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ウイグル問題に危機感のない日本企業は「死にます」~新疆強制労働巡る米政府の禁輸

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年7月3日 13時30分

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--FILE--A Chinese farmer harvests cotton in a field in Hami city, northwest Chinas Xinjiang Uygur Autonomous Region, 26 October 2013. The Chinese government is planning to sell part of its roughly 10 million-ton stockpile of cotton this week, an event long anticipated by traders of the fiber. But while the prospect of a sale from such a large holding would usually push down international cotton prices, concern over the quality and price of the fiber China is offering is expected to mute the effect somewhat. News of the sale came as some traders worried over a late-autumn storm that hit growing regions in the southern part of the U.S., the worlds biggest cotton exporter. The government plans to sell the cotton via auction starting on Thursday (28 November 2013) with a minimum price of 18,000 yuan a ton, equal to about $1.34 a pound, according to a notice posted on the website of the China National Cotton Information Center, a government-run cotton-industry body.

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月1日放送)に朝日新聞編集委員で元北京・ワシントン特派員の峯村健司が出演。新疆ウイグル自治区の強制労働をめぐる米政府の輸入禁止令について解説した。

綿花の収穫=中国=2013年10月26日 Imaginechina/時事通信フォト 写真提供:時事通信

新疆ウイグル自治区の強制労働をめぐる輸入禁止令

アメリカ政府は、中国の新疆ウイグル自治区で生産される綿花やトマト製品など、複数の品目について輸入禁止令を出し、その実施が加速している。

飯田)輸入禁止措置が急増していると。ユニクロが止められたことは記憶に新しいですが、拡大しているようですね。

峯村)アメリカ政府は本気ですね。議会でも「ウイグル強制労働防止法」というものをつくって、基本的に「ウイグルの強制労働に関与した、いかなる製品も輸入させない」ということが、ほぼ全会一致で可決されているので、共和党も民主党も関係なく、総意として決まっているものだということです。

今後、日本企業への影響が拡大する

飯田)新疆綿ということで、アパレルのイメージがありましたけれども、それだけではなく太陽光パネルなども入るということです。

峯村)太陽光パネルもそうですし、トマトや果物のほか、天然資源もあるのです。レアアースなどを含めた鉱物も含まれます。この辺りは日本企業も絡んでいて、サプライチェーンのなかに組み込まれているので、今後、この影響が拡大する分野だと思います。

飯田)現物そのものを中国から持って来て、アメリカの税関で引っかかるというのはわかりやすいのですが、新疆ウイグル自治区から強制労働で出て来たとされるようなレアアースを使った製品などはどうなるのですか?

峯村)すべてダメですね。アメリカの強制労働防止法では、原料に含まれていてもダメだということなので、シャツでも新疆綿という、かなり質が高いものなのですが、それを使っていたら、「はい、アウト」となりうるのです。

中国側も報復に出て来ている~危機感のない日本企業の問題

峯村)もう1つ心配なのが、中国側も報復に出て来ていまして、例えばアメリカのナイキが「新疆綿を使わない」と言ったら、今度は「では、お前らが出て行け」という形で、新疆ウイグル問題をめぐって、経済安全保障でガチンコの闘いが始まっている状況です。

飯田)そうすると、そこで日本が「両方にいい格好をしよう」というのはもはや無理ですか?

峯村)厳しいでしょうね。「どちらかに」という選択を迫られるし、少なくとも、「そういう選択を迫られる」ことに対しての準備をしなければいけない。ですが、私も朝日新聞で『経済安保 米中のはざま​で』という企画をやっていて、日本企業のトップの方に取材をしているのですが、総じて危機感は薄いと言わざるを得ません。

飯田)日本企業側に危機感がない。

峯村)実際にオーストラリアのシンクタンクに新疆ウイグル問題で名指しされた日本企業に取材をしても、「まあ、あれですよね。そう言っているだけですよね」というような、危機感のなさです。しかし、これは「あなたの会社が国際的サプライチェーンから外されて死にますよ」という話なのです。ここは本当に深刻な問題だと思います。

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