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ニコニコ生放送「『従軍慰安婦問題』を考えよう」(2015年8月2日放送)全文書き起こし(3)

ニコニコニュース / 2015年8月23日 14時0分

ニコニコニュース

 「ニコニコドキュメンタリー」の第1弾、第三者の視点から日韓問題を描いた「タイズ・ザット・バインド~ジャパン・アンド・コリア~」の2回目の解説番組、「『従軍慰安婦問題』を考えよう」が2015年8月2日(日)22時から、ニコニコ生放送で配信されました。

 本ニュースでは、同番組の内容を以下の通り全文書き起こして紹介します。

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※出演者=話者表記
・朴裕河氏(韓国・世宗大学校日本文学科教授)=朴
・下村満子氏(ジャーナリスト)=下村
・青木理氏(ジャーナリスト)=青木
・角谷浩一氏(MC/ジャーナリスト)=角谷
・松嶋初音氏(コネクター)=松嶋
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角谷:青木さん。下村さん、いいですか?

下村:いえ、いいんです。私が残念なのは、先ほども私の動機が、やはりもう高齢になって、もうすでにあれほどひどい目に戦時中にあって、そして青春も「私の人生を返してください。お金はいりません」って何度も言われました。たかだか300万、500万のお金で、金が欲しいのかって言うけど、それはお詫びの手紙のほうが、「もうこれ1枚で結構です」って言って泣いた人もたくさんいます。それは、これを見せれば、親戚から私が悪いんじゃなくて、お墓にも入れてもらえるとか、いろんなことがありました。だけども、それは、そんな300万、500万、1000万で償えるようなものじゃないんです。だから、これはあくまでも本当に何かお詫びのときの菓子折りみたいなものだと、私は常に言っていて、お金っていうほどのお金じゃないんです。だけども、ともかく総理大臣が、私は一人一人にちゃんと声に出して総理の手紙を、「総理に成り代わってお読みします」って言って。皆さん、5代にわたり、最初は橋本龍太郎さんから全部読んでいるわけですから。

角谷:今、ここに出ていますね。

下村:その方たちにとって、これはやっぱり謝罪の文章で、これが閣議決定してないから正式じゃないと言うけど、この総理大臣の方たちは全員「あれは誤りでございます」って日本国民の前で記者会見して、「これは嘘でした」って言うんですか。私に言わせれば、これから謝罪、謝罪って言うけれど、これ以上この手紙を徹底して、韓国のほうの皆さんにも、これはオープンにしているんだけれども、オープンにしないようにしたりとか、いろんな勢力があったわけです。だから私に言わせると、アジア女性基金は、当事者にとにかく心安らかにして、せめて最後をという。もうその1点で私はやりましたから。あと運動のほうは運動のほうで何年掛かろうといいと。だけど、この方たちを犠牲にするべきじゃないんです。この方たち、被害者を看板に使って、盾に使って「お金を受け取るな」ということを言うっていうのは酷だと思います。二度、三度その人たちを傷つけることに私はなると非常に思いました。

角谷:初音ちゃん。

朴:あの(笑)。

角谷:朴さんもちょっと待ってね。この総理大臣の文章、お詫びの手紙っていうのは初めて?見たことありますか?

松嶋:いや、見たことがありますけど。これは韓国のほうでは伝わっているんですか?

朴:ところが、もっと公にやるべきだったと思うんです。つまり、私が書いたのは、日本政府の誠意も認めますし、国民の心も認めるんですけれども、やっぱり公にしなかったわけです。もちろん公にできなかった理由はいろいろあった。しかし、結果として、政府があれだけ関与をし、お金も入り、いろんな人も入ったということを全く公にしなかったわけなんです。やっぱりしなかったことの責任というのはあると思うんです。それはやっぱり誰も言わないんです。

