“調整役”として日本は動けるのか~ミャンマー情勢
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年2月15日 17時30分
ミャンマーの与党、国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー国家顧問(ミャンマー・ネピドー)
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月15日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。国軍がクーデターを起こしたミャンマー情勢について解説した。
アウン・サン・スー・チー氏、2月15日拘束期限~軍の行動が焦点
2月1日に国軍が起こしたミャンマーのクーデターで、軟禁されているアウン・サン・スー・チー氏の拘束期限が15日までとなっている。国民からの解放を求める声が高まるなか、軍の行動が焦点となる。
ミャンマーを中国側に追いやるようなアメリカの制裁
飯田)ミャンマー情勢、1日にクーデターが起きて以来、事態は動いています。
須田)アメリカの動きがいちばん注目されるのですが、いち早く制裁を決めて、かなりプレッシャーをかけています。これは民主党政権の色合いが濃く出たなと思います。人権重視だからそうせざるを得ない。その結果どういう状況を巻き起こすか。いまミャンマー、東南アジアをめぐっては、中国と西側がせめぎ合いをやっているところです。そのなかでミャンマーは必ずしも中国寄りではなかった。それを中国側に追いやっていいのかどうか。その全体を考えた上でアメリカは動くべきだと思うのですが、アメリカの前のめりな姿勢に対して、日本がどのようにものを言うことができるのか、押し留めることができるのかというのも、今後の注目だと思います。
飯田)いままでの流れを見ると、中国の影響下から脱しようとしたのは軍部です。プライドも高いということもあって、「いいなりにならないぞ」ということもありました。一方でスー・チー政権は中国に融和的だったということも言われています。
須田)ただ中国は両面を睨んでいますから、軍にも相当な影響力を持っていたことは間違いありません。その軍がアメリカからプレッシャーを受け、西側がそれに同調することによって、ぐっと中国寄りになってミャンマーが中国陣営に、という、そういうリスクも考える必要があると思います。
調整役としての日本の役割は大きいのだが~内政にかかりきりの菅政権
飯田)そうすると、日本としては表で批判はしても、水面下で何をするかという、そういうところも重要になって来るわけですか?
須田)日本の場合は、軍政にも一定のパイプがありましたからね。日本の役割は大きくなって来るのだろうと思います。調整役というところが期待されているのですが、いまの菅政権は内政にかかりきりですから、そういう余裕があるのかないのか。本来、こういうところで動かなくてはならないのだけれども、動けないという状況になっていて、中国にとっては非常に有利な状況になって来ています。
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