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インターネットは「天皇」のあり方を変えるのか?小林よしのり×本郷和人×大田俊寛

ニコニコニュース / 2016年8月19日 17時0分

ニコニコニュース

2016年8月8日、「生前退位」の意向を周囲に示していた天皇陛下が、ついにビデオメッセージという形で、その「お気持ち」を国民に直接届けることになった。

ニコニコでは、天皇論でお馴染みの3人を緊急招集。『ゴーマニズム宣言』等の著者であり漫画家の小林よしのり氏、日本史の専門家で東京大学史料編纂所教授の本郷和人氏、宗教学者で埼玉大学非常勤講師の大田俊寛氏らを集め、ニコニコ生放送で"天皇論"への議論に挑んだ。

果たして3人の論客は、ネットでも大きな反響を呼んだ「お気持ち」をどう読み取ったのだろうか?

番組は、「天皇陛下のお気持ち表明を見たか/読んだか」というユーザーアンケートの開票から始まった。

すべての写真付きで記事を読む

■皇室典範は歴史が足りない

堀(MC担当):
 アンケートの結果(http://originalnews.nico/wp-content/uploads/2016/08/image01.jpg)出ました。さすがニコ生ユーザーの皆さんというところですね。

小林:
 いやあの、ネットに興味があるというか、強い人達?わし、ちょっとネットには弱い人ですから(笑)そういう人達も74%も見ていると、全文読んでいるってもう、相当すごいですよね、これは。

堀:
 何がそうさせたんでしょうね?例えば、今の今上天皇の時代になってからも、社会の受け止め方、天皇というものについてはいろいろ変遷もあったのかなと思うんですが、いかがでしょうかね?

小林:
 即位されてからこの28年間、天皇陛下がいろんな活動を公務とかをされてきたわけじゃないですか。で、そういうところでやっぱり震災後の陛下のメッセージとか、あるいは、被災地に行かれている様子とか。あるいは、長崎の雲仙の普賢岳の時もそうでしたよね。あちこち行かれている姿をずっと見てきましたからね、そこで色々共感する感覚ってあるんでしょう。

 それで、本郷さんも言われたように、やっぱり80を過ぎてね、終生天皇でね、最後まで働き続けて、だんだん公務が欠けてきて、それで死んでしまえというのは、いくらなんでも常識を超えちゃっているでしょ。常識の範囲内で、みんな「気の毒だな」とか、同情心を催すとかね。それは当たり前ですよ。誰でもそうなってしまうんですね。

堀:
 今年の春先の話ですけども、ちょうど福島県を取材して、福島県の相馬の方の仮設住宅に取材に行っていました。とある一家を取材した時に、仮設住宅のリビングのところに、新聞の切り抜きが正面に貼ってありまして、陛下と皇后様がお見舞いに行かれた時のものだったんです。そこに自分たち家族が写っているんですね。ちっちゃい子供から、お父さんお母さんまでそれを本当に励みにしていて。そういう姿を見て、我々も心の中に、普段は気づいていなくても、天皇というものがあるんだなということを、改めて実感しました。

本郷:
 僕にとっては大切なので、ああいうそのなんていうかな。言ってみればね。皇室典範とかなんだとかっていうのは、それこそ戦後になって出た話でしょ。要するに日本会議の方が言っていらっしゃる伝統を守りましょうというのはバカじゃないのかと思っているんですよ。それはなぜかというと日本の歴史って何年あるかというと、少なくとも2000年ぐらいあるわけですよ。明治になってから150年しか経ってないんですよ。少なくともその10倍はあるわけですよ。

 そこを要するにきちんと勉強しないで、それで伝統がなんとかとか、日本は伝統がある国だから伝統が大好きだからとか言うっていうのはちょっと変ですよ。そうなったときに、ようするに皇室典範をいじるとかいじらないとかいう話や、皇室典範に書いてあるから陛下の言葉がこうだとか、そういう風に、いちいちやっていかなければいけないというのが、そもそもおかしいんじゃないかなあ。たとえば憲法とかなんだとかはもちろん大事なんですけど、感覚的に非理法権天という言葉があるんですよ。

注:皇室典範
皇室典範は、日本国憲法第2条及び第5条に基づき、皇位継承及び摂政に関する事項を中心に規律した皇室に関する法律である。皇室典範 第4条には、『天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。』と規定され、また第16条2項に『天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。』とある。

堀:
 どういう意味ですか?

本郷:
 非理法権天で、理は非に勝つ、法は理に勝つ、権は理に勝つ、天は権に勝つというそういう風になっていて、それが楠木正成の旗印なんですけどね。それを考えると法っていうのは3つめなんですよ。その上に権力とか天があります。天皇陛下って下手したら天でしょ。法なんて天皇よりもだいぶ下なんですよ。それはもちろん今の感覚で言っちゃいけないんですけれども、そういう風に考えていた時代があるわけ。そういう意味で言うと皇室典範をいじらないと考える事のほうが僕はおかしいと思うな。

堀:
 確かにどうしても天皇という響きに対して、すぐに終戦直前のある機関の軍国主義の台頭をぱっと想起させてそこから脱することが出来ない。そういったところを超えて長い歴史の中で天皇というものについて考えたいと思うんですが、なかなかそういうことについて学ぶ機会が無い。誰も教えてくれないですし、議論しようとすると天皇について語るのかというとみんなおっかなびっくりになってしまう。

■天皇陛下の想いや苦しさがテレビで可視化された

堀:
 大田さんはいまの本郷さんの話も含めてどうですか。

大田:
 本当に僕はただのだらしない人間でありまして、あんまり普段天皇陛下を尊敬するとか、そういう気持ちも多分無いはずなんですけども、一昨日はやっぱり最初は正直申し上げてテレビの前で寝転がって見ていたんですけども、天皇陛下の言葉を聞いているうちに、やはりこれは背筋を正して見ないと、という気持ちになってですね。夫婦の中で自然とちゃんと座ってみていましたね。

 その中で宗教学者として非常に印象に残ったのが象徴という言葉で。象徴というのは何かと言うと、本来見えないものを見えるようにするというのを象徴とかシンボルというものなんですね。例えば、超越的なものなので原理的に見えないとか、あまりにも大きすぎるので見えないとかそういったものをある種フィクションの力によって見えるようにするのが象徴、シンボルっていうことであって。まさに天皇というのは日本という国を見えるようにするシンボルであるわけですよね。そういう意味で天皇というのは近代以前から長い歴史にわたって象徴的な、別に憲法でそう規定されたからというわけではなくて、以前から象徴的な役割を担ってこられたとは思うんですけど。

 戦後のテレビ時代、映像メディア時代になってからですね、非常にいままで見えなかったものが見えるということが大きな力を持ってきていて、先ほど被災者に対する訪問とかそういったお話もありましたが、そこの中で現在の天皇陛下がですね、国民に対してどういう日本を見せるかということを人生の中で背負っていらして、そこの中で天皇陛下が考えてらっしゃったことが礼節と思いやりということが、日本のあり方なんだということをずっと考えてらっしゃったのだなということがすごく身にしみたんですね。

堀:
 あらためてあのようにお気持ちを伺う機会というのはこれまでも非常に限られていたんですね。しかもあそこまで個人的な思いとして述べられる。初めて聴いたと思います。

