ふかわりょう~順風満帆でなかったからこそ見られる“いまの風景”
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年1月28日 8時10分
黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)にお笑い芸人・DJのふかわりょうが出演。最新刊のエッセイ集『世の中と足並みがそろわない』について語った。
黒木)今週のゲストはお笑い芸人、DJなど、多方面で活躍なさっているふかわりょうさんです。『世の中と足並みがそろわない』という本の最後に「このわがままに育った悲しい男に隙を見出してもらったら幸いです」、「どうぞ、私が溺れてしまう前に私の隙を見つけて」と書いてあるのですが、隙があるのですか?
ふかわ)人によっては、「いや、あなた隙だらけだよ」とも思われているとは思うのですが、隙がもしあるとしても、「隙を見せたくない」と思っていました。2020年の2~4月の3ヵ月、このエッセイを書くことになったのですが、1つだけテーマがあって、それは「いままでさらけ出せなかったものを出す」ということでした。いままで、隙を見せずに、もし隙があったとしても、「それは私の隙ではない」という、意固地なところがありました。
黒木)そうなのですか。
ふかわ)「何も失うものもないから全部出してしまおう」という、そういう魂の開放というか、「嘘偽りなく出す」というテーマで綴ったものです。それを隙と感じてもらったら、それはそれで嬉しいなという心境になれたのです。
黒木)事務所に入られて、「お給料を上げないでください」とおっしゃったそうですね。「珍しい人だな」と思われたと。その後、「少し高額なところに越すと頑張るから」という先輩の教えで高額なマンションへ引っ越したのですね。
ふかわ)昨今の第7世代の人はわかりませんが、私が若いころはそれがみんなの共通認識でした。デビューはしたものの、そのあと順風満帆ではなかったし、心ない言葉も浴びましたが、いまとなっては、どれも自分に必要なことだったと思います。厳しい冬の寒さで糖度を増す作物のようなことでしょうか。20歳でデビューしてチヤホヤされたまま今日まで来ていたら、たぶん違う景色になっていただろうし、ここにも来られなかっただろうし、この本もできなかったと思います。
黒木)例えば、「〇〇さんはきょう出社されていますか」と聞かれて、「はい、います」と答えるけれど、「それは変だ」とありますが、私も変だなとは思っていたのですよ。でも、変だなと思っていても、日々のなかで流れて行くので、いちいち心に留めておかないではないですか。
ふかわ)まあそうですよね。でも私の場合は引っかかってしまうのです。喫茶店にいても……。
黒木)オムライスについて書かれていますね。
ふかわ)そうなんです。ずっと湯気が立っていて、「これはどこに出すのだろうな」と思っていたのですが、もう見かねて、店員さんに「これは何ですか」と言ったら、何ごともなく、「これ、オムライスです」と。「いやいやいやいや、そうではないでしょ」というのがあるではないですか。
黒木)湯気が立っているうちにお客様のところに運べばね。美味しく食べられるのに、「これは何ですか」と言ってしまったのですよね(笑)。
ふかわ)そうなんです。これはオムライスだということはわかった上で、「これをどうしようというビジョンがあるのですか?」ということなのですが。
黒木)ないんですよ。「これは何ですか」「オムライスです」(笑)。
ふかわ)ただ、私はそこで怒りで終わるのではなくて、そこでモヤモヤっとしたものを体内に蓄電し、やがてはそれでスマホの充電ができればな、という未来への展望なのです。
ふかわりょう/お笑い芸人・DJ
■1974年8月19日生まれ。神奈川県横浜市出身。
■慶応義塾大学在学中の1994年にお笑い芸人としてデビュー。長髪に白いヘアターバンを装着し「小心者克服講座」のネタでブレイク。
■現在は「5時に夢中!」のMCや「ひるおび!」のコメンテーターなどを務める。
■またROCKETMAN、ryo fukawa名義で音楽活動も継続。全国各地のクラブでDJをする傍ら、楽曲提供やアルバムをリリースするなど、多彩な活動を展開。
■2020年11月に最新エッセイ集『世の中と足並みがそろわない』(新潮社)を発売。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日本語は大好きですし、誇らしい。でも…ふかわりょうが「英語に嫉妬」するワケ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月24日 15時0分
-
ホリケン 「凄すぎて足が震えた」後輩芸人を告白 「悔しさもあった」
スポニチアネックス / 2024年11月20日 17時48分
-
ふかわりょう 50歳でR-1初出場の理由「早めにお笑いライブを離れた後ろめたさがあった」
スポニチアネックス / 2024年11月20日 12時1分
-
ふかわりょうさん「スマホを置いて散歩しよう」 一人は孤独じゃないし、孤独は不幸でもない
東洋経済オンライン / 2024年11月11日 7時40分
-
ふかわりょう 50歳でR―1挑戦の理由は「後ろめたさの種がぶわーっと開花した」
東スポWEB / 2024年11月2日 16時1分
ランキング
-
1「無理に色気出さなくても」Adoが歌う『キャッツ・アイ』、“杏里世代”と大きく割れた評価
週刊女性PRIME / 2024年11月29日 11時30分
-
2脳梗塞から復帰「なすなかにし」那須晃行 後遺症の影響を明かす…「徹子の部屋」リポートでまさかの展開
スポーツ報知 / 2024年11月29日 14時30分
-
3石井竜也 元米米CLUB・ジュリアーノ勝又さんの死去伝える ALSで闘病1年…5月から介護施設に
スポニチアネックス / 2024年11月29日 8時30分
-
4《結婚は今世で12回目》竹内まりや・山下達郎夫妻の"魂レベル"の結びつきをさらに強くする「プラセボ効果」について心理士が解説
NEWSポストセブン / 2024年11月29日 7時15分
-
5中島みゆきが独占告白「本当に星になっちゃった。でも星は消えないですから」言葉の師と尊敬する谷川俊太郎さんとの別れ、多大な影響を受け大学の卒論テーマにも選択
NEWSポストセブン / 2024年11月29日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください