山口先生コラム「やさしい家族信託」第9回:40年ぶりの相続法改正。「家族信託」は、もういらない?!

認知症ねっと / 2019年7月22日 10時0分

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司法書士事務所ともえみ 代表司法書士 山口先生コラム「やさしい家族信託」

厚生労働省によれば、2025年には認知症患者が700万⼈になると⾔われています。認知症になると資産は凍結され、⾃分や家族のために財産を動かすことができなくなります。

本コラムでは、「職業後見人」として高齢者の方の財産を管理し、また、自身の両親の「家族信託受託者」としても活動する高齢者支援専門の司法書士である山口良里子先生が、認知症から⼤切な資産を守るために注⽬される「家族信託」についてわかりやすく解説します。


民法には、どなたかが亡くなった場合に、その方が残した「遺産」が、誰に、どのように引き継がれるのかといった、基本的ルールが定められています。

これを、いわゆる「相続法」と呼んでいます。

この、私たちの暮らしと大きくかかわる「相続法」が2018年7月に40年ぶりに改正されました。

2019年1月から段階的に施行され、残された相続人がトラブルに巻き込まれないようになったとメディアでも取り上げられています。

40年ぶりの非常に多岐にわたる相続法改正。これさえあれば、「家族信託」は、もういらないのでしょうか?

前回、相続法が改正された1980年から40年で日本の社会構造は大きく変化しました。

日本人の平均寿命は、男性80.98年、女性87.14年。また65歳以上人口も全人口の27.7%と4人に1人が高齢者という割合になっています。

夫が他界した時に、残された妻が80代という「老老相続」が増加。残された高齢の妻の生活を守る必要が高まっています。

また、4人に1人が高齢者という社会において、誰が介護の負担を担うのかという問題や、ライフスタイルや家族の形の変化、そこからくる相続トラブルなどの問題に対応するため、40年ぶりに相続法が改正されたのです。

今回の改正は非常に多岐にわたりますが、大まかなものは下記のとおりです。

  改正点 詳細 施行日 老々相続による残された配偶者の保護 配偶者居住権の創設 夫亡き後自宅で最後まで暮らしたい残された高齢の妻の不安を解消 2020年4月1日施行 婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置 配偶者は、生前に贈与を受けた分を遺産分割で持ち戻さなくてよくなった 2019年7月1日施行 相続トラブルの回避 貯金の払い戻し制度の創設 父亡き後、他の相続人の印鑑をもらえなくても、当座のお金を引き出せる 2019年7月1日施行 特別寄与の制度の創設 頑張ったお嫁さんにも取り分が!介護を頑張った人が報われる社会に 2019年7月1日施行 遺留分制度の見直し 遺留分については金銭で精算。支払いの猶予も求められる 2019年7月1日施行 遺言の利用促 自筆証書遺言の方式緩和 財産目録がパソコンでOK書きやすくなりました 2019年1月13日施行 遺言の保管制度の創設 自筆遺言書を見つけやすく!書いてもらったはずの遺言を迷子にしない 2020年7月10日施行

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