大田:
 そして同時に思ったのは本来見えないものがテレビやネットなどの映像メディアによって見えるようになったというのは良し悪しという面があってですね、僕が小学校六年生くらいのときだったかと思うんですが昭和天皇が亡くなられて、そのときに何が起こったかというのはおじさんおばさんだったらだいたい記憶があると思うんですが、昭和天皇の病状が今朝は何cc下血されましたとかですね、血圧は上がどれだけで下がどれだけで普段我々は天皇というのは完全に公の存在で私がないというふうに習っているわけですけど、それが映像メディアを介すと私がないというのがどういうことかという恐ろしさも含めて体験したというところがあって。

 おそらく現在の天皇陛下の思いとしてあれを繰り返したくないというか、あれは異常な状態でしたのでそういったこういう映像メディアの時代にパブリックを担うということを、どういうことか、もう少し国民はよく考えて、皇族の方にとって無理のないサステイナブルな形で天皇のあり方を考えなおしてくれないかというのが全体的なメッセージだと感じました。

堀:
 あの言葉は今上天皇と皇太子さまだけの話だけでなくて今後の天皇という有り様について思いを抱いていらっしゃるんだろうなと。

■昭和天皇崩御を乗り越えた『おぼっちゃまくん』

小林:
 社会全体が自粛ムードになってしまったということ、そして社会が停滞してしまったということに国民に迷惑をかけたという気持ちまであるわけですよね、天皇陛下には。あのとき下血何ccとかいうやつ?なんだ、これ人体実験か?と思いましたよね。その不気味さが有りますよね。ちょっととんでもない人権無視というか異様さをあのとき感じたんですけども。あのとき完全自粛になった時、翌年にわしの『おぼっちゃまくん』がアニメでスタートする予定だったんですよ、テレビ朝日でさ。これはどうなるんだと、『おぼっちゃまくん』がアニメスタートできるのかなと、この自粛ムードのときにね。

堀:
 「貧ぼっちゃま」なんて、振り向いたらお尻見えているわけですからね。

小林:
 ともだちんこって言っているわけですから、いきなりテレビでぶっ放していいのかと。わしは心配でね。

堀:
 喪に服す期間ですからね。

小林:
 で、これは放送できなくなっちゃうんじゃないかと思ってね。
 テレビ朝日って結構すごいですね。ここテレビ朝日じゃないからゴマする必要ないんだけど。崩御された一週間後にはじまっちゃった。一週間後におぼっちゃまくんが「ともだちんこー!」って言ってね。わしは怖かったね。これ右翼団体から何から全部駆けつけるんじゃないかなと思って。あの頃わしは天皇とかとくに強い興味を持ってなかったんですよ。

堀:
 今回陛下はそういう心配はこれから無用にしようと。提案をしてくださいましたよね。

小林:
 『おぼっちゃまくん』を躊躇なく始めてもいいような、そういう社会でもいいじゃないかとおっしゃったんですよ。

■石原慎太郎には尊皇心が足りない

堀:
 ニコ生のコメントを読んでいると、神官、神、君主、元首、公、などのキーワードがよく流れていますが、本郷さん改めてどう思われますか。

本郷:
 象徴という言葉は日本語の中では非常に難しい、普段使わない言葉ですよね。だけどシンボルというとすごくわかりやすい。逆に英語のほうがわかるわけですよ。日本の歴史を見てみると逆にシンボルであった天皇陛下というのは歴史に合っているわけですよね。ずっと江戸時代も、少なくとも室町時代はシンボルだったんですよ。そういう意味からするとシンボルという考え方は決して悪くない。

堀:
 江戸や室町のころのシンボルとしての当時の天皇というのは、一般の市民からするとどのように受け止められていたんですか。

本郷:
 京都の一般の人たちは天皇陛下のことよくご存知なんですよ。例えば江戸時代に江戸の庶民が天皇陛下のこと知っているかというと多分知らないんですよ。だからそういうことを含めて歴史勉強しましょうねっていうことなんですけど。だから江戸時代というのは簡単に言うと庶民が天皇を知るようになった。平和になった、平和になったら10年後の自分はどういうふうにあるべきか20年後の自分はどうあるべきかと勉強をはじめた。そうすると我々日本人というのはどこからきてどこへ行くんだというのを考えると「あれ?おれたちは一番偉いのは将軍だと思っていたけど、その上に天皇がいるんだ。」と知るんですね。だから幕末の尊皇という考え方が広まるんですよ。

 そういう風に考えていくと明治時代のこともわかってくるし、それが本当にいいのか悪いのかっていう話ももちろんできるわけだし。今のシンボルとしての天皇陛下というのを元首にしたらどうかという声も当然出てくるんだけど、シンボルでいいんじゃないか。中には何%かだけですけど天皇というのはやっぱりみんなが平等であるということに反するから天皇制自体をやめようという考え方も、ないではないでしょう。みんながいろんなことを考えているわけだから、民主主義の世の中なんだからタブーを外してみんなで考えましょうということなんですよね。

堀:
 自民党の改憲論の中でも、最初に天皇は元首でありプラスして象徴であると併記する案が出ている。現在は元首という言葉が使われていない現行憲法ですけれども、たしか小林さんは元首であるということは間違いないとお考えですよね?

小林:
 事実上元首として扱われてしまっているわけですよ。事実上そうなんですけども、ちょっと危惧するのは元首ということを憲法上規定してしまうと、万が一戦争になったときに外国から責任を問われるというようなことがないのかなと、そういうことがちょっと不安になりますね。だからむしろ象徴という言葉は非常にいいんじゃないかなと思ってしまいます。

堀:
 象徴の中にいろいろなものが内在されている。非常に柔軟性に富んだ表現であるということですね。

小林:
 祭祀を行われる方であるとかね。もちろん国事行為というものがあればね。組閣したら認証もしなくてはならないわけですから、そういう権限を与えるということですよね。そういう役割をしておられるけれども直接政治にタッチしているわけではないと。

 だから本当を言うんだったら、明治憲法のときでも本当は立憲君主制度なんですよ。内閣の輔弼があり、国会の協賛というものがあって、天皇は動くしかなかったんですけども、だんだん昭和の終わり頃になってきたら、軍部の連中がね、神だと祭り上げちゃったんですよね。それで戦争責任の問題が後で出てきちゃうんですね。天皇が主権を持っていて、全部戦争も指示していた。かのような誤解をされちゃったんですよ。ああいうことを二度と繰り返してはいけないと思います。

堀:
 いわゆる当時の終戦直前の数年間のあいだの教育と、その前の教育とではまた質が違ったわけですよね。

小林:
 違いますね。同じ明治憲法をどう解釈するかという感覚でも、やっぱり戦争中の軍部ですよ。この軍部が空即の感のように、天皇を非常に持ち上げながら、自分の好き勝手にやるんですよ。まったく天皇は当時の美濃部達吉っていうのがね、天皇機関説を唱えて天皇に主権はない、と言って軍部と対立する。天皇主権説をとった軍部と右翼の人物が利用しちゃったんですね。

 で、その状態といまの日本会議の状態ってそっくりなんですよ。つまり、天皇!天皇!自分は敬愛している!尊敬している!慇懃な言葉じゃないですか、ところが実は慇懃無礼なんですよ。で、天皇を利用しようとしているわけですよ。だから、全然尊皇心がないんですよ。