下村:恐らく、これは私の考えです。これは私は何度も言うんです。専門家じゃないから。恐らく韓国に関して非常に反対があったし。

朴:いや、それはそのことについて議論したいわけじゃなくて。

下村:だから、遠慮があったんです。例えば、私たちは韓国に関しては、他の国は、例えばフィリピンなんかはもう200何十人が受け取って、もう大使から、向こうの被害者のご本人の代表がもうみんなの前で記者会見までして堂々と感謝の念を表してっていうのをやったわけです。オランダもいろいろありましたけれども成功した。インドネシアは政府が個人に出さずにということで、高齢者の家をつくったりとかでね。だけども、韓国はやっている方たちが非常に韓国に対する配慮があって、私は一切口出ししませんでしたけれども、今言ったように遠慮というか、反対しているのが分かっているから、できるだけこういうものが、向こうも拒否したんでしょうけれども、こちらもやろうと思えばもっと韓国の新聞に全面広告を出すべきだとか。理事会で散々大ゲンカになったんです。実は真っ二つに割れて。

角谷:もっと前に出すべきだっていう人と、これは恥ずかしいことだから出すべきじゃ。

下村:恥ずかしいんじゃなく、韓国の反対している運動体などを刺激するべきじゃないという意見と。

角谷:韓国を気にして出すべきじゃないという。

下村:そうです。だって、反対しているわけですから。だから、おばあさんたちのためよりは、韓国の運動体の方たち。政府は最初これに賛成していたわけです。最初は賛成のコメントも出していたんです。ところが、途中から反対運動の方たちの世論のほうに行ってしまって、全部反対になったわけですから。日本で韓国を担当している方たちは、どちらかと言うと、本当に韓国にコミットしている方たちですから、韓国をとにかく刺激したくないという気持ちがすごく強くて。台湾でも、全ページ広告を何度も出しました。総理のお詫びの手紙からあれから全部入れて。そういうことを日本の新聞にも出しました。だけども、韓国ではたぶんやらなかったんじゃないんでしょうか。だから、そういう意味では日本側にも責任がある。

朴:いや、そういうことじゃなくて、渡すときにその空間を公にすべきだったということです。

下村:空間?

朴:渡す場面です。場面を見せるべき。でも、それをしなかったのは、やっぱり公にしたくなかったからなんです。日本政府が65年で終わったっていうふうに考えているので。なので、やっぱり公式にそれをしてはいけないというふうに思ったというふうに私は分析しているんです。

下村:いや、そうじゃない。そこはごめんなさい。私は少なくとも理事としてすべての理事会に出席していますから、理事っていうのは別に韓国担当とか、台湾担当とかじゃなくて、すべての理事が一同に会す。10何人でそんなに数はいませんから。だから、全部そこで議論をオープンに、かなり激しく、もちろん政府サイドの人もいたり、それから総理の手紙に関してももうちょっとちゃんとした、もっと素晴らしい手紙にするべきだというやり取りがすごく激しく、夜中の3時ぐらいまでかなり激しくやったんです。だから、これは真っ二つに割れて、それでかなりイライラしていろんな意見が出たんです。だから、恥ずかしいからとかそういうことではなく配慮です。

朴:いや、そういう意味じゃなくて、せっかく、今もう11時を過ぎてしまったんですけれども、私はさっき話しましたように本の中で二度も、昔の本でも最近の本でもアジア女性基金を高く評価しました。

下村:いや、別に評価するしないとか、私個人でやっていること。

朴:私は文脈が重要だと思っているんです。つまり、これは日本向けの、日本人に話しかける番組だと思っているんです。そこで基金の話をたくさんすることによって、ほとんどこれでいいというふうに思う人のほうが増えると思うんです。なので、やはりある程度知る必要はあるし、例えば日本の特派員などがもっと韓国に伝えるべきだと私は思っているんですけれども、やっぱりここで基金の良さとか、正当さについて。

下村:全く私もそう思いますよ。ただ、女性基金のことは、日本人はほとんど知らないんですよ。

朴:このことを日本人が知ることが、どのくらい意味があるんでしょうか?

下村:私はやはり少なくとも「日本が何もやってこない。謝罪しろ。謝りもしない」。今まで何もやってこなかったっていうことだけが伝えられていて。

朴:日本で、ですか?

下村:日本で。それが外からの批判として。それに対して日本人はもう20年以上経っているから、今の若い世代はアジア女性基金のことなんか、あの当時も我々は非常にリザーブドだったんです。つまり、今言ったような理由で、それは我々が恥ずかしいことじゃなくて、私たちとしては堂々ともっとオープンにしたかったけど。しかし、私たちはどちらかと言うと、慰安婦の方たちのそういうことを守るために。バッシングされたり、いろんな目にあわないようにできるだけ密かに差し上げるという方針にしたんです。それは我々にとってはすごく悔しいことだったけど、我々の名誉とか、アジア女性基金の名前を有名にするよりは、おばあちゃんたちの人権を守るほうがずっと大事ですから。だから、私たちはおばあちゃんたちは随分いろんな相談とか、いろんな電話が掛かってきたり、東京に来たときにお土産を持って、ものすごく親しい関係になっていましたし。

角谷:朴さん、その配慮はやっぱり間違いだったですか?

