでには時間がかかるし、まだ決まっていないシリアの新政府との交渉を経なければ分からないだろう」

アサド政権の崩壊を受けて、シリアの今後をめぐる国際的な議論が高まっている。

NATOのマーク・ルッテ事務総長は声明の中で、「われわれは平和的な権力の移行と、あらゆる人が参加できるシリア人主導の政治プロセスの実現を期待している」と述べた。

 

ロシアは2015年9月にシリア内戦に正式に介入。反体制派やテロ組織、とりわけISIS(イスラム国)やアルカイダ系のグループを弱体化させることを狙って空爆を行った。

この軍事介入においては最新鋭の戦闘機や爆撃機、ヘリコプターも使用されたが、しばしばテロ組織だけではなく穏健派の反体制勢力や民間人の居住危機も標的にしたと批判を浴びていた。

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