 で、一般国民だったら自然な尊皇心があるから、もうお疲れになったでしょう、じゃあもう退位させてあげましょうよ、と。おじいちゃんおばあちゃんから子供まで誰でも思うわけですよ。ところがそれを許せんと言い始めるわけですよ、そのまま天皇であり続けろとかね。あるいは摂政を置けとかね。あるいは特別法をつくれとかね。天皇陛下の公務そのものを分割するとかって話じゃない、と。みずから否定されましたからね。あれはすごいと。

本郷:
 僕がびっくりしたのは石原慎太郎が「俺だって頑張っているんだから(陛下も)もうちょっと頑張ってくれよ」と言ったじゃないですか。石原慎太郎って、東京都庁に週に2日しかいかなかったんですよ。その人に俺が頑張っているんだからって言われる筋合いはないだろうなって思うんだけど。それはいかがなものでしょうね。

小林:
 石原慎太郎なんか比較にならないほどの忙しさですよ、天皇陛下は。

堀:
 ご公務は非常に激務ですからね。

小林:
 石原慎太郎なんかのぼせ上がっているから、たとえば弱者に対して石原慎太郎がどんな態度を取れますか。お前なんかどっか行けという態度でしょう。天皇陛下は違うよ、弱者に対してものすごいいたわりの気持ちをもって接することができる人なんですよ。

本郷:
 でもぶれない人という意味では笑えるかなという感じです。

堀:
 石原さんの話は置いておきましょうか?大田さん、日本会議の話もありましたけど、ひとつ政治利用と天皇、これに対しては今回の陛下のお言葉の中でも非常に言葉や現状の立場を鑑みながら慎重にお話されていましたね、距離を置きながら。

大田:
 そうですね、見れば見るほど気が滅入るので最近あまりツイッターとか見ないようにしているんですよ。正直、バカな右翼とバカな左翼が罵り合っているのがよくあってあまり見ないようにしているんですけど。ツイッターやまとめサイトを見ると、本当に誤解がないご発言だったと僕なんかは思ったんですけど。見事にこれは安倍政権の改憲を阻むための言葉だったとか。

堀:
 それは左派の方ですね。

大田:
 そういった自分の政治的主張に都合がいいように都合よく解釈するというのがありましたね。ただ、ノーマルに解釈するとおそらく天皇陛下は改憲は必要ない、ただしやはり皇室典範に関しては、現状に見合うように改正して欲しいという思いがあったように僕は思ったんですけども、それも日本会議とかから見ると、違うという異論が出てくるのかなと。

堀:
 大田先生は日本会議の定義というか見解はどのように考えていらっしゃるんですか。

大田:
 最近は陰謀論的な話が多くて、生長の家の谷口雅春さんを非常に崇敬している人たちが非常に大きな権力を日本会議のなかで持っている人たちがいて、そういった人たちが安倍政権を背後で動かしているという言い方がされるんですけど。

堀:
 そういうウェブの記事が出たりして。

大田:
 僕から見るとそれほど日本会議について詳しいわけではないですけど、あれは保守の連合というかもっと悪く言うと野合というかですね。多分これから憲法改正について具体的にどこをどう改正するのかっていう具体案になってくると日本会議の中の連合も崩れてきて内ゲバが起こっても不思議でないような、いろんな意見の人たちの連合体だという印象がありますね。

堀:
 小池百合子さんが都知事に当選した時にインタビューを選挙特番でしたんですね。日本会議との関係はいかがですか、と。小池百合子さんは、最近ちょっと先鋭化してきているところがあるので私は距離をおいています、と言っておられました。先鋭化している部分とそうじゃないという意見の方々といろんな方々がいらっしゃるということでしょうか。

本郷:
 新しい教科書をつくる会を見ていればわかるとおり、喧嘩ばっかりしていますもんね。どこが本流なんだろうと思うけどよくわかんない。だけどもっと一番大事なところは天皇陛下がおやめになりたいとおっしゃっておられて、上皇というのは歴史的にたくさんいらして、それが普通の形であるわけですよね。だから退位するというのは普通にあったということです。それこそ伝統を重んじるのであれば上皇を認めるというのでいいということですよね。

■憲法学を勉強した人だと、陛下のああいう言葉は聞いてはいけないと言う

堀:
 上皇を認めるとなると、皇室典範は・・・

本郷:
 変えないといけません。

堀:
 憲法は?

本郷:
 憲法は変える必要はないと思いますよ。

堀:
 小林さんはいかがですか?

小林:
 憲法を変える必要はないと思いますよ。皇室典範改正だけでできると思いますよ。

堀:
 みなさんにもアンケートを伺いたいと思います。そもそも陛下の生前退位、生前退位という言い方についてもいろいろな議論がありますけれども、これは生前退位でよろしいものなんですか?

本郷:
 生前退位でも譲位でもいいです。

小林:
 面倒くさいんですよ、政治的な発言がだめと縛られなきゃいけないから、譲位と言うと、もう政治的発言になっちゃうんですよ。本当は退位だけでいいわけじゃないですか。それがないじゃないですか、退位の規定が。生きているうちに退位するという、よりわかりやすいように生前退位という言葉を編み出しちゃっているわけでしょう。

堀:
 今日は便宜上生前退位という言葉を使わせていただきますが、生前退位は認めるべきだ、認めるべきではない、わからない。視聴者のみなさん、ぜひご意見をアンケートでクリックしてください。現在の今上天皇の退位は認めるべき、認めるべきではない、わからない。どうなんでしょうか、街場の感覚としては。僕などはあれだけのご公務が激務でいらっしゃるから違う立場になってゆっくりと日本を見守っていただきたいなという思いはあります。では、結果(http://originalnews.nico/wp-content/uploads/2016/08/image06.jpg)を見てみましょう。

堀:
 認めるべきだが8割以上ですね。大方のみなさんは、認めるべきということですね。小林さんはどう思われますか。

小林:
 まったく常識的な感覚。こう聞くとそうなりますよね。イデオロギー的なもの全部介在しない形になればそうなりますよね。わしなんか天皇論なんか書いてしまったもんだから、ものすごく強硬な天皇の崇拝支持者みたいに右翼みたいな感覚に思われているけれども、わしが天皇論を書いたのは50過ぎてからだからね。その前は朝まで生テレビに出たときに、「天皇は天皇!わしはわし!」って書いてフリップに出したぐらい。

堀:
 超個人主義。

小林:
 徹底的な個人主義だったので50過ぎまで天皇のことを知らなかったんですから。驚きですよ、自分でも。流石に50過ぎてしまうと日本の象徴を天皇とされているものの知識が無いというのがだんだん恥ずかしくなってきたんですよ。このまま死んだら恥ずかしいんじゃないかなと思って。じゃあ自分で色々な本読んだりして勉強してみようと思ったわけですから。

 大概の人は日本会議に属している人からね、全員知らないですよ。天皇を。それぐらいのもんですよ。知らなくたっていいんですよ。本当言うと。今のような陛下のご苦労を見てね。まあ、そろそろ退位されたいと言っておられるんだから、いいじゃないですかという感覚がね。それでいいですよ、本当に。

