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「入管法改正案」決裂~「強行採決シーン」を演出する野党の目論見

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年5月17日 17時40分

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東京入国管理局 建物 外観 看板=7日午後、東京都港区

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月17日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。与野党の入管法改正案をめぐる修正協議決裂について解説した。

東京入国管理局 建物 外観 看板=2018年12月7日午後、東京都港区 写真提供:産経新聞社

入管法改正案~強制力を持った退去命令を出せるようにルールを改正

政府が国会に提出した外国人の在留管理を厳格化する入管法改正案について、与野党では断続的に協議が行われて来たが折り合いはつかず、5月14日には、野党3党が衆議院に自民党の義家法務委員長の解任決議案を提出した。与党は18日の衆院本会議で解任決議案を否決し、今週中にも法務委員会で採決する方針だ。

飯田)ずっと揉め続けています。

須田)国外退去処分を受けた外国人の方が、入管施設に長期収容されていることがこれまでも問題になって来ました。これに対して、スムーズな帰国を促す、強制力を持った命令を出せるようにルールを改正しようというのが最大のポイントです。もちろんそういう状況ですから、望まない帰国という形になって、これが外国人の方々の人権を侵害するのではないかという問題になっていたわけです。しかし、それはどうなのかと。「帰国命令の処分が是なのか非なのか」というところからやらなくてはならない。けれど、一定の基準を設けて退去命令を出したのだから、スムーズな帰国を促すのは当然ではないかと私は思いますけれども。

飯田)そもそも論として、不法入国や不法残留があるから、そういう処分が出ているわけですものね。

須田)とは言っても、この部分は一部の人権団体などを含め、「外国人の人権に配慮していないのではないか」という反発がありましたから、いずれそういった部分に引きずられて解決法案になって行くのだろうと。当初、立憲民主党などは、与党の自民党や公明党との修正協議に応じるということをやって来たわけです。よりよいものをつくろうということで、これは常識的な動きだったと思いますよ。

与野党で決裂したのはスリランカ女性の映像開示のタイミングの問題

須田)しかし、なぜこれが決裂したのかというと、入管で亡くなられたスリランカの女性の方の映像を開示するかしないかという、開示のタイミングです。野党側は「速やかに出せ」と言っていて、これは無理難題ですよ。7月くらいまでに入管が調査をして、その上で合わせて映像を公開するという段取りなのですが、「7月まで待てない。いま出せ」というところで、結果的に決裂した。つまり決裂したところは法律の内容ではないのです。

飯田)結局突き詰めてみると。「対応が悪い」というような。

政治 外国人労働者・野党合同ヒアリングで技能実習生ら(左)から聞き取りを行う野党議員ら(右奥)=2018年11月8日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

ビジュアル的に「反対を押し切った与党の横暴」というシーンが欲しい野党のパフォーマンスか

須田)「決裂を前提に動いて来た」と言われてもおかしくない。おそらくこのまま行くと、委員会は強行採決という流れになるでしょう。そうなると、ビジュアル的にまた「反対を押し切った与党の横暴」のようなシーンが欲しいのかなと。つまり、秋までに行われる都議会議員選挙や衆議院選挙を強く意識した、ある種のパフォーマンスとして、「この国会でも野党は一生懸命仕事をやっている」という強行採決シーンを演出しようとしているのかなと。なぜなら法案の中身的には合意しているのですから。

飯田)まだ至ってはいないですが、しようとしていた。そうすると、修正協議に応じた側からすれば、「どうしていきなり舵を切るのか」と、豹変してしまったような形に見える。

与党は少数意見を尊重するために修正協議にも応じて来た

須田)結果的に強行採決の形になると、原案のままで修正せずに法案が成立してしまう。実の部分がそれでいいのかと。

飯田)この入管法と、14日辺りには内閣委員会の審議が止まったということがありました。内閣委員会は外国人の土地に関しての法案をこれからやろうというところで、それが吹き飛んでしまった。これから後半に向けてこういう事態が増えて行くのでしょうか?

須田)実績づくりなのかなと思いますけれども、それにしても政治上の駆け引きで時間を無駄にするようなことはいかがなものか。もちろん、国会の議論のなかで少数意見を尊重することは重要だと思います。しかし、揉めるための決裂、そのための決裂というのはどう考えてもおかしいのではないでしょうか。与党としては、少数意見を尊重するために修正協議にも応じて来たのだから。

飯田)完全につっぱねたわけではないのに、ということですね。

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