朴:配慮というのは?

角谷:つまり、人権を優先すべきであって、組織を前に出したり、公表したり、みんなの前に。

朴:いえいえ、私は基金を批判しているのではなくて。

角谷:批判ではなくて、つまり「もっと公表すべきだった」と言うけれども。

朴:そうです。

角谷:「公表しないほうが良かった」っていう配慮というのは間違いでしたか?

朴:いや、公表しなかったのも理解しているんです。今そのことを言う意味がよく分からないってことなんです。

角谷:そこをもう少し分かるように。

朴:基金について議論することになるのかもしれませんけれども、つまり、そもそもこれからどうするかということともかかわってくるので話したいんですけれども、公に見せるべきだと思うんです。でも、90年代は、日本政府は「昔やっている、終わっている。なので、道義的責任を取る」っていう枠組みで公にしなかったんです。つまり行動はしたし、お金もたくさん掛けたけれども、これだけのことをするっていうことをあんまり公にしてない、公式に言ってないわけなんです。それが日本政府の。

下村:そんなことない。当時の新聞は随分出しています。

角谷:でも、それはちょっとあまり僕も、「そうですよね」とはちょっと同意できない。

下村:当時の新聞はいっぱい書いていますよ。

朴:いや。

角谷:それはソウルから見るとっていうことですか?

朴:そうです。

松嶋:それは、ソウルというか韓国に問題があるんじゃないかなって、私は思うんです。

下村:韓国が書かなかったんです。

朴:いや、韓国でも渡すときに、それを公にするっていうことをしなかったです。あまり基金についてここで議論をしたいとは思ってないんですけれども。つまり、渡すときにその場面を見せることがたぶん必要だった。でも、結果として、それをしなかったわけです。それがいいとか、悪いとかじゃなくて。

下村:最初の7人に関してはオフィシャリーにやったんですよ。その7人に対して大変な圧力が掛かったんで。

朴:報道とかしましたか?

下村:しましたよ。

朴:記者が来て報道しましたか?

下村:記者が来たかどうか、私は行かなかったんですが。オフィシャリーにちゃんとアナウンスメントもして、それでものすごい。

朴:いや、そういう意味じゃなくて、みんなが見る場でっていう意味なんです。

下村:記者会見、記者の人たちをたくさん呼んで「この方たちが慰安婦でございました」っていうのをみんなの前で知らせるということまではやらなかったかもしれませんけれども、公にちゃんとやって、それが故にこの7人の最初のおばあさんたちがものすごいバッシングを受けて、その後、この7人だけは政府の生活支援金みたいなものを一切もらえなくなったんです。それで私たちはもう他の人たちに関しては一切秘密裏に差し上げようということになったんです。だから、私は分かります。そういうおっしゃる意味も、私はむしろ賛成なんです。堂々ともっとオーブンにやるべきだと、私は実はどっちかって言うと、そっちの立場だったんです。ただ、私は専門家じゃないから、韓国のことを知っている韓国専門の方たちがそうおっしゃるなら、「そうなのかな」とその人に従わざるを得なかったんですが。実は、私は朴さんのおっしゃるのにどっちかと言うと賛成なんですけど。もっとオープンにと。ただ、確かにものすごい迫害であったことは事実なんです。そのぐらいこのアジア女性基金がスキャンダラスなものにされてしまったという。それでその後、私はだからなぜ今言っているかと言うと、日本でもアジア女性基金に対しては、最初は「国家賠償であるべきだ」とか、いろいろ論争があったりしたので、私はやはりアジア女性基金とは本当になんだったのか、何をやったのかということを、どこの新聞も一度もちゃんとやってないんです。全く知らない、特に今の若い世代は。ということをすごく強く感じていて。