堀:
 本郷さん、そういう意味でいうと先ほどの皇室典範そのものが非常に近代に入ってからのものであるという話をされていましたよね。今後の手続き、改正なども含めてどのようになるでしょうか。

本郷:
 それは法学部の人が案を上げればいいことで、僕に聞いてもわからないです。僕が言っているのは、手続き論ではなく結果のほうが大事な場合もあるんだよということですね。もちろん手続きも踏まなきゃいけないんですけども。

 日本の大学の悪いところは法学部が中心にあるでしょ。法学部が一番でかい顔をしているわけですよ。だけどフランスに行ってみなさいよ。哲学が中心にあるんですから。だからそういう意味から言うと、大学のあり方というものも考えて。日本の場合は重箱の隅をつつくような議論が多い。

堀:
 なるほど。形にこだわるということですね。

本郷:
 それがね、いいところでもあるし、悪いところでもあるんだよな。

小林:
 けど、法的に国会マターになっちゃったから。皇室典範は皇室の家法だったんですよ。だから戻せばいいんですよ、皇室に。自分たちで皇位継承順位ぐらい決められるようにしてあげればいいのに、それを譲位だの退位だのというものは全部典範規定じゃないとダメって話になっちゃうから。それを国会議員がこれを決める権利があると。

堀:
 そこが、民主主義というものと、天皇・皇室というものの抱えているジレンマであると。

小林:
 そうなんですよ。法律家はね、たとえば憲法学なんかを力いっぱい勉強した人は、ああいう天皇陛下のお言葉を聞いてはダメだと言いますよ。全部決めるのは国民だと。国民主権なんだからと。だからあんなのを聞いて政治が動いたら絶対ダメだと言います。そうなっちゃうんですよ、理論的に。憲法学の立場から言うと。

堀:
 そうではないのが、まさに象徴天皇という存在なわけですね。

小林:
 ところがこれが全部憲法経路に入っているわけですから面倒くさいんですよ。奇妙なことが起こっているんですよ。左の日本国憲法を守ろうとする憲法学者とね、百地章とかいう右派とされている憲法学者ね。言っていることは一緒になっちゃうんです。

本郷:
 右と左が回りまわってだいたい同じという。

小林:
 国民主権が一番大事だから、天皇の言葉、言うことを聞いてはいかんと言い始めるんですよ。どっちが左翼かわからないということになるんですよ。

■国民がしっかりしていれば、天皇陛下が政治に関する発言をしても問題ない

堀:
 同床異夢ですね。大田さんは今の話を伺っていかがですか。民主主義と天皇・皇室のありようについてジレンマの話がいま出ましたけども。

大田:
 そうですね。最初にお話したように現在の日本の状況では、天皇が良くも悪くも象徴である、政治的権力は一切剥奪されていて、政治に関わるような発言すら許されていないという、ある種の厳格主義的すぎるルールで、天皇陛下の今回のご意見表明についても、非常によくわからない仕方で、リークというか手続きがですね。正式にはこういう表明はダメなんだけども、たまたまNHKがこういう特ダネとしてキャッチしましたよという。これは陰謀だというおかしなコメンテーターが陰謀論を言っていたのが面白かったですけれども。

 僕は思うんですが、天皇陛下が政治に関する意見表明をしたとしても、国民がしっかりしてれば済む問題なんですよね。天皇陛下がひとりの人間として、政治に関わるようなメッセージを発せられたけれども、国民の側で話し合って、国会を中心に話し合って、天皇陛下はこうおっしゃっているけれども政治的選択として、こういうものが正しいという国民の側がちゃんとしっかり理性的な理論を積み上げて政治的決定が出来れば天皇陛下のご発言というのはそれほど決定的なものに本来ならないはずで、もう少しいろんな皇室後継者の問題であるとか、そういうことに関しては自分たちの身の振る舞いに関することですから、当人がどう思っているかということについてもっと意見を表明してもいいはずなんですよね。

 それが我々国民の側がしっかりしてなくて、天皇陛下が何かをおっしゃると非常におかしな右翼や左翼の人に伝播していってですね、想定外の影響力を持ってしまうので、完全に封殺せよみたいなおかしなことになっていて、そこがやっぱり国民の側がしっかりしていて、理性的な議論と民主主義があれば、それほど陛下の発言に左右されないはずなんじゃないでしょうか。

堀:
 しっかりというのは何をもってしっかりと考えればいいんでしょうか。歴史を知っているということでしょうか。

大田:
 それもありますし、いろんなファンタジーに惑わされずにリアルな世界情勢をちゃんと見ることが出来て、現状の国際環境の中で国家として、リアルで適切な振る舞いはこうだという。ちゃんと理性的な言葉に基づいた選択が出来れば天皇陛下のお言葉は問題にならないと

■天皇陛下が生前退位されるとして、次の候補者が嫌だと言ったら...

堀:
 本郷さん、そうやって考えると、天皇という存在が日本に始まってから市民社会が天皇とは何かを議論して議会で決めるってはじめてのことですか。

本郷:
 初めてですね。

堀:
 できますかね。

本郷:
 できますかねって言われても。

大田:
 制度上できるでしょうけれども。

本郷:
 やらなくては行けなくなってくると考えるべきかなと。

小林:
 天皇陛下って我々が持っている基本的人権のほとんどが無いんですよ。職業選択の自由があるから天皇やめるとか言えないんですよ。表現の自由とか、言論の自由とか無いんですよ。基本的人権が無いんです。国民じゃないんですよ、天皇って。だから自分の意見をいうことが禁じられているんですよ。

堀:
 では、ありようが変わっていったほうがいいという。

小林:
 天皇の自由意志をね、どの辺まで認めるのかということが問題なんですよ。たとえば今退位されると言っていると。じゃあ即位されるのは嫌だと言われたらどうするのかと。その自由は無いわけですから。でも、それをどうやって禁じられます?鎖に繋いで無理やり即位させたり退位させたりします?出来ませんよ。本人がやめると言われたらどうにもならないんですよ。基本的人権を我々が全部奪っているんですから。それなのに我々は天皇のことを考えないんですよ、我々は。むちゃくちゃですよ。

堀:
 ネグレクトしているようなものですよね。国民も考えない、制度上も何も言えない。

小林:
 だからね、国民主権という基本的人権を天皇に与えないということで通してきているものですから国民の奴隷みたいなものですよ。

堀:
 本郷さん、今の小林さんの意見についてどう考えますか。

本郷:
 僕は基本的にチキンなので。

堀:
 いやいや、結構放り込んでいらっしゃいましたよ。

本郷:
 僕は小林さんと違って、みんなの意見を引っ張っていこうという意志がだんだんオヤジになってなくなってきまして。僕は自分は日本に生まれた日本人で、日本の国を愛しているという自覚はあるんです。だからみんなと一緒に行動したいなという想いしかなくてですね。

堀:
 天皇の自由意志というのを認めるか認めないか。認める場合の範囲というのを決めるというのが、そもそも自由意志でないのかもしれない。

本郷:
 ときどき歴史の中でやっぱり強烈な意志を持っていらっしゃる方がいます。

堀:
 だいたい歴史の教科書に出てくる方ですよね。

本郷:
 そのときに世の中は乱れるんですよ。後鳥羽上皇、後醍醐天皇。そういう方がいらっしゃるので、一概に言えないんですよね。さっきからの大田さんのお話じゃないんですけれども、天皇制というのを考えるときにいつも左の人がいうことは、すごく変なやつが出てきたらどうするんだという話が必ず出てくるんですよ。

でもそうすると、それに対しては大田さんがおっしゃったように「天皇が何をおっしゃっても俺たちがしっかりしてれば大丈夫だ」って言われたじゃないですか。僕ね、こういう風に考えてくださる方が若い世代から出てきたんだなとすごく嬉しかった。やっぱりそうじゃなきゃダメなんだよね。やっぱりすごい天皇の地位というのは確かに象徴なんですけれども、やる気になったらものすごいことが出来るかもしれない。

堀:
 たとえば?

