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ニコニコ生放送「『領土問題』を考えよう」(2015年8月1日放送)全文書き起こし(3)

ニコニコニュース / 2015年8月23日 13時0分

ニコニコニュース

 「ニコニコドキュメンタリー」の第1弾、第三者の視点から日韓問題を描いた「タイズ・ザット・バインド~ジャパン・アンド・コリア~」をテーマにした1回目の解説番組、「『領土問題』を考えよう」が2015年8月1日(土)22時から、ニコニコ生放送で配信されました。

 本ニュースでは、同番組の内容を以下の通り全文書き起こして紹介します。

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※出演者=話者表記
・山本皓一氏(フォト・ジャーナリスト)=山本
・山田吉彦氏(海洋問題研究家、東海大学海洋学部教授)=山田
・角谷浩一氏(MC/ジャーナリスト)=角谷
・松嶋初音氏(コネクター)=松嶋
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松嶋:これはテレビとかで見せるべき映像な気がするんですけど。扱ってほしいなと思いますけど。

山本:ただ、日本側からも、海上保安官に「乗っけて竹島近辺へ行ってくれ」とか、航空自衛隊に頼んで「上から写真を撮らせてくれ」っていうことを言ったんだけども、全く歯牙にもかけてもらえなかったですね。行ったら撃たれるっていう、そういうことしか考えていないですから(笑)。

角谷:なるほど。そういうものなのかなと思いますけれども。

松嶋:はい、衝撃もありましたけれども、では、そもそも竹島がなぜ韓国に実効支配されるに至ったのか、その経緯を年表にまとめてみましたのでご覧ください。

山本:ちょっと待ってくださいね。これですね。これと対になっているパネルがもう一つある。

松嶋:はい、ございます。

山本:実は年表、歴史っていうのは、山田先生なんかの研究者が一番お詳しいわけですから僕らが出る余地はないんですね。しかし、私はこれまで恐らく50回以上韓国へ行って、竹島も合計3回行って、あるときはっと気づいたことがあるんです。それは、朝鮮戦争の年表と竹島の年表をずっと比べて見ていたんですよ。そこで一つ奇妙な一致というか、これはその年表、歴史の狭間から浮かび上がってくる当時の韓国のリーダーだった李承晩という人の頭の中、心の中を想像してみたんですね。それをもとに実はこのパネルをつくってみました。一番重要なのは、1952年1月19日っていう日付です。

