『トイレの神様』大ヒットの立役者・横浜銀蝿Johnny “あり得ないようなこと”が次々に起こった舞台裏を語る
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2020年12月28日 21時50分
1980年代に“ツッパリブーム”を巻き起こしたロックンロールバンド・横浜銀蝿のJohnny(Gt)が、12月27日(日)に放送された、女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)にゲスト出演。横浜銀蝿解散後、レコード会社の社員として楽曲『トイレの神様』を大ヒットに導いたと言われるJohnnyが、その舞台裏を語った。
横浜銀蠅は、楽曲『ツッパリHigh School Rock’n Roll』などで一世を風靡したが、3年3か月の活動を経て1983年に解散。その後に何度かメンバーを入れ替えて再結成されたが、Johnnyはキングレコードに入社して音楽制作に携わり、レコーディングディレクターとして中山美穂、的場浩司、高橋良明を担当。キングレコードで制作宣伝部長、執行役員として従事し、現在は関連会社のベルウッドレコードの代表取締役社長を務めているが、2010年にリリースされた植村花菜の楽曲『トイレの神様』では、Johnnyが大ヒットのきっかけを作ったといわれている。
■『トイレの神様』は「最後」を覚悟した曲だった
Johnny:植村はデビュー時からずっとキングレコードでやっていて、うちの会社は結構アーティストに優しい会社で、2年で切るようなことはないんですが、それにしても5~6年活動してもなかなか……。すごく才能があって巷でも評価されていたんですが、結果が出なく、「最後のアルバムだ」ということで、事務所の社長とも話をして、最後の1枚、頑張ります! という時にできた曲なんです。
■元は、作曲家・筒美京平さんがリード曲を書いていた
Johnny:彼女は本当に持っている、と思った逸話があって。『トイレの神様』という曲が1か月後にできていたら、もう、うちからリリースはできなかったんです。CDの発売のタイミング、締め切りのタイミングがありますから。あの曲がちょっと後に生まれてもヒットしなかった。
「最後のアルバムだ!」ということで、うちも頑張ろうということで、(今年)お亡くなりになった筒美京平さんに「最後の曲なのでお願いします」ということで、京平さんにリード曲を書いてもらったんです。植村はずっとオリジナルで曲を書いているんですけど。そして京平さんの曲がリード曲で進んでいたんですが、彼(筒美)の方から「やっぱり植村のイメージと違うので、返してください」って言ったので、『トイレの神様』がリード曲になったんです。これもまた、彼女は持っているなぁと。
■ラジオで1回流れただけで問い合わせが殺到
Johnny:さらに、ラジオでオンエアするために「ラジオエディションを作りたい」みたいな話もありました。(※曲の長さは約10分もある。)でも、この曲は通して聞いて初めて評価される曲なので、仮に1回しかかからないとしても、3分にまとめて結果が出なかったら悔いが残るから、みんなで頑張ろうよ、かかるように頑張ろうよ、と言ってFMラジオで1回流してもらったんです。そうしたら問い合わせがガーン! と来て、本当に、ラジオ1回で火がついた曲なんです。だから俺が、というのではなく、植村花菜が持っていたんですよね。そういう、あり得ないようなことが全部積み重なってできた奇跡です。
植村は5年以上ヒットに恵まれなかったが、“最後に”という思いで作った『トイレの神様』で次々と奇跡が起きたと、Johnnyが当時を振り返った。
また、パーソナリティの戸田が、「音楽を制作するうえで大切にしていることは?」と聞くと、Johnnyは「どんな有名なプロデューサーと仕事をしても、自分が思ったことはちゃんと言う。こっちの方がいいと思います、こういう風にしたいですとか、何をやりたいかをちゃんと伝える」と回答。音楽に正解・不正解はなく、「好きか嫌いかだから」と説明し、制作側は自分が何をやりたいかをはっきりと伝えるべきだと語った。
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