本郷:
 たとえば絶対専制君主にはなれないですけれども、政治的に干渉しようという人が出てこないとも限らない。

堀:
 たとえば内閣総理大臣を任命しないとか。

本郷:
 僕が言ったことと違うんだけど、だから手続き論が必要となるんですよ。きちんと手続きをしないと出来ませんよということで縛るわけですよ。だからもう縛るんだけども、そこのところをうまくやって、なんか皇室にすごい権力を持ちたいという人が出てきたらどうするんだということを左の人は言って、やっぱり天皇制というものはやめようとおっしゃるわけね。

 だけどそれは繰り返しになるけれども、大田さんがおっしゃるようにそうじゃなくて、そんな人が出てきたとしても「俺たちがしっかりしていたら大丈夫だ。日本はこれで行くんだ」ということであるなら、僕みたいなおじさんはそういう若い方たちに任せて安心しようと思っちゃうんですよね。

小林:
 早すぎ。おじさんでそこまでいっちゃだめ。俺みたいなじいさんでもそうじゃないのに。

■男系を守るために、皇族に一夫多妻を認めるか

堀:
 ここで、ユーザーの方から質問をいただいております。「生前退位を認める・認めない、の前に、女系天皇や女性天皇について議論が尽くされていないのは非常に危険だと思います。みなさんがどのようにお考えなのか、ご意見をお聞かせください(40歳男性)」という質問です。

堀:
 ユーザーのみなさんに聞いてみましょうか。みなさんは男系以外、つまり女系の天皇も認めるのか否か。この番組の冒頭で小泉政権下ではその議論が始まろうとしていたものが途中で終わってしまったという話もありましたが、改めて女系天皇について認めるかどうか。聞いてみましょう。

小林:
 自由でいいというのは双系だということですよね。男でも女でもいいよと。自由でいいと言うと誰でもいいという話になるから。

堀:
 男系、双系、どちらでもですね。

堀:
 結果割れましたね(http://originalnews.nico/wp-content/uploads/2016/08/image08.jpg)。

小林:
 要するにね、男系旧宮家系の男系男子というけどね、じゃあその人間がいつ出てくるのって、はっきり言いますけれど、もういないんですよ。いない人間を皇族にしようと言っているんですよ。宇宙人がやってきているという話ですよ。いないんですよ。出してみろと。ずっと言ってるんですよ、わし。男系男子がいるんだったら出せって延々言っているんですよ。でも出さないんですよ。駄々っ子ですよね。どこにいるのと。絶対出てこないんですよ。

堀:
 いかがですか、本郷さん。

本郷:
 これに関しては難しいんですよね。結局伝統的に言うと、ずっと男系でつながってきたことは間違いないんですよ。女性天皇は歴史的にいらっしゃいました。それは中継ぎなんですよね。その方が結婚して、その方のお子さんが天皇になっているという例はないんです。女性天皇は、要するに男性の天皇への中継ぎ役になるわけですね。それに徹しているわけです。だから今まで女性天皇はいらっしゃるけれども、ずっと天皇は男系でつながっているということになります。だからそこのところは分かっていただきたい。

 その上でなんですけれども、なぜ男系でつながってこられたかということになりますが、これは一目瞭然で簡単な話です。要するに側室がいていいからです。奥さんを複数持っていいからです。今の世の中は、しかも伝統的な日本社会は奥さんを複数持ってよかったわけですよ。経済的な余裕がある方はね。だけどそれで本当にいいんですかというのは明治以降に出てきた話で。近代化の中で一夫一妻制というのは要するに完全に根を下ろしているわけですね。やっぱり僕みたいに女性にモテない人は一夫一婦制じゃないと奥さんこないんですよ。

堀:
 え?結構モテていらっしゃいますよね。

本郷:
 僕がずっと追いかけていたAKBの女性は辞めてしまいまして。

堀:
 AKBにブーイングが広がるとまたややこしい話に。

本郷:
 じゃあ一夫一婦制がどれだけ浸透しているのか。いまさら天皇陛下だけ側室を持っていいということにならないと思うのであれば、天皇という存在がいたほうがいいというのであれば、理屈として女性の天皇を認めるしかないんですよ。だけど、さっき小林さんが言われたみたいに、それをしたくないならば宮家を作るしかないんですよ。だけど宮家を作ると、竹田(恒泰)さんみたいな人が宮家になって天皇の候補者になっちゃう。あの人は、はっきり言いますが、歴史的なことは嘘ばっかり言っています。歴史研究者としては、あの人は嘘つきです。これは文句言われても言います。だからそうなっちゃうと、どっちを取るかなんですよね。

堀:
 大田さんはどう思われますか?

大田:
 その話をこの番組が始まる前に控室でしていまして、多少の議論を交わしたところ、どうも僕が日本会議系の右翼だということになりまして、正直その時点で帰りたくなりました(笑)

堀:
 論調としてね(笑)

大田:
 本当に僕なんかは小林さんが起こしてくださった議論で勉強させてもらって、小林よしのりさんの『女性天皇の時代』であるとか、これに対する反論である八木秀次さんの本であるとか、今ニセ歴史学者とおっしゃった竹田恒泰さんの本なんかを読んだりして、日本の皇統というのは125代全部男系、お父さんの血筋をたどっていけば初代天皇の神武天皇に至るという男系が維持されてなければ皇位継承の資格が無いというのが例外なく125代維持されているということなんですね。

 僕自身は宗教学者としては、宗教的な制度は究極的にはフィクションだと思っていますので、国民の合意が得られればそれが崩れてもいいのかなと思うんですが、宗教的な歴史を見ると、そういったドグマであるとか、規範っていうものは本当にバカにできないところがありまして。それを軽く見てですね、ルールを変えてしまった途端に、根拠がガラガラと崩れ落ちてしまって、畏敬の念・オーラが一斉に消えたという例が結構あるんですよね。

堀:
 どういう例があるんですか?

大田:
 それは細かい話になるんですけれども、キリスト教の三位一体論だとか、本当に一言の言葉が信仰告白に入るかどうかで教会が割れたり分裂になってしまうんですね。正統と異端の争いになってしまって。統合どころか宗教戦争の火種になってしまうので、それを簡単に今の我々、国民で統合ができるから変えていいというほど簡単な話ではないのですが。

本郷:
 大田さんは俺達がしっかりすれば大丈夫だとおっしゃっていたじゃないですか。俺達がしっかりしてないってことですか?