松嶋:これですね、李承晩ラインの設定が行われたっていう。

山本:はい。これは李承晩政権が突然海洋主権宣言っていうのをやって竹島を取り込んだ日なんですね。ところが、52年1月19日っていう日付、この場合に僕が考えたのは、例えばこのときは、実は一番上に書いている50年6月25日の朝鮮戦争の真っ最中だったわけです。そういう時期に、戦争中に他国に対して新たな領土宣言をなぜこの時期にやったかっていう疑問が出てくるわけですね。それで、朝鮮戦争の歴史のほうを今度は見てみましょう。6月25日、北朝鮮が38度線を越えてやってきました。それで6月28日、あっという間にソウルが陥落しているわけです。それで攻防がずっとあるんですが、その間韓国政府はスウォン、水原と書きますが、スウォンへ移動したり、タイレン、大田っていう漢字を書きます。そこへ移動したり、最終的にはプサンまで撤退しているんですね。ということは、韓国政府はソウル陥落後、行き場がなくてどんどんプサンまで追い詰められたわけです。そこへもってきて9月にマッカーサーが仁川奇襲上陸っていうのをやるんです。これで形成が逆転します。これでソウルを奪還するんですね。ところが、今度はピョンヤンまで押していったときに、中国側が今度は参戦するんですね。中朝連合軍が、なんとまた2回目のソウル占拠をするわけです。当然当時の李承晩大統領はソウルから逃げ出したわけです。またプサンに戻ったわけです。そうこうしているうちに、マッカーサーが更迭されたりして、やっと「戦争をやっていてもしょうがない。休戦協定をやらないか」と。これには理由がいくつかありまして。ところが、休戦協定はなかなかまとまらないわけです。51年になりました。この10月25日に第1回の板門店休戦会談っていうのが行われたと。でも、この最中も局地的な戦闘が朝鮮半島の至るところでやられていたわけです。それで、52年1月19日、海洋宣言をしたわけです。その直後にソ連のスターリンが死んで、アメリカで「なぜ我が国の若い者が朝鮮戦争で血を流さなきゃダメなのか」っていう厭戦気分が蔓延して、それで53年の7月27日に休戦協定が締結されたわけです。これを今度竹島に振りかえてみますと、上のほうに何段か書いていますが、50年から見てください。朝鮮戦争勃発。この朝鮮戦争のときは、日本は韓国軍、米軍の味方だったわけですね。要するに、軍の補給拠点となったわけです。これがもとで日本は経済回復をして、発展の道を辿るわけです。それで51年9月1日にサンフランシスコ条約で戦争が終わったということになります。それで、竹島は日本領土っていうふうに米国が韓国に通告するんですね。そうしたら、その半年後に李承晩ラインが海洋主権宣言を発令したと。それでだだだっと来て、とにかく近づいてくるやつは全部撃っちゃえと。アメリカの意向を無視して、李承晩ラインを設定して竹島を取り込んだわけです。その後、53年の終戦までいろんなことがあったんですけれども、日本人の漁師が殺されたり、海上保安庁の船が砲撃されたりした事件があったんですが、この一連の年表を見ますと、ソウルを2回も占領されて、それでプサンまで追い詰められた李承晩大統領。その場合に、李承晩の頭の中にあったのは、海からの攻撃を受けた場合に挟み撃ちになるわけです。そうしたら韓国が消滅するかもわかんないっていう恐怖におののいたと思うんですよね。それで何とかしなきゃダメだと。李承晩大統領は日本の歴史のことを思い出したと思います。「竹島っていうのがあった」、竹島は日露戦争のときにバルチック艦隊を早期に発見するために、日本の舞鶴鎮守府の海軍があそこに監視所をつくったと。あそこから見ていれば、迂回してくる中朝軍の海軍の船舶を早期発見できるんじゃないかと。

角谷:なるほど。

山本:という思いが浮かんだと僕は想像するんです。休戦協定の気運に乗って、それで戦闘が一時休止したり、また激しくなったり、それでソウルに帰ったりっていう繰り返しをやっている中で、やっぱり竹島っていうのは朝中軍に対しても必要な軍事的な島であるっていう認識をさらに深めたと思うんですね。それで休戦協定を行った直後に、今度は独島義勇兵、義勇軍っていう民間の団体に武器を与えて竹島に上陸させたわけです。いくら当時の韓国政府としても他国の領土に正規軍を送りつけるわけにはいきません。だから、民間の義勇軍っていうふうに体裁を整えたと思うんですね。それで、その直後に海洋主権宣言っていうのをやって、後は近づいてくれば撃つという、要するに不法占拠が始まったわけですね。だから、この年表2つを見比べてみると、当時のリーダーだった李承晩の竹島に対する思いっていうのが非常によくわかるんですね。これは年表の狭間から僕が感じ取った心象なんですけれども、これは今まであまり言われていないことだと思うんですけどね。

山田:一点は、1951年4月のトルーマン大統領のマッカーサー更迭、やはり米国内での対朝鮮半島戦略の変更の中で狭間が生まれてしまったときに李承晩が独自の動きをしだしたと。特に李承晩にとって怖いのは、アメリカというよりもマッカーサーである、マッカーサーの支配下で動いてきたものが突如いなくなる。逆に、その段階で自分たちは守ってもらえるのかっていう危機感が出てきたんだと思うんですね。鬱陵島にしても、竹島にしても、北にとられてはいけない島であると。常に海からおびえなければならないというところで強引に奪ってしまう。そのときにもう一つは食べ物、漁業の問題。韓国という国を統治するにあたって食糧を確保しなければいけない。そこで漁業専管水域、独自に自分たちが自由に魚をとれる海域というのを拡大したい。拡大しないと国民が飢えてしまう、ついてこないというところで強引に軍事力を背景に行ったということが言えると思います。

