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【検証:どうぶつの森】着替え時間"0.3秒"は本当に最速か!? セーラームーン、プリキュア、555、ギャバン...最速着脱衣選手権開催!【空想科学ゲーム読本】

ニコニコニュース / 2017年10月5日 11時30分

ニコニコニュース

 魚や昆虫を捕まえたり、化石を発掘したりしては、お金に換えて少しずつ生活を充実させていく「どうぶつの森」シリーズ。まことにノンビリした世界である。

 うらやましいのは、木を揺らしたり、岩をスコップで叩いたりすると、お金が出てくること。これはスバラシイ。なぜ現実世界はそうなっていないんだっ!?

 この日常的に見えて超日常なゲームのなかで、筆者が心惹かれるのは、『とびだせ どうぶつの森』(以下、『どうぶつの森』)の着替えのシーンである。ジャンプして後方宙返りすると、着地の瞬間には着替えが完了している!

 こんなに速い着替えというものを、筆者は見たことがない。現実の世界でも、こんなに早く着替えができたらいろいろ便利だろうなあ。

 うらやましいことの多い『どうぶつの森』だが、今回は着替えに注目してみよう。

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空中で何が起きている!?

 「どうぶつの森」における着替えの速さは、尋常ではない。ゲームの画面で測定すると、0.3秒で完了!

 ある画面では、短パンにTシャツという軽装から、やはり短パンとTシャツに着替えていた。そこで筆者も、短パンとTシャツの着替えに挑んだところ、大急ぎでやったにもかかわらず、18秒を要した。「どうぶつの森」の着替えは、筆者の60倍も速いのだ!

 しかも、驚くべきことに「後方宙返りしながら」である。

 筆者は宙返りしながら着替えている人というのを見たことがないのだが、ゲーム内の彼らは、どのようにして着替えているのだろうか。速すぎて着替えの様子は確認できないので、ここでは推測してみよう。

 着替えでは、脱ぐより着るのに時間がかかる。着るときには、服の前後や上下、そしてソデがどこにあるかなどを確認しなければならないからだ。

 ここから、所要時間0.3秒のうち、0.1秒で脱いで、0.2秒で着たと考えよう。その場合、シャツと短パンを0.05秒ずつで脱ぎ、0.1秒ずつで着ることになる。

 また、ジャンプしてからの体の重心(へそのあたり)が、通常よりどのくらい高いか(以下、これを「高度」と呼称する)は、離陸のスピードと、離陸してからの時間で決まる。所要時間0.3秒の後方宙返りの場合、重心が上昇する最高の高さは11cmだ。

 すると、彼らの着替えの実態は、次のようになる。

あまりに忙しい! とくに緊張が高まるのは、シャツを着るときだろう。着地まであと0.1秒しかないうえに、Tシャツというものは、着脱の際に一瞬視界が遮られる。

 怖いだろうな~。

 こういうことになるのは、高度11cmという低いジャンプをするからだ。体操の白井健三選手【※】が「後方伸身宙返り4回ひねり」を決める動画で測定すると、離陸から着地まで0.89秒。

 ここから計算すれば、白井選手の重心は高度97cmに達していることになる。これほど高く跳ぶから、4回もひねれる滞空時間が稼げるわけである。

※白井健三選手......1996年生まれ。日本の体操選手。特に床運動での活躍が顕著で、自身の名を冠した技がいくつもあるほど。17歳1ヶ月の時に、男子史上最年少で世界選手権金メダルを獲得したことでも有名。愛称は「ひねり王子」。

『どうぶつの森』のキャラクターたちも、ジャンプ力を鍛えて、せめて高度50cmまで跳べば、0.64秒かけてゆっくり着替えられるのに......。

 いや、待て自分。0.64秒なのに、どこが「ゆっくり」だ。いつの間にか、アタマがすっかり『どうぶつの森』化している!

ヒロインたちの着替えは時間がかかる!?

 では、他の人々の着替えはどうなのか。

ヒロインの着替え1:セーラームーン

 ウルトラマンような「変身」ではなく、カテゴリーとして明らかに「着替え」といえそうなものを見てみよう。

 たとえば『美少女戦士セーラームーン』では、その変身は次のように描かれた。

1. 月野うさぎが「ムーン・プリズム・パワー・メーク・アップ!」と叫ぶ

2. パッチリ開いた両目を除いて全身が白く輝く

3. 胸の変身ブローチからリボンが放射状に広がり、全身がセーラー服に変わっていく

4. リボンが手足に巻きつき、手袋やブーツになる

5. セーラームーンの額にティアラが現れ、変身は完了!