大田:
 そこをもう少し言うと、立憲君主制というのは要は前近代的な要素と近代的な要素の接合なんですね。本当は近代のルール、社会契約論であったり、民主主義であったり、市民社会の自治っていう感じで全てを決定できればいいんですけれども、やはりヨーロッパの市民革命の歴史を見ていくと、それではなかなか国の一体性をはかれなくて、前近代的な王権というものを復古させてですね、イギリスなんかは典型的ですけども立憲君主制という形で表面的なレベルでは近代のやり方で議会政治でやっているんですけれども、水面下というか無意識の部分に関しては前近代的な要素を残してですね、国家としての一体性を精神的に保っているというところがありまして、皇統というのは立憲君主制の中の前近代的な無意識的な要素に関わるところだと思っているんですよね。

 なので、確かにさっきお前は国民がしっかりしていれば大丈夫だと言ったじゃないかというのはおっしゃるとおりで、それは思うんですけど、それは今の国家に残っている前近代的というか無意識的な要素を今の人達が男系にこだわる必要がないと言ったから変えていいんだということをやった途端に、思いもしないバックラッシュというか、国の根拠がなくなって瓦解していくということがもしかしたらあるかもしれません。

堀:
 まさにジレンマですよね。民主主義社会で議会制民主主義のプロセスの中に参入する一有権者、市民、国民としてのスキルと、得も言われぬそういう制度とは違うところで抱く、まさに今回私達が陛下のお言葉を聞いて、最初は寝転びながら聞いていたものを思わず姿勢を正してしまう感覚というか。

大田:
 身体性に刻み込まれているところがあるんですよね。

堀:
 まあ、イコールではないからという論点ですよね。

小林:
 本当の男系主義というのは元明天皇から元正天皇っていう母親から娘に継承形態は取らないんですよ。これは現実にあるんですよね。元明天皇から元正天皇という、母から娘の継承例があります。過去の天皇の中にね。あともう一つは権威の問題なんですよね。じゃあ、皇祖神って誰なのかという問題ですよね。

堀:
 はい。

小林:
 皇祖神というのは天照大神ですよ。これがまず第一代のジェネレーションです。血脈から言ったら、天照大神になるんですよ。神武天皇というのは地上に下って皇統の一位になった方なんだけども、血脈を辿ったら天照大神にいくってことが天皇の権威を担保していることなんですよ。なぜかって言ったら人代だけ、つまり人の世代だけ辿ったら権威の出処がなくなるわけですよ。たとえば天皇の証は三種の神器ですよ。三種の神器って日本の歴史上どこにもないんですよ。それが発生した時。では、どこに根拠があるの?神話にしかないんですよ、三種の神器って。

堀:
 それを守ってきたわけで。

小林:
 それを持っている人間だけが正統な天皇なんですよ。で、三種の神器はどこにあるのか。ヤマタノオロチのしっぽを切り割いて草薙の剣が出てくるとかね。全部神話に正当性があるんですよ。それがなければ、もう権威なんて与えられません。ヨーロッパも同じですよ。ゴッドですよ。ゴッドが権威を与えるんですよ。それで王権神授説になるんですよね。

本郷:
 そこらへんになると難しい議論になっちゃうんで、例えば皆さんご存じないかもしれないけれども後醍醐天皇のときには3セットあるんだよ。3種の神器を持っている天皇が正統な天皇という議論は実は嘘です。実際問題、たとえば壇ノ浦で沈んだはずの剣、それが熱田神宮にもあるわけですよね。そういうような形で複数三種の神器ってやつがあって、なんで三種の神器はレガリアとして認められるかというと、実は南朝を正統にしたかったのが明治政府なので、そこから来ているわけですね。無理やり南朝を正統にしてしまったので、じゃあ南朝を正統にするにはどうするのかというと三種の神器に頼るしかなかったのです。

 まあ、そういう議論は置いておくとして、どうしても大田さんにお伺いしたいのは、男系にこだわるっていうのはなくて、僕はみなさんの思っている方に乗ろうと思っているんですけれども、大田さんがおっしゃるように、例えば女性天皇がまずいとお考えになるとすると、やっぱり男の子が生まれなかったっていう状況はありうるわけじゃないですか。そのときのために、どのような制度をお作りになろうと思っていますか。宮家の復活ですか。

大田:
 それは僕が言っていることではなくて、竹田さんとかああいう保守系の人達が言われていることであって。

■皇族候補を連れてきたら、週刊文春が飛びつく

大田:
 ひとつはやっぱり、本流と平行して傍流という血筋をよく血のスペアとかプールとか即物的な言い方をされますが、最近だと伏見宮家になるんですかね。そういった人達をGHQの神道指令に基づいて一般市民に降下させてしまったので、ああいう方たちに復帰していただいてですね。さきほどの小林さんの話でもですね、陛下を始めとして、皇族の方々にかかるプレッシャーが大きすぎるという話があったんですけれども、そういったプレッシャーを緩める一番の方策は皇族の数を増やすということで。

堀:
 でも大田さんがおっしゃっていた、そのまさに得も言えぬ権威というものが宮家というものが介在したときに果たしてそれが保たれるのでしょうか。

大田:
 それはやってみなければわからないというところがあってですね。まさにニコ生で竹田さんのチャンネルを拝見して勉強させていただいているんですけれども、竹田さんは食べながらしゃべることが多くて、物を飛ばしながら喋っているのを見るとですね(笑)

堀:
 もし竹田さんがご覧になって反論があるなら連絡ください。

大田:
 この方に皇族に復帰していただいて大丈夫だろうかというのがありますね。

本郷:
 行儀が悪いのはオッケーですけどね。

大田:
 結局シンボルとしていろんな要素があると思うんですよね。皇統であるとか三種の神器であるとか神話であるとか。そこの中で僕は皇統っていうのが、天皇の持つシンボル的な力としてかなり大きいんじゃないかなと思っていまして。

小林:
 じゃあいいですよ。ぜひとも男系の旧宮家系の国民男子を、まあひとり呼んだってダメですよね。ひとり皇族にしても続きませんよ。竹田恒泰自身が4~5人と言っていたはずですよ。3人でも4人でもいい。揃えてまず紹介してください。すぐ週刊文春が動きますから。とんでもないことがいろいろ出てきますよ。竹田恒泰だけじゃなくて、竹田恒泰と同年代の男系の旧宮家系の男子は大麻か何かで逮捕されています。本当にぜひとも出して欲しい。

 ドグマの話とかをありがたがってやったところで、現実としてシステムとして作らなければ仕方がないんですよ、続くためにはね。そんなことはこれだけ議論されていて、安倍政権が女性宮家を潰して何年も経つんですよ。宮内庁の方だって内閣の方だって、探しているのは当たり前です。見つからないわけですよ。だから結局女性宮家の創設案から検討が始まっているんですよ。こんなの当たり前ですよ。

 たとえいても大問題になりますよ。国民には基本的人権があるんですから、よその子を男系男子だから皇室がもらいうける、これは人さらいですから。強制連行ですよ。そういうことになっちゃいますよ。これが出来ますかね?じゃあ、それをやってどこに入れるんですか。養子に入れるというなら秋篠宮家がうちが育てますとかね。

堀:
 多分情報化社会以前だったらどんなことがあっても権威を保つ手段があったのかもしれませんが、このように開かれた場で権威を維持しながら天皇・皇室というものを継続させていく。これはなかなか難しいジレンマを抱えています。