松嶋:この李承晩ラインっていうのは、勝手に設定したところでどこまで有効なのかというか、それってどういった効力があるんですか?すいません、本当に全くわかっていなくて(笑)。

山田:正直言って、効力はありません。

松嶋:そうですよね、勝手に。

山田:全く効力はない。今で言うと、韓国からの12海里、領海というものを引いていくということになると。もう独自に判断してしまったと。しかし、それが実効支配というものなんですね。力をもって奪うと、それが既成事実として今まで残ってしまったのが竹島。この既成事実を早い芽で摘まなかったという大きなミスはあるわけです。

松嶋:なるほど。先ほどの映像とかを見てしまうと、日本人として竹島は日本の領土だって本当に思っていていいのか、すごく不安な気持ちになっちゃうんですけど。竹島は日本の領土なんですよね?

山田:間違いなく日本の領土なんです。要は、この国は泣き寝入りをずっと続けて、北方領土にしても、竹島にしても、奪われたものを、しかも、血も流れて奪われているわけです。

山本:そういうことですね。

山田:40数人が死傷しているわけです、殺された人もいて。それをすべて置いといて、今、この国は平和だと言っているわけです。北方領土ではもっと悲惨なことがあった。1万7000人が追い出されているわけです。いまだに、これを守ろうという意思を示さない国なんです。であれば、韓国はやったもの勝ち。じゃあ、次は?本当にそのうち対馬も韓国のものなんだと動きかねない。今、中国はそうやって「尖閣諸島は中国のものなんだ」と強引に言い出して、どこからか、「いや、沖縄も中国のものなんだ」、それがじわりじわりと浸透しているんです。それに対して日本は政治的にも外交的にも「ちょっと待って、ちょっと待って」って時々言っているだけで、本当にそういう意思を示してこなかった。

松嶋:ちなみに、1点気になったんですけど、ここで「竹島は日本の領土」と米国より韓国に通告が行ったわけじゃないですか。この事実って韓国の方ってご存じないんですか?

山田:韓国の方々は、例えばサンフランシスコ条約で明確に日本のものになっていることに関してもあまり興味を持っていない。そういうことというのが、韓国の人たちは聞いたとしても興味を持たないし、それを伝えるということをしていない。だから、本当の教育っていう意味、日本の教育と韓国の教育の意味が全く違うわけです。政府の考え方を教え込むのが教育であって。日本の場合はどっちかというと、正義であるとか常識であるとかいうものを教えるのが日本の教育。その大きな違いの中で、この前放映していたドラマの中でも、向こう側は伝えるべきところを全く伝えない。だから国民は、いまだに日本は謝っていないと思う。

山本:そういうことですね。

山田:これが実際の韓国での教育と。その中でネット社会がどんどん韓国の若い者を変え始めているというのも一部あります。世界を見てしまい、「どうも韓国はおかしくないか」って思いだしている若い世代が出ているのも事実だと思います。

角谷:今の山本さんの仮説はなるほどというところがたくさんありますけれども、まず一つは、朝鮮戦争の扱い、日本の歴史はたぶん朝鮮戦争特需のことが歴史上の物語になっていて。

山本:それは伏線であるんですよ。日本は朝鮮戦争で経済を回復したというね。韓国人は、我々の血の犠牲のもとに日本は大儲けしたじゃないか、その引け目も当然あったでしょうね。それと、海洋宣言をした時期っていうのはまだ強烈な敗戦国民のしっぽを引きずっていた時代ですから。

角谷:そうですよね。

山本:あえて文句を言えなかった。しかし、ちょっとこの映像を映せますか。ここに当時の朝日新聞の記事があるんですね。サンフランシスコ条約で竹島は日本の領土であるという認定がされたわけです。そうしたら、朝日の記者はすぐ竹島に上陸しているんです。それで、「日本へ還る竹島探訪」っていう、1面トップにこういう大記事を掲げてあるんですね(笑)。こういういろんな歴史的証拠があるんだけれども、私もそれを一生懸命実は探したんです。現地へ行けば、確かにあるんです。そういうのをまとめて、山田先生みたいな専門家がそれを詳細に調査するシステムとか、それからその研究所だとか、ライブラリーだとか、博物館だとか、そういうのが全くできていない。

