山口先生コラム「やさしい家族信託」第3回:80代の2人に1人が認知症?もうすぐ80歳のお母さん。「後見人」をつけないとダメ?

認知症ねっと / 2019年5月30日 10時0分

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司法書士事務所ともえみ 代表司法書士 山口先生コラム「やさしい家族信託」

厚生労働省によれば、2025年には認知症患者が700万⼈になると⾔われています。認知症になると資産は凍結され、⾃分や家族のために財産を動かすことができなくなります。

本コラムでは、「職業後見人」として高齢者の方の財産を管理し、また、自身の両親の「家族信託受託者」としても活動する高齢者支援専門の司法書士である山口良里子先生が、認知症から⼤切な資産を守るために注⽬される「家族信託」についてわかりやすく解説します。


厚生労働省によれば、2025年には認知症患者が700万⼈になると推計されています。そして、高齢になるにつれ認知症の割合は増加し、80代の2人に1人が認知症になる とも言われています。

B子さんのお母さんも、もうすぐ、80歳。
B子さんの家から車で10分のところに1人で住んでいます。3年前にお父さんを亡くしてからはますます元気になり、趣味のコーラスとボランティアで大忙し。
ところが、ある日、お母さんから「通帳がなくなった。銀行に行くのについて来てほしい」との電話。慌ててお母さんを連れて、銀行へ通帳の再発行に行きました。

無事に通帳は再発行できたものの、心配になったB子さん。万が一、お母さんが「認知症」になってお金の出し入れが出来なくなってしまった場合はどうしたらいいか、こっそり聞いてみました。すると銀行の担当者から「お母様に、後見人をつけてください。」と言われてしまったのです。

財産には「名義」があり、本人名義の財産は本人しか使えないのが原則です。認知症で本人の判断能力が低下し「意思確認」ができないとなると、たとえご家族がいても、前々から財産の管理や処分について頼まれていたとしても、家族が本人に代わって「判断」することはできず、銀行の預金は凍結されてしまいます。

この場合、家庭裁判所に「法定後見人選任の申立て」をして、「後見人」を選んでもらいます。裁判所に選ばれた「後見人」が、本人に代わって様々な「判断」をして、本人の財産と暮らしを、本人が他界するまで守ってくれるのです。

後見人について詳しくはこちら。

ただし、B子さんのお母さんのように、判断能力が十分な方が「後見人」の制度を利用することはできません。本人の判断能力が低下しているか否かは、主治医の診断や精神鑑定を経て決まります。銀行の担当者や子どもたちが勝手に決めつけることはできないのです。

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