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泥まみれから「再生」した石巻のピアノ 「復興の調べ」で人と人をつなげる

ニコニコニュース / 2012年2月6日 21時37分

再生ピアノの伴奏で歌う「きっとツナガル」

 津波で壊れたグランドピアノを修復した「再生ピアノ」で伴奏された公開レコーディングが2012年2月5日、宮城県石巻市にある石巻中央公民館で行なわれた。レコーディングされた曲は歌手のクミコさんが歌う「きっとツナガル」。約200人の石巻市の住民らとともに録音された。「再生ピアノ」の音色に乗った被災者らの歌声が、ホール内に響き渡った。

 「再生ピアノ」とは、石巻市内のサルコヤ楽器店で東日本大震災による津波に飲み込まれたグランドピアノ。同店内にあったピアノは店の外に流され泥まみれになるなどした。しかし、店主の井上晃雄さんが「泥に負けてたまるか」との思いで再生を決意。個人、団体など多くのボランティアや調律師による支援の手により修復された。今年1月25日にスイスで開幕された世界経済フォーラム(ダボス会議)では、盲目のピアニストである辻井伸行氏が「再生ピアノ」を演奏する短編映像が上映され、世界中に紹介された。

 この日レコーディングされたのは、2010年の紅白歌合戦に出場した経験を持つクミコさんの新曲「きっとツナガル」。クミコさんは、震災が発生した昨年3月11日、コンサートのため石巻市内にいた。同曲は、「人と人がつながることの大切さを思い知った」という震災当日の夜空とその思いを書きつづったもの。「ツナガル ツナガル ツナガルいのち ツナガル ツナガル ツナガル未来」。歌詞には、震災や復興への想いが込められている。「あの3・11の同じ夜空を見た皆さんと一緒に、記録に残したい」との思いで、被災者との公開レコーディングを企画した。

 レコーディングに参加した石巻専修大学合唱部の梅森妙美さんは、「大勢の人と繋がるということが実感できた」と感想を述べた。同部に所属する草島将夢さんは、「震災があって、色々と思うところがあるが、石巻を思ってくれる人がいるからこういうイベントがやれるのだなと思った」と感慨深げに語った。震災については「辛い思い出ばかり」とうつむく石巻市立女子高等学校合唱部の辺見彩香さんは、このコンサートを通し「人と繋がっているということが大事だと思った」と話した。

 この日、被災者とともにレコーディングされた「きっとツナガル」は、4月に発売される予定となっている。

(三好尚紀)



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