角谷:そうすると、李承晩ラインをつくることはどちらかというと、黙認せざるを得ない雰囲気や、それからまだ敗戦の傷跡が残る我が国にとっての、これはもうちょっと今は手を出すだけの力がないと。例えば、自衛隊はまだない時代だし、朝鮮戦争は日本はかかわらない分、日本の復興にエネルギーを費やす時代だったというときに、ある意味では国家の存亡をかけた朝鮮戦争の結果をどうするかという李承晩の判断というのがあったことを、もしかしたらアメリカが黙殺した、黙認したんですかね?

山田:黙認をしたと言い切れるかというところ、これは逆にアメリカ国内での不協和音の中で、対日本戦略をどこまで押しつけるのか。ですから、もともとどちらかというと日本統治というのは保守系よりも革新系の力が強いようにつくられているという中にも、そのひずみが出ているんだと思います。

角谷:なるほど。

山田:朝鮮戦争のとき、日本から機雷処理のために海上保安官が行って、しかも犠牲になっているんですよ。朝鮮戦争すら日本は助けに、手伝いに行っている。これは機雷処理という部分のみですが、出てきて、しかも犠牲者を出してでもその作業を。それは韓国という国にその能力がなかったから、かわりに日本の海上保安庁がやっているわけなんです。そういう関係もあって、そういう中での動き、すべてそれを封印してしまって、なんで韓国は本当の歴史を伝えないんだっていうことが私どもには非常に理解不能なわけですね。

山本:そうなんですね。

山田:強引に竹島だけをクローズアップして、「これは我々の島なんだ」と。いっそのことロシアみたいに「日本から奪ったんだ」と、「取り上げたんだ」と言えば、交渉の筋というのはできるわけなんですけど。

山本:ただ、先生、それは無理ですよ。だって、同じ国民だったわけでしょう。それで、さらにその後の歴史的に言うと、これはアメリカを支援しているわけだから韓国軍といわば味方同士だったわけですよね。だから、味方同士がものを言えないのをいいことにして、ソウルが2回とられたように、いつ海から来るかという恐怖っていうのは、これから未来永劫続くかもわかんない。じゃあ、竹島をとっちゃおうっていうんで強引にやっちゃった。これはやっぱりさっき角谷さんがおっしゃった、日本人が何もものが言えない時代だったっていうことに乗じたわけですね。

山田:もう一つはやはり、当時はまだ日本に対する恐怖感、いつまた日本が力を持ってくるか、そのときの起点になるのは竹島あるいは鬱陵島ということは考えていたかもしれません。

角谷:なるほど。そうか、アメリカが日本を見る目もまた違っていたかもしれませんね。

山田:そうですね。

松嶋:しかし、実際に国境の近くで生活されている日本人の方とかは、この領土問題があいまいな限り、やっぱりちょっと不安な生活というか、漁場が荒らされたりとか、そういった深刻な問題に悩まされると思うんですけど。といって、あそこまで韓国側は竹島に対していろいろな建設物を建てたりとかしていっている状態で、この問題っていうのはどうやって解決していったらいいんですか、山本さん(笑)。

山本:私はさっき途中でやめましたけれども、博物館もない、資料もない。ところが、実際に現場を歩いてみたらいっぱい出てくるんですよね。だから、そういうようなのをやっぱり地域に眠らせているだけじゃなくて、それを日本人共有の歴史として認識するということが大事だなと思います。というのは、私はそういうのを見つけるたびに「これは証拠だ」っていう、いわゆる真っ当な主張をずっと本に書いてきたりしたんです。これぐらいね。ところが、途中でむなしくなっちゃったんです。なぜなら、いくら日本の正義、正当性を言っても、先方は百も承知でかかってきているわけですよ。要するに国益っていうことを考えた場合に、理由は何でもいいから、とにかく相手を萎縮させて有利な結論を引き出すというところに集約されるわけです。だから、それに対抗する方法は何だろう、もういくら正当な理由を並べても役に立たんのじゃないかと。これは日本人が「あんたはこういう歴史があるのを知っているんじゃないか。当然でしょう」みたいなことを外国の人から言われたら、「いや、歴史的にはこれが正しいんですよ」と、「ここに日本人が生活していて、血と汗で開拓してきたんですよ」というような事実を明確に相手に言うことができれば、また変わってくるんじゃないかっていう。それしかないなという気がしているんですけどね。

