「"いのち"を犠牲にする発電はやめよう」 全日本仏教会・河野太通会長<インタビュー「3.11」第1回>

ニコニコニュース / 2012年3月1日 10時50分

全日本仏教会の河野太通会長

 「原子力発電によらない生き方を求めて」。昨年の12月1日、財団法人全日本仏教会が出した「異例の宣言」が注目を集めた。全日本仏教会と言えば、高野山真言宗や天台宗など伝統仏教の主要59宗派を中心に構成され、全国寺院の9割以上が加盟する日本唯一の連合体だ。その全日本仏教会が原発依存を警鐘する声明を発表したのだ。

 現代の日本人、特に若い世代にとって仏教は身近な存在とは言いがたくなってきている。一方で日本では古来、東日本大震災のような「天変地異」の際に、人々の「こころ」に向き合ってきたのが仏教であり、その教えを伝える僧侶たちだった。仏教は日本人にとって精神的な救いの一つだったはずだ。

 なぜ、いま全日本仏教会は「脱原発依存」を打ち出すことになったのか。そして、これからの日本社会に対してどのように向き合おうとしているのだろうか。「インターネットはほとんど使わない」と話す全日本仏教会の河野太通会長(81)は、臨済宗妙心寺派の管長。ネットメディアとしての取材も初めてとなった。河野会長は、飾らない笑顔と小気味のよい関西弁を交えつつ、"仏教者として今こそ言葉を発しなければいけない"という決意を強く語った。

・東日本大震災 3.11 特集
http://ch.nicovideo.jp/channel/311

(聞き手:菅原聖司)

■「本当はもっと『反原発』を明確にしたかった」

――昨年12月1日、全日本仏教会は「脱原発依存」を打ち出した宣言文を発表しました。新聞などでは「異例の宣言」とも報じられましたが、反響はいかがでしたか?

 「よく出してくれた」というものがほとんどで、反対する声は一つもなかったですね。むしろ、「遅すぎる」「具体案を示せ」という指摘もあったくらいです。

――宣言文を出すに至るまでにハードルはあったのでしょうか?

 宣言文を出すこと自体は難しく感じませんでした。私は、全日本仏教会として声明を出すべきだと考えていましたので、全日本仏教会事務総長の戸松義晴(浄土宗僧侶)と相談して発表に至りました。個人的に言えば、本当はもっと「反原発」を明確にして発表したかった(笑)。しかし、政治的中立性の観点を慮った上で、私の最大限のメッセージを伝えさせていただく形となりました。

――震災直後にも被災者の方々へメッセージを発表されていますが、宣言文の執筆に至るまでの間に、より明確なメッセージを伝えたいという思いが強くなっていったのでしょうか?

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