小林:
 難しいですよ。その人の経歴が全部出てきてしまうことがありますし。

堀:
 権威が失われることはあってはいけないわけで。

小林:
 もっと小さな子供を連れて行こうと言う話はありますが、親から引き離さなきゃいけないですから。それが本当に出来るのかどうかという問題があります。現実的にいなければ仕方がないから、いるんだったらやってくださいって言っているんですよ、ずっと。まず紹介してくださいよ、3人でも4人でもそんなたくさんいるのであれば。それが何年たっても出てこないんだから、結局のところ女性宮家を作るのが一番安全という話になるんですよ。

 みんなこだわるのはいい。男系派が言うのはいい。ぜひ探してきてくれ。自分の足で探してきてくれ。それを紹介してくれ。そしたら現実それが始まったって何にも構わない。その先は多分この方を皇族として迎え入れますという記者会見が開かれるでしょう。そのときにどんどん週刊文春やら何やらがスキャンダルを出します。国民がどう思うか。なんだ、そいつは、と。とんでもないやつが出てきたなと。

堀:
 どんどんどんどん失墜していきますね。

小林:
 そうすると皇室自体は崩壊が始まりますよ。現実的な想定を考えてください、この話は。あまりにも想像力がなさすぎる。

堀:
 国体の護持というところにもつながりますかね。

大田:
 それについては僕も思うところがあるんですけれども、現在の陛下があまりにも完璧な方でしたので。少なくとも僕にはそう映るんですが。今の世代の人達はですね、天皇陛下はああいうものだという先入観があると思うんですが。リアルに考えるとああいった人格としても知性としても卓越した方が天皇であるというのは例外的で、皇族といえどやはり性欲もあればウンコもする人間ですので。

本郷:
 不敬だな(笑)

堀:
 人間であるという話ですね(笑)

大田:
 我々が成熟して、完璧な人間像や人格というのを皇族の方々に求めない。欠点が少しあってもその点がチャーミングだよねっていう、かなりこっちが余裕のある目で見る必要がありますよね。

■メディアが成熟した現代、天皇の「聖性」は保てるのか

堀:
 さっきと同じ質問ですが、そういう状況で私たちは天皇を畏敬の念を抱き続けられますかね。

大田:
 小林さんがおっしゃっているのは、皇統という血の絆が持っているオーラが勝るか、人格が勝るかというその二者択一というところがあります。

小林:
 ところが、そこがまさに今の時代なんですよ。こういうメディアが発達してネットから全てが発達してこの時代においてね、人格を無視することは出来ません。とにかく血だから血統だからということでは国民の敬愛心というものが育たないんです。それは今の陛下だからこそああいう言葉を述べられて、みんなが是非やってくださいという敬愛心が育っちゃったんです。これは人格抜きには出来ません。

 それは各天皇が昔は権力と権威が一緒でしたからね。だから多少無茶苦茶な人がいたかもしれませんよ。愚劣天皇がいたかもしれません。今はそんな時代じゃないんですよ。各天皇が自分が即位したら、全身全霊で国民のために務める。これをやらないと天皇制って続きません。絶対国民が見放します。滅びます、皇室が。

堀:
 歴史的に振り返る中で、皇室の歴史の中を見てみても権力欲が出てきた人のときは世が乱れるという話がありましたけれども、天皇の人格によってという関係性で言うと?

本郷:
 面白い例になるかどうかは分からないですが、鎌倉幕府のときに天皇家を2つに分けたんですよ。持明院統と大覚寺統という2つに分けて両統迭立というのをやるんですよ。

堀:
 なんでそんなことをするんですか?

本郷:
 天皇家が一つにまとまっていたら鎌倉幕府にとって脅威だから。鎌倉幕府の後期の天皇たちって、ものすごく勉強家なんですよ。それは国民に対して責任を持つということは言わないんですけれども、天に対して責任を持つと。自分は徳を積むんだと、天がそれを認めてくれるから自分は天皇になるんだと。それをぶち壊したのが後醍醐天皇なんですけども。そうなると2つに分けますか?持明院統と大覚寺統みたいに。

大田:
 自由競争させて。

小林:
 それは面白い話なんだけども。

堀:
 議論の一つの材料として。

大田:
 逆に言うと人格の問題って女系を入れたところで解決しますかね?

小林:
 聖域の中で育っていらっしゃる方ですから。例えば、漫画だって読めないんですよ。それなりの教育がされているんですね。たとえば愛子さまを見たら、スポーツはすごいですね。短距離はすごいですね。習字もすごいとか。バイオリンが弾けるとか、水泳も遠泳が出来るとかね。本当に普通ありえない、ものすごい才能を多様に持ってらっしゃるんですよ。ああいう人は民間から出てこないんですよ。あれほどオールマイティーに能力が長けている人はいないですよね。わしはそういう風に教育されているんだと思います。次の代も考えてね。

堀:
 そういうことを考えると先ほどおっしゃった側室、側室というのは武家用語ですよねという話もありましたけれども、そういう形も議論としてするべきなのか、端から遡上に乗せないべきか。

本郷:
 それは無理だと思いますよ。

堀:
 たとえば市民社会においてのフランスみたいに、非嫡出子を認めますよというのはありますよ。それは皇室に関して言えばそれはありえない。

本郷:
 だけど、この間のベッキーの問題を見ていると、やっぱり女性は嫌いでしょう。

堀:
 それこそ権威がね。

本郷:
 絶対無理だと思う。だから、それはやっぱり今更、中宮がいて、それから女房がいっぱいいてみたいな。それは無理だと思う。

■時代に合わせて少しずつ変化するのが伝統。同じことを続けたら滅びる

小林:
 結局ね、伝統っていうのは何かひとつの固定観念やドグマが延々と続いていくって話じゃないんですよ。伝統っていうのはバランス感覚なんですよ。だから、時代に合わせて少しずつ少しずつ変化していくものが伝統なんですね。

堀:
 まさに陛下はその話を今回のお言葉の中でされていましたよね。時代に合った。

小林:
 そうなんですよ。皇后陛下もそういう風に言われていますよ。だから伝統とは何かってことは天皇皇后両陛下の方が、国民よりもよっぽど知っているんですね。伝統なんて、例えば老舗の駄菓子屋見ても一緒でしょ。ずっと同じものを作り続けていたら滅びますよ。やっぱり少しずつ少しずつ、時代に合わせて変化させていくわけですよ、和菓子だって何だって。そしてずっと老舗が残っていくんですね。
ドグマ主義に陥ったら滅びる。

堀:
 昔、備前焼の人間国宝の伊勢崎淳さんって方にインタビューさせて頂いた時に、一番最初に言われたのが「堀君、伝統と伝承の違いを知っているか」と言われたんですよ。えっ、伝統と伝承ですかと。伝承と言うのは、昔からあるものを今にそのまま伝えること。民話とか、それが伝承であると。伝統と言うのは、その時代の職人が最新の新しい試みをしてきたことの連続。伝統は革新だと言うお話で。それに通じるなと。