朴:今、毎日新聞がやっていますね。

下村:毎日新聞は終わりました。私も取材を受けましたけれども。あれは専門のプロの書いたものだから、あれだけだとちょっとなかなか分かりにくいところがあって、もうちょっと先ほどのようにいろはから、さっきのあれはとってもよくできていると思う。ああいうものが必要だと思う。

角谷:でも、それを若い人たちに知ってもらうっていうのは別に僕は悪いことでもないと思うし、その経緯があった、90年代、まさにこの本の中でもそれは評価をしているけれども、そのときのやっぱり出し方、見せ方、説明の仕方でボタンの掛け違いはあったのかもしれない。つまり、受け止め方の違いがあっかもしれない。

下村:そうそう。それから、やり方の違い。

角谷:それから、その中に本人たちとは関係ない、周りで支援している人たちや、外野の声がもしかしたら大きくなってしまって、それぞれの評価が本来の役割とは違っているように伝えられたということはあったかもしれないなというのは今のお話で感じますけど。それは朴さんも大体そんなところでいいですよね?

朴:はい。

角谷:問題はそれが引き継げていけなかった、立ち行かなくなってしまった。結局、それもなんとなく失敗に終わったようにしてしまって、いつまでも経ってもお互いがすくんだ状態になっていたんじゃないかっていうことですが?

朴:私がさっきそういうことを話しましたのは、みんなが「あなたのせい」って言っているんです。相手のせいにしているんです。そうじゃなくて、メディアも政治家も支援団体も研究者も、みんな「自分の責任だ」というふうに考えるべきだと思っているんです。そういう意味で言っているんです。

下村:分かります。

朴:でも、みんなそれを言わずに、みんなどこか別の団体とか政治家とかの責任にしてしまっているっていうことで、やっぱりちょっとこれではダメかなというふうに思うので、それで言ったみたことなんです。

角谷:それはその通りだと思います。それは、この後の問題ですよね。今までの、もしかしたらそういうふうな、「いつか、誰かが、どこかで」っていう話ばっかりになったものを、本当の日韓関係の前進に進めていくために。ことに慰安婦問題っていうのは、まさに慰安婦の人たちの問題じゃなくて、慰安婦問題っていう一つの政治イシューになっちゃったところから、一人歩きするような形になっちゃったのが別の問題になっちゃったことだと。

下村:慰安婦が1人もいなくなってからだと、誰に謝罪するんだと。

角谷:つまり、2つの話が走っちゃったところがたぶん大きな問題だと思うんですが。青木さん、そんな整理でいいでしょうか?

青木:だから、僕自身もアジア女性基金については日本国内でもいろんな評価があって、一部には非常に評価していない人たちもいるわけです。例えば、極端な人たち、極端って言ったら失礼ですね。その一部の人たちは「いや、あんなのじゃなくてちゃんと国家賠償するべきなんだ」っていう人たちもいるし。

下村:そうそう。もちろんずっといます。

青木:かたや、「そもそも慰安婦問題というのは世界中どこでもあった話で、なんで日本だけ」みたいな人たちもいるという、非常に日本の中でも多様な声があるんだけれど。その中で僕は、朴裕河さんが先ほど「日本国内の問題」と言ったのは確かに象徴的なところはあるなと思うんだけれども。ちょっと聞くところによると、例えばアジア女性基金というのは日韓の外交レベルでかなり整理してやったはずなのに、途中から韓国の政府の態度が非常に変わってしまったというお話も聞いたこともあるし。あるいは、こういう言い方は良くないのかもしれないけど、あえて言えば、韓国の運動団体及び日本の運動団体の中にかなり強硬な、ある意味本人よりも運動そのものを目的としている人たちがいたみたいなことも恐らくあったんでしょう。ただやっぱり、結果的にはアジア女性基金はうまくいかなったし、朴裕河さんは評価されているけれども、結果的にはもう終わっちゃったわけですから。じゃあ、これからどうするのかっていうことなんです。つまり慰安婦問題っていうのが、もちろん被害者、当事者たちもどんどん亡くなっていく、それから日韓が50年という節目の年なのに、この問題だけじゃないですけれど、竹島の問題もあるけれども、これが引っかかっちゃっているというのはやっぱりクリアしたほうがいいって考えると、知恵を絞るっていう必要があるんだと思うんです。僕はちょっと聞いていて、お二方にもそれこそ聞いてみたいくらいなんですけど。女性の人権問題の側面もあるということであるならば、例えば、安倍さんが、毎年、去年も一昨年も確か国連で言っているはずなんだけれども、見てみると、国連の演説で「21世紀こそ、女性に対する人権侵害のない世界にしていきたいんだ。日本は紛争下での性的暴力をなくすため、国際社会の先頭に立ってリードするんだ」と言ったわけです。安倍さんがどこまでお考えになって言っているのか知らないけれども。これを、たぶん韓国側のメディアは「慰安婦問題に対する言及がないのに何を言っているんだ」っていうような反応になるわけです。でも安倍さんが言っていることって間違っていないわけです。だから、たぶんこういう視点だってあると思うんです。つまり、紛争下におけるところの女性の性的な暴力っていうのは、かつてはともかく、今は恐らく世界中の誰だって「良くない」、「なくすべきだ」と思うわけですよね。それに向かって日本は先頭を切るんだっていえば、その中の一つのイシューとして、かつて日本は各国がやったかもしれないけど、でも日本もそういうことをやってしまったんだと。その中の一つの問題としてどうやって慰安婦問題を解決するかっていうようなアプローチっていうのは、僕は有り得ると思うし。だから、問題は、日韓の間でそれなりに責任のある政治指導者がどうやってこれに区切りをつけるのか、被害者の人たちに満足してもらうと同時にこの問題を乗り越えるのか。

