元ラグビー日本代表キャプテン・実業家 廣瀬俊朗~「挑戦と還元」ということ
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年3月5日 8時10分

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に元ラグビー日本代表キャプテンで実業家の廣瀬俊朗が出演。新たなプロジェクト「TEAM FAIR PLAY」について語った。

廣瀬俊朗
黒木)今週のゲストは元ラグビー日本代表キャプテンで実業家の廣瀬俊朗さんです。現在アスリートを支える事業以外にも、実業家として手掛けていることはあるのですか?
廣瀬)2021年は新しいことをやって行こうと思っているのですけれど、その1つは「TEAM FAIR PLAY(チームフェアプレー)」という、最近名付けたのですけれども。
黒木)「TEAM FAIR PLAY」。
廣瀬)「フェアプレー」というと、スポーツの現場で言われる言葉で、相手のことを敬うとかレフリーのことを考えるとか、お客さんの前で試合をするわけだからダーティーなプレーをせず、ルールに基づいて正当にやりましょうというところなのですけれども、それを一般のビジネスや地域の課題などにも応用できないかということです。
黒木)なるほど。
廣瀬)商品をつくるにしても、「廃棄されることを想定してつくっていますか?」というような、「商品に対してのフェアプレーはできていますか?」ということは必要です。そういうプロダクトが増えたらいいなという思いで、「TEAM FAIR PLAY」というプロジェクトをスタートさせようとしています。
黒木)いろいろなプロジェクトを立ち上げていらっしゃいますね。
廣瀬)いま、当たり前のように生きている自分にありがたいなと思いながら、次世代に対しては、地球環境も含めて苦しくなって行くというのが現状だと思います。そこに対してアスリートが「そんなことでいいの?」ということを発信する。「ダメだからやる」ということではなく、「チームフェアプレーを楽しもう!」と、前向きに取り組めるようなことをできるといいのではないかと思っています。
黒木)まだ、いろいろなプロジェクトを立ち上げられそうな予感がします。
廣瀬)2020年には「One Rugby」というNPO法人を立ち上げました。皆さんがご存知なのは15人制でやるラグビーで、女子ももちろんあります。オリンピックではセブンズ、パラリンピックでは車椅子ラグビーがあります。あとはデフとかブラインドラグビー、タッチラグビーなど、たくさんのラグビーがあるのですが、皆さんバラバラに活動しているのです。そんなバラバラな活動をしている人たちが1つになって、みんなでラグビーを盛り上げた方が、いろいろな人に届くのではないかと思うので、そういうこともやっています。
黒木)素晴らしいですね。
廣瀬)試合会場に行くと、ラグビーの試合も楽しめるけれど、横には車椅子があって、車椅子ラグビーも楽しめる。その横ではブラインドラグビーがあって、ボールのなかに鈴が入っている。そんな光景があればいいなと思っています。
黒木)廣瀬さんのモチベーション、原動力は何でしょうか?
廣瀬)「こんな世界をつくりたい!」というのが1つと、誰もやっていないことは、大変だけれど面白いと思うのです。そこがモチベーションでしょうか。「知らないことを知る」ということが好きなのだろうなと思っていて、そこに快感を覚える自分がいるので頑張れるのではないかと思います。「挑戦と還元」はどちらも大切だと思います。自分が挑戦することは大切ですが、たくさんの人からいただいたものを、次世代の若い人たちに還元することも大切です。「スポーツを止めるな」という活動をしていますが、コロナ禍でいま高校生たちが試合をする機会が失われてしまっています。例えばラグビーで大学に行きたいという子のアピールをする場がなくなっているのですよね。大学側も選手を見つけたいけれど、試合がないから、見つけられないのです。そんな子を助けられるようなプラットフォームをいまつくっています。試合がないまま引退してしまった子どもたちもたくさんいますが、そういう子どもたちに、彼らの思い出の試合に私たちが実況解説を付けているのです。「つらいまま終わってしまったな」と思ったけれど、まさかトップ選手が解説を付けてくれるとは思わなかった。「ラグビーをやっていてよかった」と少しでも思ってもらえたら嬉しいなと。そのようなことをいま「スポーツを止めるな」という団体でやっています。
黒木)それはまた興味深いお話ですね。
廣瀬)そこの3つ目の柱として、教育的なところなのですけれど、学校教育で、例えば「どうやって生きて行ったらいいのか」とか、「リーダーシップをどう発揮したらいいのか」とか、「お金のリテラシー」というような、学校教育の狭間にある問題がありますが、「それをアスリートがやったらどうなのだろう」と思うのです。我々なりの言葉で伝えられることがあるのではないかと、そのようなこともいま考えています。「マッチング」というところと「思い出」というところ、そして「教育」ですね。この3つをこれから「スポーツを止めるな」ではやって行きたいと思っています。

廣瀬俊朗
廣瀬俊朗(ひろせ・としあき)/実業家・元ラグビー日本代表キャプテン
■1981年生まれ。大阪府出身。
■5歳からラグビーをはじめ、高校・大学、高校日本代表・U19日本代表で活躍。
■2004年に「東芝ブレイブルーパス」に入団。トップリーグでも活躍。
■2007年に日本代表初選出。
■2012年に5年ぶりに日本代表に選出されるとキャプテンとしてチームをけん引。
■ラグビーW杯2015でも日本代表に選出。ベンチ入りは果たせなかったが、チームの活躍に貢献。現代のラグビー人気の礎を築いた。
■2016年に現役を引退。MBA(経営学修士)取得のため大学院へ。2019年に修了。大学院に通いながら東芝のバックスコーチも務めた。
■2019年放送のドラマ「ノーサイド・ゲーム」に出演。好演で人気を博す。2020年9月から日本テレビ「news zero」の木曜パートナーに就任。
■2019年9月、株式会社ビジネス・ブレークスルー アスリートアンバサダーに就任。
■2020年7月、一般社団法人「APOLLO PROJECT」を設立。
■2021年1月からはアスリートのセカンドキャリアを支援する教育プログラム事業「A-MAP」を開始。アスリートが持つ価値を最大限に高め、その価値を社会へと還元する取り組みを始めている。
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