周庭氏逮捕でわかった国家安全維持法の本当の意味
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年8月12日 11時35分
10日、香港警察に連行される周庭氏(ロイター=共同)
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月12日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。香港警察が周庭さんを保釈したニュースを受け、中国による国家安全維持法について解説した。
香港警察が民主活動家・周庭さんを保釈
香港警察は8月11日深夜、香港国家安全維持法違反の容疑で逮捕していた民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)さんを保釈した。また、同じく10日に逮捕された香港紙アップル・デイリーの創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏も保釈されている。
飯田)昨日(11日)深夜にニュースが入って来ました。
高橋)そもそも逮捕というのが衝撃的ですよね。画像を見たのですが、後ろ手にされていたでしょう。彼女は日本語もできるし、日本のメディアでも取り上げる人が多くいました。今回のことで、国家安全維持法の意味がよくわかったと思います。逮捕容疑がはっきりしていないというのは、普通あり得ません。周庭さんは、7月以降は政治活動を自粛して、いろいろな団体を解散し、ツイッターもしていませんでした。
飯田)更新していないですよね。
国家安全維持法は域外適用であるということ~さらに遡及適用による今回の逮捕
高橋)それなのに、なぜ逮捕されたのか。こうなると遡及適用というか、事後法的なものがあるのだと思ってしまいます。国家安全維持法自体が域外適用と言って、とんでもない法律です。民主化への弾圧もそうですが、域外適用ということがいちばん酷いです。国によって制度が違うので、民主化を弾圧することも国によってはありますが、その法制を海外で運用するということですから、日本でこういう発言をしている私も、確実に国家安全法の違反になります。しかも、それについて菅官房長官が批判すると、中国は「内政干渉だ」と言うでしょう。内政干渉と言うけれど、中国は域外適用で日本の主権を無視しているではないですか。
飯田)「干渉しているのはどっちだ」という話ですよね。
高橋)要するに内政干渉してはいけないから、域外適用は世界にはありません。内政干渉してはいけないから、各国の主権を認めると。つまり、域外適用はあり得ないのです。属地主義と言って、香港であれば外国人であっても、そこで法律違反をしてはいけないというのは当たり前です。内政干渉を防止するために、論理的に出て来る話です。それなのに、国家安全維持法は域外適用しているから、内政干渉どころか日本の主権を全部無視しているというレベルです。域外適用しているような法律には、遡及適用があっても不思議ではありません。法令理論から言うと、属地主義で遡及適用というものもあります。域外適用している法律には、遡及適用があるのは当たり前というレベルです。
飯田)タガがすでに外れているのだから、どこまでも外れている。
域外適用と遡及適用を認めるということは「日本の国は過去からなかった」という理論に
高橋)域外適用と遡及適用を認めるということは、日本の主権はなく、過去からもなかったという意味です。「日本の国は過去からなかった」ということが論理的に出て来る話です。
飯田)そんな無茶苦茶が許されるのかという話ですよね。
高橋)許されるはずがありません。官房長官も内政干渉と言われたら、「あなたの国は域外適用で、日本国の主権を無視しているではないか」と言った方がいいですよ。
飯田)他にもいろいろと、尖閣や沖ノ鳥島の問題がありますが、あの法律1つを取ってもそういうことです。
高橋)域外適用と遡及適用を認めたら、尖閣も沖ノ鳥島も、昔から中国のものというロジックです。
飯田)それを日本のものだと言うと、それは国家分裂にあたるということになる。言葉を失いますよね。
高橋)日本国の存在自体をなかったものにするというレベルです。日本のみならず世界、宇宙も。
飯田)宇宙もすべて元来、中国のものであったと。
高橋)ロジックで言えば、そういうことになります。域外適用をしただけで、現時点ではそう言っているということです。さらに遡及適用すると、過去からということになります。少し考えただけでも恐ろしいです。香港にいる日本人は、はやく帰って来た方がいいですよ。
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