角谷:次の問題に広めていくのか、進めていくのかでしょうね。

青木:そういうことが問題だけど。僕はこの視点って、戦時の性暴力っていうのを国際的になくすんだっていう安倍さんの言った視点っていうのは、ひょっとすると取っ掛かりにはなるのかなという。だって、これは誰も反対しないですから。という気もするんですけど、だから問題はやっぱりこれからの話だろうなっていうふうに思っています。

角谷:そうですね。

松嶋:では、ここでユーザーの方々からいただいたメールを読ませていただきたいと思います。ニコニコネーム、クラさんからいただきました。「慰安婦問題については強制があったか、なかったかという点も重要視されています。私は恐らく銃剣を突き付けるような形での強制はなかったと思っています。しかしながら、あのような大東亜戦争真っ只中の当時、朝鮮人の女性の方が生活していくには体を売るしか方法がなかったと考えています。そういう意味においては、今現在アメリカで問題になっている経済的徴兵制という言葉が同じ状況にあるとして一番理解しやすいのではないでしょうか。生活していくためには、どうしても体を売るしか方法がなかった。だから、高給の慰安婦を選ばざるを得なかったという視点も大事ではないでしょうか」

下村:売春婦説ですね。

角谷:何が大事だか、全然意味が分からないけども。

朴:もう解決のほうへという話の段階のようなんですけども。ちょっとだけ戻って、そういう質問が出たので。よく高給取りとか、それからさっきもちょっと流れていたのでは、朝鮮人業者が多かったじゃないかという話があるんですけども、ちょっと誤解があって。まず業者は日本人もたくさんいました。私は本にも書いたつもりなんですけれども、みんな朝鮮人業者にだけ集中をしていたんです。残された資料を見る限り、韓国は植民地、つまり朝鮮半島の中にも日本人業者が結構いましたし、規模の大きいところは日本人でした。それは間違いないと思うんです。それをまず一つ言いたいのと、あと高給取りというふうにおっしゃいますけれども、それは中にはそういう人がいたのかもしれないけれども、多くはそうじゃありません。やっぱり利益を取るのは業者なんです。慰安婦の方たち本人で、そんなにお金をたくさん稼いだというのは、いるとしても極々少数だということもやっぱり言いたいです。それはやっぱり慰安婦問題を考えることにおいて、ちょっと覚えておくべき、念頭に置いておくべきことだと思います。

角谷:それは僕も同感です。もう1つ行きます。

(つづく)

◇関連サイト
・[ニコニコニュース]「『従軍慰安婦問題』を考えよう」全文書き起こし(1)~(4)
http://search.nicovideo.jp/news/tag/20150802_「従軍慰安婦問題」を考えよう?sort=created_asc
・[ニコニコ生放送]「従軍慰安婦問題」を考えよう - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv227566268?po=newsinfoseek&ref=news
・ニコニコドキュメンタリー - 公式サイト
http://documentary.nicovideo.jp/

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