ここまで42秒!『どうぶつの森』の着替え時間0.3秒の140倍である。

 ここで「所要時間が『どうぶつの森』の何倍か」を表す「どうぶつ」という単位を新設するなら、セーラームーンは「140どうぶつ」だ。

ヒロインの着替え2:プリキュア

 『ふたりはプリキュア』で、美墨なぎさと雪城ほのかが初めて披露した変身は、こうだった。

1. 携帯電話のような機械「カードコミューン」にプリキュアカードをスラッシュする

2. 手をつないで「デュアル・オーロラ・ウェーブ!」と叫ぶ

3. 地面から光の柱が立ち昇り、2人を天空に運ぶ

4. 光のリングが、なぎさとほのかにコスチュームを着せていく

5. 変身が完了し、2人は地上に降り立つ!

──ここまで1分42秒! 340どうぶつ!

ヒロインの着替え3:アイカツ!

 『アイカツ!』は、中学1年生の星宮いちごが、カードを集め、アイドルに駆け昇っていく物語。彼女の着替えは、フィッティングルームという特別な場所で行われる。

1. 入り口で、トップス・ボトムス・シューズ・アクセサリーのカードをセット

2. シルエットになり、フィッティングルームを走る

3. 次々にゲートをくぐると、トップス・ボトムズ......が装着されていく

4. 着替えが終わり、最後のゲートをくぐると、大観衆の待つステージに出る!

 ──ここまで58秒、193どうぶつ。

 やはり女性たちは、着替えに時間がかかりますなあ。

ヒロインの着替え4:プリパラ

 『プリパラ』では、素早い着替えが行われる。

小学5年生の、真中らぁらが、プリパラへ通じるゲートにプリチケをスラッシュすると、服が華やかになり、髪が伸びて、身長も高くなり、スタイルもよくなる。

 所要時間の合計は23秒、77どうぶつ!

※歌ったり踊ったりしている時間も長いのだが、これは着替えとは別のシーンなので、カウントしていない。

オトコどもは着替えが速い!

 では、オトコたち=ヒーローはどうだろうか。

オトコの着替え1:仮面ライダー555

 『仮面ライダー555』の変身ベルトは、スマートブレイン社という企業が開発したもので、人々はベルトを奪い合って変身していた。

企業が作った製品を装着すれば変身できるのだから、まさに「着替え」というイメージだ。555の変身は、次のとおり。

 変身者が腰にベルトを装着し、携帯電話のような「ファイズフォン」の番号ボタンを「5」「5」「5」「Enter」と押すと「スタンディング・バイ」という人工音声がする。それをベルトのバックルに差すと、「コンプリート」と人工音声が響き、仮面ライダー555に変身!

 ──所要時間は16秒。53どうぶつで、おお、やはり女性たちより速い!

オトコの着替え2:宇宙刑事ギャバン

 さらに注目すべきは、宇宙刑事たちだ。

 『宇宙刑事ギャバン』は、一条寺烈が「蒸着!」と叫ぶと、地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元高速機ドルギランから、特殊軽合金グラニウムが粒子の形で伝送されてきて蒸着し、コンバットスーツとなる。

設定によれば、これに要する時間は0.02秒。うおっ、0.067どうぶつ!

オトコの着替え3:宇宙刑事シャリバン

 『宇宙刑事シャリバン』は、伊賀電が「赤射!」と叫ぶと、地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元戦闘母艦グランドバースが、太陽エネルギーを増幅し、転換した赤いソーラーメタルが電の体に蒸着してコンバットスーツとなる。

設定によれば、所要時間は0.001秒。ぐわわわっ、0.0033どうぶつ!

オトコの着替え4:宇宙刑事シャイダー

 『宇宙刑事シャイダー』は、沢村大が「焼結!」と叫ぶと、上空の母艦バビロス号よりプラズマ・ブルーエネルギーが放射され、これによって構成された特殊軽合金グラニウムαが焼結してコンバットスーツになる。

──こちらも0.001秒、0.0033どうぶつ!

 ふーむ、やっぱり男たちの着替えは早い。しかも宇宙刑事だし、迅速機敏がモットーなのでしょうなあ。

 ただし、宇宙刑事たちの着替えは、圧倒的に大がかりだ。着替えのためだけに地球軌道上のマシンまで出動するとは......。

 その点、後方宙返りするだけで着替えてしまう『どうぶつの森』の人々は、やはり侮れないと思います。(了)

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著者
柳田理科雄
理系作家。空想科学研究所の主任研究員として、書籍の執筆を続ける一方で、各地での講演、ラジオ・TV番組への出演など精力的に活動。2007年には『空想科学 図書館通信』の無料配信を始め、現在も継続中。代表作『空想科学読本』シリーズは、現在17巻まで刊行。明治大学理工学部の非常勤講師。2017年6月17日、角川文庫『空想科学読本 正義のパンチは光の速さ!?』発売。
空想科学研究所公式サイト:www.kusokagaku.co.jp
Twitter:@KUSOLAB

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