「罵倒ではなく本質的な対話を」 プラネタリウム・クリエーター、大平貴之さん<「どうする?原発」インタビュー第14回>

ニコニコニュース / 2012年9月14日 13時10分

「原子力とプラネタリウムは対照的」と語るプラネタリウム・クリエーター、大平貴之さん

 「世界一の星空」を投影できるプラネタリウムを開発したプラネタリウム・クリエーター、大平貴之さんは、311以前から原子力に深い関心を寄せてきた。一見、乖離しているように思える「プラネタリウム」と「原子力」をつなげるキーワードは、「サイエンス・コミュニケーション」。科学技術と社会との間にある断絶を埋める対話だ。今回の問題を解決するには何が必要なのか。大平さんはコミュニケーションという視点で、この問題を読み解く――

・特集「どうする?原発」
http://ch.nicovideo.jp/channel/genpatsu

■「原発問題を夫婦喧嘩にたとえると...」

 「今回の原発事故で、これまで科学技術界と社会とのコミュニケーションがあまりうまくいっていなかった、ということが浮き彫りになりました。日本は被爆国で、もともと原子力に対する感受性が強い。そうした歴史の中、原発は感情的にもデリケートな存在でしたが、その存在を巡る議論は十分ではありませんでした。事故をきっかけに本質的な対話が余儀なくされたと思います」

 冒頭、そう踏まえた上で、大平さんは話を意外な方向に展開させた。

「僕はよく、原発問題を夫婦喧嘩にたとえるんです。日本の原発は、『絶対に事故が起きない、安全です』と言ってきました。『絶対に僕は浮気しない』と言う旦那ですね。結婚式ではどんなカップルも永遠の愛を誓いますが、実際は、結婚生活をしてみないと、わからない。上手くいくカップルがいる一方、仮面夫婦も多いし、離婚もする。原発も同じで、事前に事故が起こるかもしれないとは言えません。しかし、旦那が浮気してしまうことがあるのと同じように、事故は起きてしまいました」

 奥さんが調べてみたら次々と浮気の証拠が出てくる。「『一体、あなたは何をやってたの? もう信用できないわ!』と奥さんが怒り、修羅場になっている状態です。あえて下世話なたとえをしてみましたが、よく当てはまるんです」という。「この夫婦喧嘩で、今までのコミュニケーション不足が明るみになりました。放射能にはどれほどのリスクがあるのか。では、なぜ原発を作ったのか。メリットもデメリットも、あまりに知らなさすぎる。教育もされていなかった」

 原発の是非を巡る議論は、いくつものタブーを含んできたと大平さんは指摘する。なぜか。

 「日本では昭和40年代にオイルショックがあり、エネルギーのリスク分散を求めて原発への依存率を上げていきました。また、原発を持つことは、プルトニウムを持つこと。つまり、核兵器に使いうる材料を持つということにもなります。日本人のほとんどは、実際に核兵器を持つことは夢にも考えてはいませんが、その気になれば持てるという状態は、外交的に全く意味がないとは言えません。これは良くも悪くも国際政治に影響してきます。それなのに、原発と核保有を絡めた議論を、国会でオープンにするわけにはいかなかった」

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