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知っているようで知らない「SDGs」~黒木瞳が聞く

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年6月7日 8時10分

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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(5月31日放送)に、一般社団法人 SDGsアントレプレナーズ 代表理事の青柳仁士が出演。SDGsが誕生した経緯、またその概要について解説した。

持続可能な開発目標(SDGs)

黒木)毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺う「あさナビ」、今週のゲストは元国連職員で一般社団法人 SDGsアントレプレナーズ 代表理事の青柳仁士さんです。

青柳)よろしくお願いします。

黒木)人類と地球の未来のためにSDGsが掲げる目標を考えて、身近なところで「我々1人ひとりが、どのように行動すればよい世界につながるか」ということをやっていらっしゃるということですが、SDGsについて、詳しく教えていただけますか?

青柳)SDGsというのは、一言で言いますと、2016年から2030年までの人類と地球の目標です。誰がそんなものをいつ決めたのかということなのですが、2015年に世界の193ヵ国の総理大臣や大統領という、いちばん上のレベルで、みんなで合意した目標になります。「Sustainable Development Goals」というのが正式名称になりまして、日本語では「持続可能な開発目標」ということになります。

黒木)「持続可能な開発目標」とおっしゃいましたが、持続不可能な場合もあるということですか?

青柳)その通りです。2009年の段階で、環境の面について言えば、プラネタリー・バウンダリー、これは地球の限界という意味なのですが、科学的なレポートがネイチャー誌に掲載されました。ここでは環境面のいくつかの項目について、気候変動も含めて、具体的には4つなのですが、「これから先、地球は持続が不可能である」ということを発表しておりました。それ以外にも社会面で、このままの社会経済的な仕組みや私たちの生活のスタイルをこれから先も続けて行くと、地球や世界が続けて行けない。

例えば、資源で言えば、1年間で、地球全体で言うと、地球1.7個分の資源をいま使っている状態なのです。気候変動についても、産業革命以降、気温が1.5度上がって来ています。地球という膨大な生命体にとって、1度~2度温度が上がるということは、局所的に見ると、ものすごく大きな変化が起こるのです。例えば日本でも浜松で昨年(2020年)、41.1度という史上最高気温を観測しましたし、アメリカのデスバレーでは50度を超えた気温が出て来ています。「環境社会、経済、あらゆる面で持続が不可能である」という認識を初めて共有して、それに対して世界が対策をしようと決めたのがSDGsだということだと言えると思います。

黒木)貧困、不平等、気候変動、資源、平和など、いろいろな17個のゴールがあります。そして、その17個のゴールと169個のターゲットということですが、2030年に向けてどんな活動をなさっていらっしゃるのですか?

青柳)まず、一義的には、これはSDGsの前の時代の2001年から2015年にも、「MDGs」と、名前が似ているのですが、目標がありまして、ここでも8つの目標が掲げていられていました。特にそのなかで最も重要と言われていた「貧困の半減」は、この15年間で実は達成しているのです。

黒木)それは企業のお手伝いも必要ではあるのですけれども、やはり、私たち1人ひとりの行動が大切になるということですか?

青柳)そうですね。私たちにとって必要なものや欲しいものが変わって行けば、それをつくる側の企業も変わって行くということになると思います。

黒木)ペットボトルを減らそうと思えば、水筒をつくる企業が出てくるという。

青柳)そういうことです。

黒木)それで、青柳さんは日々、どういった仕事をしていらっしゃるのですか。

青柳)全国平均で、一般の人の半分がSDGsを認知するようになったというところまで来ているのです。ですが、欠けているのは、企業で言えば、「自分たちのビジネスの主力商品のなかでSDGsにどう取り組めるのか」というところだと思います。国連を退職しまして、いまは一般社団法人を立ち上げて、「どうすれば、本質的なビジネスをやりながらSDGs、または社会や環境に対する価値を一緒に生み出して行けるのか」という具体的な方法を企業に教える、そういうことを仕事にしています。

青柳仁士

青柳仁士(あおやぎ・ひとし)/一般社団法人 SDGsアントレプレナーズ 代表理事

■1978年生まれ。早稲田大学政治経済学部、デューク大学国際開発政策学修士卒。
■2001年から国連開発計画(UNDP)、国際協力機構(JICA)、プライスウォーターハウス・クーパース株式会社(PwC)にて、日本・米国・アジア・中東・アフリカ諸国で社会課題解決型事業・ビジネスの実践に携わる。
■2012年に国連本部のあるニューヨークでSDGs創設の国際議論に参画。
■SDGsが始まった2016年から国連開発計画(UNDP)駐日事務所の広報官として日本の政府機関・民間企業・教育機関・メディア・市民社会などへの初期のSDGs普及の責任者を務める。初期のSDGs普及に従事。
■SDGsにビジネスで取り組むための国連初のプラットフォームを設立。2019年にSDGsアントレプレナーズを立ち上げ、社会起業家として活動。
■SDGsの理解を深め、現状よりも一歩進んだSDGsの取り組みができるように企業などを後押ししている。

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