松井五郎が“言葉を追求して”つくった砂時計「砂と形」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年4月22日 8時10分
黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に作詞家の松井五郎が出演。40周年を記念して行われる初の個展について語った。
黒木)今週のゲストは作詞家の松井五郎さんです。作詞、朗読と、さまざまな形で言葉を追求されている松井さんですけれども、40周年を記念した初の個展を行われるそうです。この個展、言葉を追求した個展ですか?
松井)言葉を追求したというと何のことやらわからないと思うのですが、そもそも自分の頭のなかにあるものは歌や音楽になり、あるものは詩になり、それを朗読するということをして来ました。そういうものを形にしたらどうなるのかなと思い、何年か前から砂時計をつくっています。つくっていたと言っても、もちろん私はつくれないので、「こういうものをつくって欲しい」というコンセプトを職人の方にわたしてつくっていただくのです。そうこうしているうちに、それがかなり貯まってしまって、たまたまそれを見ていただいた方が「皆さんに見ていただいた方がいいのではないか」と言うのです。それで「個展をやろう」ということになりました。
黒木)1つ砂時計を持って来ていただきました。「時間外空想01」とあります。「砂と形」と書いて「すなとけい」なのですね。この言葉を追求された「すなとけい」というのは、どういう意味合いがあるのでしょうか?
松井)作品ごとに、詩ももちろん書いてありますが、いま黒木さんに見ていただいているのが「21グラム」という作品の砂時計です。21グラムは魂の重さです。人間が死んだときに軽くなる、その重さ。その重さを時間としてはかったらどうなるかなと思ってつくったのが、その砂時計です。21グラムの砂が入っている。だから何分かはわからないのです。
黒木)なるほど、時間を計算する砂時計ではなく、魂の重さなのですか。
松井)だから、その魂の重さというのは人それぞれに、もしかしたら重い人もいれば、軽い人もいるかも知れない。結局そこを想像するというか、作品を見たときに「自分はどうなのだろう」と考えるわけではないですか。そういう時間というものを、私のなかでは作品だと思っているのです。それは言葉と言ってしまえば言葉なのですが、同じようなことを、歌でもつくったりしているし、もちろん朗読でもやっている。それをもう1つ具現化したときに、形にしたときにどういうものができるかなと思ってつくって来たのです。
黒木)それが言葉を追求した個展になるのですね。ご自分で絵を描いたり彫刻したりということではなく、魂の21グラムの砂時計であったり、根本的に、それが松井さんのなかにあり、根付いているのですね。
松井)作品は歌もそうですが、こちらが思って提供したとおりのことを、聴いてくださった方が同じように思うわけがないではないですか。それぞれの人生やいろいろなものを照らし合わせて思うわけで。それと、作品というのは、受け手と送り手の共同作業だと思うのですよね。何も入っていない砂時計というものもあって、それを見たときに、例えば黒木さんがそれを見て思うことが多分あると思うのです。思った心のなかにあるものが大事というか、本当の作品だと思うのです。形であったり言葉であったり、そういったものはもしかしたらそういうことをつなげるだけの道具のようなことであって、本当の本質みたいなものは、それを見た人や聴いた人の心のなかに生まれるもの。だから個展なのですが、本当の作品は来ていただく人それぞれのなかにある、というような、何だか理屈っぽい個展なのですよね。
(※編集部注:2021年5月1日(土)~5月16日(日)開催予定の『松井五郎 時間外空想01「砂と形(sunatokei)」展』は、現在の状況をふまえ、再延期となっている。新しい日程は改めて掲載される予定)
松井五郎(まつい・ごろう)/作詞家
■1957年、岐阜県生まれ、横浜育ち。
■1981年、CHAGE&ASKAのアルバム『熱風』で作詞家としてデビュー。
■安全地帯、工藤静香、BOOWY、氷室京介、郷ひろみ、MAX、V6など幅広いアーティストに作品を提供。現在までの総作品数は3200曲以上。
■2009年、坂本冬美の「また君に恋してる」で日本レコード大賞優秀作品賞を受賞。「勇気100%」はジャニーズで歌い継がれ、2020年にはジャニーズが歌った手洗いソング「Wash Your Hands」の作詞も話題となった。
■作詞活動の他、多数のアーティストのプロデュースを手がけるなど、さまざまなプロジェクトを展開。
■2021年からは、言葉を中心に表現の解放区をつくって行くオンラインプログラム「東京Ø区(とうきょうぜろく)」を開催。
※松井五郎さんの詩を主体に、ゲストを毎回入れ替えて展開する朗読コラボレーション。さまざまなアーティストが登場し、唯一無二の物語をオンラインで全国に配信する。
※2021年2月24日の第1回目には、声優の野島健児氏とイラストレーターのキン・シオタニ氏が出演。朗読とライブペインティングが配信された。
■2回目以降も開催予定。
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