小林:
 全くその通りですね。だから、例えば昭和天皇と今の今上陛下っていうのは全然違うんですよ。昭和天皇は人前に現れる時でも、子どもが寄って来た時に「あっそ」と。「いい子ですね」って感じで。それはもう、全く権威というものを態度に表す中で、それでも庶民感情に応えようとしたら「あっそ」しかなかったんですよ。けど、今の陛下ご覧なさいよ。膝を着くんですよ。石原慎太郎とかは立っているのに。

堀:
 石原慎太郎さんに戻って来ましたね(笑)

小林:
 そんでもう、同じ目線になる。庶民よりも低い目線になってしまうくらい、態度にもう変化が現れてしまっているんですよ。これはその時その時で変わるんですよ。時代によってね。

■動画サイトと「天皇」

堀:
 今、メディアの時代というか、誰もが見られる時代において、天皇のあり方そのものについて、これからまた変わっていくのでしょうか?テレビはもう旧来型のメディアになりました。インターネットが登場しました。インターネットもこれから先どんどん変わっていくでしょう。もう、触れるもの全てがメディアになるような時代がやってくると言われてますから。

 こういう情報化社会の中での皇室・天皇・象徴天皇、このあり様っていうのは、どういう意義を果たしていくんでしょうか?どなたか、我こそはという方がおられましたら。

大田:
 この前、トルコでクーデターがありまして、僕、その事情もあんまり押さえてなかったんですけど。軍部でクーデターが起こった時に、エルドワン大統領がスマホでですね、自分でYoutubeか何かで国民に向かって語りかけて。「今、こういう形で国が危機に陥っているから、クーデターを抑えるように協力してくれ」って大統領が直接スマホでトルコ国民のみならず、世界中に呼び掛けて、それで世界を動かすっていうことがあるわけですから。

 そういう風にスマホ一つ持っていれば、政治的発言をしないようにとバリアをされている未来の天皇陛下であっても、突然Youtubeに天皇のお言葉がアップされて、天皇陛下ってこういう人だったのかって。

堀:
 それはすごい。まあ、可能性としてはね(笑)

大田:
 それはいい方に転ぶ場合もあるし、悪い方に転ぶ場合もあるわけですよ。だから、そういうふうに過剰に天皇の人格であるとか振る舞いというものが可視化されていって、それが突発的にこう世界中に広がるっていう時代を生きていく上で、やっぱり、さっきお話したのと同じ結論ですけれど、市民としての成熟というか、結局、それに対して、我々がどういう反応を起こすかっていうことが実は一番大切で、我々の受け止め方次第でそれが良い方にも悪い方にも転ぶっていうことがあるので。まあ、なんというか、あのどういうパターンが考えられるのかは難しいですけど。

堀:
 でも、もっともっと近くなる可能性はありますよね。

大田:
 そうですね。そういうことが起こった場合の心構えをしておくってことじゃないかと。

小林:
 わしはねえ、市民の成熟なんか絶対ないと思っているんですよね。

堀:
 大衆社会は大衆社会であると。

小林:
 もう、どんどん劣化していくと思っていますよ。

堀:
 逆に。

小林:
 逆にね。昔はテレビくらいしかなかったから、大体みんな同じテレビを見ているんですよ。そこにおいては、皆との合意がかなり広い範囲で取れるんですよ。ところがネットとかが発達してくると、タコツボ化していくんですね。そうなると、もう、バラバラなんですよ。価値観が。

堀:
 小さいコミュニティ、もしくは、個人、みたいな。

小林:
 そうそう。もう、バラバラになってしまうんですよ。そうなるとますます個人の確立っていうものが難しくなっていく。やっぱり、劣化はするけれどもね。例えばこういうことがありますよ。わし、昔、『差別論』とか書いていた時にね、自主規制していたんですね。差別語の言葉を。そこを突破する為に『差別論』書き始めたんだけど。その頃、差別的な言葉ってね、便所の中にしか書けなかったんですよ。

 ところが、今ネットが出てきたら、ネットで差別的な言葉でも何でも、全部出て言っちゃっているでしょ。自主規制の意味なんか無くなっているじゃないですか、そもそもがね。だから、その中からヘイトスピーチみたいなのが出てきて、街頭で言い始めるわけでしょ。あんなものはありえなかったね。かつてはね。あんな連中が出てくるなんて。

堀:
 はばかられるっていう......

小林:
 ということでしょ。劣化していますよ。市民社会の成熟なんてことはないんですね。これはっきり言っておきます。予言として。10年後、20年後、30年後、ちょっと、この映像、映してください。「あ、小林よしのり、言った通りだなー」と。もっと劣化しているから。

堀:
 「映像が残っているんですよ」って言いながら(笑)

小林:
 だから、市民社会の成熟なんていうのはね、まず無理です。だから......

堀:
 そうした中での、天皇......

小林:
 そうなんですよ。だから、閉じているところと開くところが、ものすごく難しいことになるんですよ。

堀:
 やはりこう、全てが開かれる在り様はいけないっていうことですね。

小林:
 それだと、もう、全然、どうにもならないですよね。やっぱり、その、本郷さんはAKBのあきちゃんに夢中だった時がありますから......。

本郷:
 いや、いまでも夢中でございますよ(笑)

小林:
 やっぱり、AKBの方が普通のアイドルよりも開かれていますよね。はるかに開かれていますよ。開かれたから普及したというところがあるんだけども、だけど、本当のアイドルには、やっぱり聖性を求めているところがあるんですよ。聖(ひじり)を求めているところがあるんですよ。

堀:
 聖ね。確かに。

小林:
 そこはね、プロダクションが徹底的にマネージメントしていますよ。本当はどんな事してるか、わかったもんじゃないですよ。

本郷:
 くふー(笑)

小林:
 マネージャーが閉じています。だからずっと担保できるんです。あの輝きが。オーラの輝きが。あれを、ネットが発達したからっていってね、全部彼女たちの行動を映していったら、どんどん敷居が低くなっていくんですね。

堀:
 イギリスもそうですけど、開かれた皇室論みたいな、あれに対しては一定の歯止めというか、その意義を伝えて、守るべきものは守っていく。

小林:
 そうですね。向こうのバランス感覚があるでしょう。AKBなんかで言ったら、むしろ全部開いちゃって、直接会うようになっちゃって......っていうことになるわけでしょ?ネット使ってどんどん自分のこと何でもかんでもつぶやくでしょ。こいつバカだなってことがわかるじゃないですか。

本郷:
 バカじゃないもん!

堀:
 特定の個人を言っているわけじゃないと思いますよ(笑)

小林:
 だから結局、もたないんですよ。たぶん。だから卒業した時にね、ちゃんと閉じている本物のアイドルや女優と比較したときにね、寿命が短くなっちゃうんですよ。全部バレてるから。

堀:
 やっぱり閉ざされた部分、暗である部分が大事なんですね。

小林:
 そう、大事なんですよ、そこが。

堀:
 陰影礼賛ですよ。

小林:
 全くそうです。

[ニコニコ生放送]ニコニコで語る天皇論 ~お気持ち表明を受けて~《小林よしのり×本郷和人×大田俊寛×堀潤》 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv271748813?po=newsinfoseek&ref=news

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]『天皇陛下のお気持ち表明』 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv272070298?po=newsinfoseek&ref=news
・[ニコニコ生放送]歴代天皇をたんたんとご紹介していく生放送 - 会員登録が必要
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