2ちゃんねるVIP板発 小説『まおゆう』作者が「いかにしてプロの作家になったか」

ニコニコニュース / 2012年1月20日 16時0分

「顔出し」はできないが長時間話を聞かせてくれた橙乃ままれさん

 2ちゃんねるのスレッド「魔王『この我のものとなれ、勇者よ』勇者『断る』」に書き込まれた物語が、小説として刊行された『まおゆう魔王勇者』。2012年1月21日には最新刊『まおゆう魔王勇者 5あの丘の向こうに』が発売される。何気なくスレッドに書き込んだことがきっかけで、約1年のあいだに同シリーズの小説を5冊以上執筆することになった著者・橙乃ままれさんに「どのようにしてプロの作家になったのか」について話を聞いた。

――『まおゆう』の構想はいつからあったのですか?

 2ちゃんねるに立ったスレッドのタイトルを見た瞬間です(笑) 誰かが「ニュース速報(VIP)板」に立てた「魔王『この我のものとなれ、勇者よ』勇者『断る!』」というスレッドで、立てた人は「勇者が男だと想像した? 女だと想像した?」とだけ書いて、そのままどこかへ行ってしまったんです。するとほかの誰かが「いいから誰か続きを書けよ」と書き込んでいたのを読んで、「じゃ俺がやるか」と。

――「ニュース速報(VIP)板」を知らない人のために説明するとすれば、どういうところですか。

 2ちゃんねるの中でも最もダメ人間が集まる、巣窟みたいな場所です。でも基本的には皆、優しい人なんです。愛情表現の仕方が変わっているというだけで。そこで3時間くらい物語を書き込んで、「これでいいかな」と思っていったん離れたあとまたスレッドを覗いてみたら「続きを書け」という声があったので、そこで続きを書いたところから、さらに続いたわけです。

――いきなり3時間も物語を書くのは大変だったのでは?

 VIP板は考えるのではなく脊髄反射で書き込むところですから、それほどでもないんです。読んでいる人たちも「続きを書けよ」とは言いますが、要するに「何か面白い芸をやってくれ」という意味であって、「芸の種類」までは指定しないんです。僕が女性だったら「おっぱいうp」とか言われてたかも知れませんけど(笑)。ただ、当時(2009年)は世間的に元気のない時代で、自分自身も身体を壊していた時期なので、「ハッピーエンドで皆が元気になる物語にしたいなぁ」とは考えていました。

――VIP板には辛らつな意見が多いですが、作品への批判はなかったんですか?

 VIP板ってスレッドが乱立して流れが早いので、本当にどうにもならない内容であれば、すぐ落ちてしまう(読めない状態になる)んです。ですから、批判が書き込まれているように見えても、実はそうした人たちがスレッドを支えてくれている。皆さん、ちょっとツンデレっぽいところがあるんです。

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