山田:一点は先ほどの国際司法裁判所、あるいは仲裁裁判所にかけるという方法、これはもうリスク覚悟で、けりをつける覚悟で、負けてはいけないわけなんですけど、日本側の正当な証拠、軍事占領されたということを踏まえた上で、正当な証拠の上に仲裁裁判所であれば一方からでも。

角谷:訴えられると。

山田:訴えることができます。国際的な手続きをとっていくということも一つの方法です。もう一つは、その前提として、やはり資料を全部確認していかなければいけない。いろんな地図が出てきます。何が正当なのかっていうことがわからない中で、この70年間、どういう管理がされてきたのかも含めて、もっとさかのぼると1905年からどういう管理がされてきて、日本は正当な手法でこの島を領土に編入してきたこと、向こうは不当な方法で向こう側の領土にしようとしていることに対しての違いというのをやはり全面的に訴えていかなければいけない。韓国側は世界中にプロパガンダを撒いて、そしてロビイストをいっぱい配ってやってきたわけです。日本は正義であれば通るという、黙っていても正義は認められるという感覚を持ってしまっている。でも、やはり訴えていかないと、声を出していかない限りには、日本人の声というのは逆に曲げられてしまう可能性が高い。そろそろしっかりと国際広報戦略を立て直しましょうと、しっかりと訴えていきましょう、味方をいっぱいつくりましょうという段階だと思います。

山本:それともう一つは、やっぱり国境問題というのは非常に微妙で、解決するためには100年、200年、300年かかるケースがあるわけです。それで、今竹島とか北方領土とか、それから尖閣、沖ノ鳥島もそうなんですけれども、これはやっぱり未来的には全人類のためにプラスになるっていう志向が必要だと思うんですね。だから、日本は竹島に関して、要するに資金を投入して、それであそこに各国、世界中の学者が乗り入れできる海洋研究所をつくればいい。それで、資金は全部出すけれども、そのかわり、その運営権、それから主導権は日本が握るっていうことで。それで漁場だとか、それから気候だとか、そういった総合研究を世界に提供するというような方法がとれないかなと思うんですね。

山田:先ほど松嶋さんがおっしゃって、これをみんなに見てもらおうと。一つ、こんないびつな管理の方法、わざとらしい。国際社会に「おかしくないか?」って。

松嶋:そうですね。

山田:どんどん見てもらって「おかしいでしょう、これ。経緯はこうなんですよ」という説明もしていきたい。明らかにいびつな島のつくり方をしていて、なんでここにだけ急におじいさん、おばあさんなんかを住まわせたり、観光客がわざとらしく来て管理をしているのかって、やはりこれを見てもらうことから、「おかしいことをしていませんか?」っていうことを見てもらうことからやっていかなければいけないと思うんです。いっそのこと日本国内でもどんどん見てもらって、せっかくスパイ覚悟で(笑)。

(一同笑)

松嶋:そうですよね(笑)。

山田:捕まる覚悟で行って、こういう映像をやっぱり広めていく。「おかしいでしょう」って。誰が見てもおかしいですもん。

松嶋:そうですよね。

角谷:やっぱり先ほど山田さんがおっしゃったように、国策を教育に織り込むっていうことが最初からあった。もちろんそれは88年まで民主国家ではなかった韓国政府の、軍事政権を維持しながらその中で教育を怠っていたのと、88年以降の民主国家になってからの違いによる教育っていうのは少し変化があるんですか?

