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EUから日本に新型コロナワクチンが来ない2つの理由

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年4月7日 17時40分

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米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスワクチン(アメリカ)

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月7日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。ワクチンの普及を含め、今後の新型コロナウイルス対策について解説した。

米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスワクチン(アメリカ)=2020年12月30日 AFP=時事 写真提供:時事通信社

新型コロナウイルス~初めての緊急事態宣言発令から1年

政府が新型コロナの緊急事態宣言を初発令して、4月7日で1年を迎えた。菅総理は第4波を警戒し、コロナ対策の切り札と位置付けるワクチンの普及に全力を挙げている。

飯田)1年経つのですね。

FRANCE – HEALTH – VACCINE ILLUSTRATION PFIZER LABORATORIES=2020年11月18日 Hans Lucas via AFP Photograph by Magali Cohen / Hans Lucas. 写真提供:時事通信社

ワクチン接種が進んでいる国では感染者数も死者数も減少

佐々木)去年(2020年)は「来年の夏になったら終わっているかな」などと言っていましたが、未だに終わりそうもありません。ただ、イスラエルは国民の過半数がワクチンを接種していて、イギリスも相当進んでいます。その結果、死者数も感染者数も激減しています。だから、ワクチンを打てば、たぶん大丈夫なのだろうということです。

飯田)イスラエルは早くからワクチン接種が進んでいました。

佐々木)日本では、ようやく医療従事者の接種が3月から始まって、高齢者がそろそろ始まる。一般接種はもう少し先なのかなというところです。全員に行き渡るのはおそらく今年(2021年)の終わりくらいでしょう。冬の感染がどのくらい防げるかという感じです。

飯田)そうですね。

佐々木)いま、議論になっているのは、「なぜ日本はこんなにワクチン接種が遅いのか」ということで、また政府を責めるようなことが起きています。河野太郎さんが先日、「メディカルノート」という医療系メディアのインタビューに答えていました。それを読むと、ロジスティクス担当という、国内のワクチン流通の担当大臣にも命じられて、冷凍庫を用意したり、最初は船便でヨーロッパから来ると言っていたものを航空便に変えたり、いろいろなことをしているわけですが、国内のロジスティクスに関してはかなりうまく構築しつつあるのかなと思いました。日本は流通が強いですから、こんなにきめ細かくものが運ばれている国は他にないくらいです。

COVID-19 Vaccine Symbolic Creative Photo=2020年11月18日 NurPhoto via AFP 写真提供:時事通信

日本にワクチンが来ない2つの理由

佐々木)結局、国外からワクチンが来ないのです。ファイザーやモデルナ、アストラゼネカとは数量に関しての契約はしているのです。ところが、生産が追いつかないということと、EUから来るはずのものが、EUが域外への規制をかけているのです。なぜかと言うと、EU域内で接種が進んでいないのに、それを輸出してはいけないという……。

飯田)ワクチンナショナリズム的な発想がある。

佐々木)あともう1つは、これも納得できると思うのだけれど、世界的に不平等が生じる可能性があるということです。新興国には回らないというようなことがあるのであれば、平均的にばら撒くようにした方がいいのではないかという思惑も理念としてあります。そうすると、日本もそうですが、創薬国という、自分で薬がつくれる国は自分たちで何とかするべきで、輸出に頼るのはよくないのではないかということも言われているようです。

【新型コロナウイルスワクチン接種会場運営訓練】実際の接種時に使用される保管用冷凍庫 撮影日:2021年1月27日 写真提供:産経新聞社

東京新聞『<新型コロナ>国産ワクチン、3年前に治験直前で頓挫』

佐々木)そうすると、日本はなぜ国内で創薬できなかったのかという話になります。しかし、去年から開発を始めて、すぐに開発ができるものではありません。長年かけてやらなければいけなかったのだけれど、4月5日に掲載された東京新聞の記事によると、

『<新型コロナ>国産ワクチン、3年前に治験直前で頓挫

実は国内でもRNAワクチンの開発が治験直前まで進んでいたが、2018年に国の予算打ち切りで頓挫した。』

~『東京新聞 TOKYO Web』2021年4月5日配信記事 より

佐々木)……ということです。そこでも選択と集中の問題があり、こういう状況を生んでしまっているのです。

飯田)予算が打ち切られた。

Photo illustrations in Ukraine; Moderna says its vaccine is 94.5% effective in preventing COVID-19-16 Nov 2020=Sipa USA/時事通信フォト

来年にはワクチン接種も順調に~今年後半をどうやり過ごすか

佐々木)とは言っても、アストラゼネカのワクチンに関しては日本国内での生産が近く始まるとのことです。国内の製薬メーカーも新型コロナワクチンの開発が治験段階まで進んでいるので、おそらく来年には、大量生産が始まるでしょう。そうすると、今年後半、4月から年末までをどうやり過ごすのかということです。

飯田)去年のいまごろと比べると、希望は見えて来た感じはします。

佐々木)そうですね。一時は反ワクチンの人がたくさんいるので、日本人はワクチン接種を求める人が少ないのではないかという議論もありました。1月の朝日新聞の世論調査を見ると、

『五輪「再延期を」51% ワクチン接種「様子見」は7割』

~『朝日新聞デジタル』2021年1月25日配信記事 より

佐々木)……ということでしたが、いまはすごく減っています。反ワクチンと言っている余裕がなくなって来て、「新型コロナにかかるのが怖いから、早くワクチンを打ちたい」と。先日の高齢者の接種申し込みは予約が殺到して大変だったようです。

飯田)八王子では1時間半くらいで申し込みの受付が終わってしまったということでした。

新型コロナウイルスの2回目のワクチン接種のため、用意された注射器=2021年3月11日午後0時52分、東京都目黒区の国立病院機構東京医療センター(代表撮影) 写真提供:産経新聞社

今年後半の世界経済は上向きに~日本だけが取り残されないように

飯田)国際通貨基金(IMF)などの経済見通しなども出ていますが、ワクチンの普及と歩調を合わせるようにして、経済も上向きになって行くだろうということが言われています。

佐々木)アメリカは相当やる気みたいですね。政権が変わったこともあって、コロナ後に経済が上向きになるのではないかという期待感が高まっています。世界経済的には、今年の後半は相当上向きになるのではないでしょうか。これでまたリーマンショックのときのように、日本だけ取り残されなければいいのですが。

飯田)そこですよね。

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