51年ぶりの快挙へ ロッテ・益田直也の“家族”への思い
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年9月14日 17時20分
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、混戦のパ・リーグで首位に立った千葉ロッテマリーンズの絶対的クローザー、益田直也投手にまつわるエピソードを取り上げる。
9月8日、神戸で行われたパ・リーグ首位攻防戦、ロッテ対オリックス。ロッテの守護神・益田直也が3点リードの9回、今季51試合目のマウンドに立つと、オリックスの上位打線3人を危なげなく打ち取り、リーグトップの31セーブ目をマーク。これでプロ野球史上17人目の通算150セーブを達成しました。9月に首位に立つのは51年ぶりというロッテを見事に牽引しています。
振り返れば、通算100セーブを達成したのが昨年(2020年)8月のこと。そこからほぼ1年で50セーブも積み重ねたハイペースぶりに驚かされます。
そんな益田が、100セーブ達成の際も、そして今回も、同じように感謝の言葉を述べた相手がいます。最愛の家族です。
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『100件以上のお祝いの連絡をいただきました。もちろん、皆さんうれしかったですけど、家族からの連絡が一番うれしかったです。いつも家族にバックアップしてもらっている。自分の仕事を理解してもらっている。感謝しかないです』
~『千葉日報オンライン』2020年8月18日配信記事 より(100セーブ達成時のコメント)
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『家族にずっと支えてもらってきて。入団当初からずっと応援してくれているファンの皆さんにも本当に感謝しています』
~『日刊スポーツ』2021年9月8日配信記事 より(150セーブ達成時のコメント)
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コロナ禍で揺れた昨シーズン(2020年)、開幕前に第3子となる男の子が誕生。そんな家族の存在が日々、プレッシャーのかかる場面で投げる上での原動力になっていると言う益田。だからこそ、帽子のつばの裏側には、妻と3人の子どものイニシャルを書き込み、練習前や投球前にはそのイニシャルを見つめることがルーティンとなっているのです。まさに、守護神にとっての精神安定剤と言えます。
また、セーブ数の多さもさることながら、益田を語る上で欠かせないのは「登板数の多さ」です。毎年コンスタントに投げ続けている益田が、ルーキーイヤーから宣言し、実践し続けて来たのが「シーズン50試合以上の登板」。
その宣言通り、1年目の2012年にはプロ野球新人最多登板記録の72試合に登板(現在も歴代1位)。新人最多ホールドポイント(43HP)も挙げ、新人王に輝きました。そこから今年(2021年)で10年目、過去にシーズン50試合登板に届かなかったのはわずかに1度だけ。今シーズンもすでに50試合以上で投げ、通算600試合登板の次なる金字塔も視界に入って来ました。
今シーズン、パ・リーグの他球団はケガや不調などの理由で抑えをなかなか固定できていないなか、マリーンズ最後のマウンドの座を守り続けているタフネス右腕の原動力は何か?
オフに取り組む体幹メニュー強化など努力の賜物であることは間違いありませんが、益田自身はこの点について、これまで何度も語って来たことがあります。それは「母親が丈夫に産んでくれたおかげ」。女手一つで育ててくれた母との思い出や感謝の言葉を、さまざまな場面で口にしているのが印象的です。
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『母子家庭で育った自分の話題がメディアを通じて伝わることで少しでも同じ境遇にある子どもたちに勇気を与えられたらと思う。母親のありがたさ、感謝する気持ちを持ってくれたらいいなあと考えています。そのためにも、もっともっと活躍しないとね』
~『千葉日報オンライン』2014年5月13日配信記事 より
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こうした思いがあるからこそ、益田は母子家庭の親子ファンを球場に招待する活動をずっと続けているのです。
そんなファンに見せたいのは、もちろんリーグ制覇の歓喜の瞬間。2019年のオフ、国内FA権を取得しながら行使せず、ロッテ残留を決めた理由として、「ロッテでこのメンバー、スタッフ、ファンのいるところで優勝したい」という言葉とともに、かけがえのない存在であるファンについて、こんな言葉を残していました。
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『僕を育ててくれている。僕1人ではこんな選手になれていない。家族くらい、好きなものですね』
~『日刊スポーツ』2019年10月30日配信記事 より
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冒頭でも記したように、9月のこの時期に首位をキープするのは、パ・リーグが前後期制(1973~1982年)を採用していた時期を除くと、優勝した1970年以来の出来事になります。日本一に輝いた2005年と2010年も、ポストシーズンを勝ち上がってのいわゆる「下克上日本一」で、レギュラーシーズン1位にはなっていません(CS制度導入前の2005年はプレーオフ制覇=リーグ優勝となりましたが、レギュラーシーズンの順位は2位でした)。
悲願とも言えるリーグ制覇に向けて、ここからがまさに正念場。優勝が決まる瞬間にマウンドで輝く姿を“家族”に届けるため、益田はこれからも守護神の座を守り続けます。
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