山田:韓国の教育は、日本統治下では日本人と同じ教育を与えられてきて、かなり高度な教育を与えてきた。その後は、おっしゃるとおり教育が与えられていかない、洗脳しやすい時代になって、そこからまた政治家が意図的に、しかも韓国の特徴は政治家ごとに考えが違って、それを教育に落としてしまった。自分の保身のためも含めて。その結果がいびつな社会体制になってきて、ころころ説明も変わっていくような実態になっていると思います。

角谷:だから、竹島のことを、独島はもうずっと自分の国のものだと信じ込んでいるのも、ずっと刷り込んできた教育があるからで。もちろんそのときに日本はどう言っていたかとか、逆に日本が強引な奪還をしようとしているということだけがたぶん伝わっていて、全く情報としては違うものが国民に刷り込まれているから、もう確信的に思い込みをしているんですね。日本は何となくおっとりしていて、いろんな歴史的経緯はあったにせよ、こういった実効支配が、かなり建物が。まさに山本さんの命がけの映像を見れば見るほど、いびつな形で実効支配が行われていることに対して、「あらあら、いつの間にかこんなになっちゃった」という中でなかなか手を下せない。政治的な理由もあるんでしょう。例えば、自民党政権はいっとき竹島の日だとか、閣僚を送り込んでぐらいの勢いがあったけれども、どんどんトーンダウンしていて、やっぱりどうもそこまではやり切れない感じがしています。慰安婦問題もそうですけど、韓国の世界に向けてのアピールの「とくいさ」を考えると、「とくい」っていうのは上手にやっているっていう得意さと、それから奇異にも見えるけれども、とにかく自分のところの言い分を世界に伝えようとするアピールがあると。日本はちょっと上品過ぎるんですかね?

山田:広報戦略でいうと、これはイルカ、クジラ問題も含めてなんですが、日本の正当性というのがほとんど国際社会では認められていない。

山本:伝わってないんですね。

山田:伝わっていない。本当にわずかな数の反対論者や、正当を訴えてきているよりはるかに少ない一部の人たちの声、これは韓国の従軍慰安婦の問題もそうです。少ない人たちの声が通る手法というのがあるわけですね。それを見事に使って、広報戦略、プロパガンダを打ってきた。それをこれから打ち消すとなると倍以上の体力を使わなければいけない。だから、「日本はこれだけやっている」と、それで満足しないで、どんどん広報戦略を打っていかなきゃいけないわけです。日本の正当性。「なぜ日本人はイルカをとるのか、クジラをとるのか」、「日本は戦後こんなに頑張ってきたんだよ」、「韓国の経済のためにこんなに貢献してきたじゃないか。それはどうなっているんだ」、中国に対してもそうですね。この70年間、日本人がどれだけ世界に対して貢献している。それは我々の先輩たち、親の世代から働いて生み出してきた税金からも大量に送っているわけですよ。そういうことをやはりちゃんと見てもらえる、そういうことを訴えられる社会や環境づくり、今だいぶ外務省や官邸も広報戦略に目を向け始めています。だいぶ動き出しまして、ただ満足してはいけない。もっと。

角谷:山田さんがおっしゃったように、正義が勝つと日本人は思っているけれども、正義よりも宣伝上手だったり、説明上手だったり。

山本:声が大きかったり。

角谷:声が大きかったりするほうが勝ってしまうというふうになれば、日本はちょっとやはり上品過ぎる感じがするし。それから、きのうゲストの辺真一さんがいみじくも言ったけれども、もし軍艦島の議論の中で、ヨーロッパの価値観で日韓を見られていたら、またこの番組のようなイメージでとらえられていたら、決選投票でもやられたら日本は負けていたかもしれないと。つまり、プレゼンでもちょっと上手にできていなくて、または正しいからそんなに言わなくても間違いはないだろうと、どうも性善説に立ち過ぎていると。戦略的なものをもっと、今外務省や日本政府もやり始めていると言うけど、やり始めるのが70年遅かったのかなという感じもしてしまうけど、どうですか?

山本:竹島に関してはまさにそのとおりですね(笑)。

(つづく)

◇関連サイト
・[ニコニコニュース]「『領土問題』を考えよう」全文書き起こし(1)~(4)
http://search.nicovideo.jp/news/tag/20150801_「領土問題」を考えよう?sort=created_asc
・[ニコニコ生放送]「領土問題」を考えよう - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv227565173?po=newsinfoseek&ref=news
・ニコニコドキュメンタリー - 公式サイト
http://documentary.nicovideo.jp/

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