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日本の農業におけるSDGsとスマート農業の現状

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年3月2日 17時35分

写真

操縦レバーから手を放し、コンバインの自動運転を体験する村井嘉浩知事 =東松島市

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月2日放送)にジャーナリストの有本香が出演。ニッポン放送がフジテレビ、BSフジと共に国際社会共通の目標である続可能な開発目標(SDGs)について考えるプロジェクト「楽しくアクション!SDGs」。今回は日本の農業におけるSDGsへの取り組みについて、新行市佳アナウンサーのレポートを交えて解説した。

操縦レバーから手を放し、コンバインの自動運転を体験する村井嘉浩知事=2019年10月3日東松島市 写真提供:産経新聞社

農業におけるSDGsへの取り組み

ニッポン放送は2021年1月、フジテレビ、BSフジと共に国際社会共通の目標である続可能な開発目標(SDGs)について考えるプロジェクト「楽しくアクション!SDGs」を発足した。今回は、日本の農業における取り組みについて、農林水産省大臣官房政策課技術政策室長の松本賢英に訊く。

2020年12月21日、挨拶する菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202012/21sdgs_award.html)

高温でも粒が白くなりにくい米、着色が悪くなりにくいリンゴの品種開発

新行)農林水産省もSDGsに取り組んでいらっしゃるかと思うのですが、どういうところで取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

松本)近年、局地的な大雨や大雪による被害、加工による農作物の品質低下など、気象変動による被害の頻度が高くなって来ております。世界の温室ガスの排出量を見ますと、世界では農業、林業に由来する排出が全体の4分の1を占める一方で、国内では農林水産業に由来する排出量の割合は4%と小さいのが現状です。このような課題に対する取り組みですけれども、適応策としましては、例えば高温でも米の粒が白くなりにくいような品種の開発であるとか、高温でも着色が悪くなりにくいリンゴの品種開発などが行われております。また、杉の場合ですと、成長速度が従来品種の3倍程度あるような品種の開発、「エリートツリー」と呼ばれていますけれども、そういったものであるとか、あとは海藻類が生い茂るような干潟を再生して行く、ブルーカーボンというようなものなのですが、こういったことなど、CO2の吸収対策の取り組みも併せて進めております。

新行)なるほど。

松本)持続可能な食糧生産システムという観点からは、例えばスマート農業技術を使って農薬の散布量を大幅に減らすという取り組みも、実際の農業現場で行われるようになって来ています。

2020年12月21日、記念撮影~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202012/21sdgs_award.html)

スマート農業の現状

新行)スマート農業という言葉が出ましたが、実際にスマート農業を実践している農家の皆さんからはどういう反響がありますか?

松本)自動化による省力効果というのは明らかになりました。例えばドローンを使った農薬散布ですと、従来よりも8割の省力効果が得られていますし、水田の水管理をスマートフォンで自動で行える水管理システムについては、9割くらいの省力効果が得られています。ただ、課題もいろいろと見えて来ていまして、価格面では開発されたばかりのものが多いため、高額ということで、例えば高額なロボットトラクターなどについては、今後は共同で利用するとか、シェアリングをするようなサービスなど、仕組みを整備して行くことが課題だと考えています。スマート農業を進めることで、かっこよくて稼げる農業を実現したいと思っています。これからもさまざまな技術開発を行って、辛い作業や危ない作業を減らし、データやAIを活用した新しい農業の形を追求して行きたいと思っています。ぜひ、皆さんにも大いに関心を持ってスマート農業を見ていただければ幸いです。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

全国148ヵ所で行われているスマート農業の実証プロジェクト

飯田)スマート農業について、番組ではJA千葉の方々に協力していただきました。いまは「JAかとり」の神崎というところでCozy米というお米をつくっていただいて、皆さんにもお裾分けをしています。コロナ前ですけれども、田植えや稲刈りでお邪魔したときも、「向こうの畑では、いま東大と組んでスマート農業の実証をやっているんだよ」と言われました。

新行)スマート農業の実証プロジェクトというのは現状、全国148ヵ所で行われているのだそうです。

飯田)GPSを使って無人でコンバインを動かしたり、無人で田植えをしたり、それだけでもだいぶ省力化になります。

新行)お話を聞いていると、人手不足や身体に負荷がかかる仕事もたくさんあります。もちろん、スマート農業を導入すれば、それですべてが解決するということではないのですが、取り組んで行くことで、持続可能な農業につながって行くという話なのかなということは、お話を伺って感じました。

飯田)松本室長もスマート農業の農機具は高いので共同利用するということでしたが、いろいろな工夫が必要ですね。

有本)これは制度面でも、共同化やシェアが簡単にできるようにしなければいけないというところはあるでしょうね。農業に関しては、昔から一家が1つの単位としていろいろなことが行われて来たではないですか。会社や企業が参入することにもいろいろなハードルがありましたので、その辺りをもう少し効率的に考えて行く必要が日本に関してはあるでしょうね。

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