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「比較認知発達科学」専門家に聞く、“母親ひとり”での子育てが根本的に難しい理由

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年7月19日 17時0分

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ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(7月18日放送)に、「比較認知発達科学」が専門の京都大学大学院教授・明和政子が出演。チンパンジーと人間の子育ての違いについて語った。

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」

明和:チンパンジーの子育てはお母さんだけがします。6~7年に1回、子どもを産みます。6~7年経つと、子どもはお母さんの元を離れて仲間と暮らし始めます。その間に妊娠はせず、ひとりの子どもを丁寧に育てあげてから、次の子育てをします。

淵澤由樹(アシスタント):生涯にどれくらい産むのですか?

明和:死ぬまで産みます。

淵沢:えっ!

自見はなこ:おおまかに言うと、どれくらいでしょうか?

明和:チンパンジーは50年くらい生きます。10歳前後から産み始め、40年で割ると……。

淵沢:6~7匹といったところでしょうか。

自見:お母さんを中心に子育てに関わるというところは、人間と似ているような気がします。

明和:人間社会ではお母さんが子育てをすることが当たり前と思われていますが、そもそも人間は、母親だけが子育てをする対象ではありませんでした。言い換えますと、お母さんだけではなく、「仲間、集団、みんなで子育てをして進化して来た生物である」ということがわかりつつあります。

淵沢:社会で育てるということですか?

明和:人間の子どもは、自立までに長い時間がかかりますよね。20歳になっても家から出て行かない場合も多い。それなのに、いくら授乳しても排卵は起こります。次々に子どもが産めるけれど、自立までには時間がかかる。ここが矛盾するところです。母親という生物学的な性は、子どもを産むという役割を持っていても、「育てる」という点においては仲間と共同で子育てをして進化して来た、ということが考えられます。

淵沢:現代社会において、核家族で母子が1対1なのは、明和先生からすると違和感がありますか?

明和:違和感どころか、母子支援という言い方を辞めて欲しいです。無理です。生物として、母親が1人で複数の子どもを育てるという体を持って進化して来ていないため、根本的に無理な状況です。それを理解する必要があると思います。

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