日本フェンシング協会会長・武井壮「大きな格闘技の大会にフェンシングの試合があってもいい」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年9月21日 20時40分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(9月10日放送)に東京オリンピック、フェンシング男子エペ団体金メダリストの加納虹輝と日本フェンシング協会会長の武井壮が出演。2人の今後の目標について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。9月6日(月)~9月10日(金)のゲストは東京オリンピック、フェンシング男子エペ団体金メダリストの加納虹輝と日本フェンシング協会会長の武井壮。5日目は、加納と武井、2人が持つ夢、そして今後の目標について—
黒木)金メダル獲得でファンシングへの注目度も高まったと思いますが、お2人の今後の夢や目標を加納選手からお願いします。
加納)次のパリオリンピックに向けて練習を再開しました。パリオリンピックでも団体はもちろんのこと、個人戦でも金メダルを獲得することがいまの目標です。
黒木)パリオリンピックでも期待しています。会長はどうですか?
武井)いつまで会長職にいられるのかわかりませんが、会長をやっている間は、世の中の人が「きょう、テレビでフェンシングやるよね」と言い合うくらいまで引っ張れたら嬉しいなと思います。大きな格闘技の大会がテレビで放送したりするではないですか。そこに1試合、フェンシングが入っていてもいいと思うのです。
黒木)格闘技ですものね。
武井)オリンピアンであって金メダリストでもある彼らが日本の街なかを歩いていたら、誰もが顔に気付いて、「写真を撮ってください」「サインしてください」と言われるようなスーパースターになってもらう。そこまでを自分のタスクとして、彼らのフェンシング人生を豊かなものにしてあげたいという思いがあります。
黒木)そうですね。
武井)私も芸能界にデビューする前はテレビに出ている有名人やアスリートたちを見て、彼らのように、誰もが街なかでその人を見ただけで喜ぶような、そのような存在になりたいと思ってこの業界に来ました。10年経ったいま、彼らを同じようにみんなが喜ぶようなスターにしてあげられたら嬉しいなと思います。
黒木)頼もしいですね。
黒木次のオリンピックということで、加納選手に伺いたいのですが、選手の方々が、「どの剣がよかったから、本番はこの剣で行こう」というような記事を読んだのですが、それはどういうことなのですか?
加納)剣は1本1本手づくりなので、重さや曲がりの硬さが違うのです。人それぞれ好みはあるのですが、その日によって持ったときの感覚が違うので、その日に合わせて剣を選ぶという感じですね。
黒木)そうなのですね。これからいろいろな方がフェンシングを知って、フェンシングをする人口が増えるという形がいちばんいいですね。
武井)まだ6000人しか登録者がいなくて、その6000人で獲った金メダルなので、そのなかに蓄えられたクオリティは非常に高く、これを広めない手はないだろうと思います。
黒木)分母の割には、いかに強い選手が多いということですね。今回の金メダルでまた多くの方々がフェンシングのファンになってくださるのではないかと思います。私もファンになりました。
武井・加納)ありがとうございます。
武井)加納君からフェンシングの魅力をPRさせてもらってもよろしいですか?
黒木)よろしくお願いします。
加納)フェンシングというのは、剣を使うスポーツです。観ている人にはなかなか伝わりづらいかなというところはありますが、フェンシングのなかでは、相当な駆け引きが行われているのです。
黒木)選手同士での駆け引きということですか?
加納)はい。心理戦のようなものもあって、攻撃を仕掛けるフリをして仕掛けないというようなことも、お互いやりとりをしています。その辺を知ってもらってからフェンシングを観ると、より面白く観えるのではないかと思います。
加納虹輝(かのう・こうき)/ 東京五輪フェンシング・エペ団体金メダリスト
■1997年・愛知県出身。日本航空所属。
■2008年北京五輪のフェンシングをテレビ観戦して興味を覚え、小学6年生からフェンシング(フルーレ)を始める。
■高校時代に、遊び半分で出た「エペ」の大会で優勝し、「フルーレ」から転向。
■エペ選手としては小柄ながら、フットワークと素早い剣さばきを強みとし、2017年のワールドカップで3位。2019年にはワールドカップで優勝。世界選手権で6位など実績残し、東京オリンピックの代表選手に選ばれた。
■2021年に開催された東京オリンピックでは、フェンシング男子エペ団体に出場。(*ほかのメンバーは、山田優選手、宇山賢選手、見延和靖選手)
■東京オリンピックでは、準々決勝で世界ランキング1位のフランスを撃破。 42対44とリードを許し、あと1ポイントで敗戦というピンチに立ちながら、 アンカーである加納選手の粘りで、45対44と逆転勝ちを収めた。
■準決勝は韓国に45対38と勝利。決勝戦ではROS(ロシアオリンピック委員会)に45対36で勝利。加納選手は日本のアンカーとして最後のポイントを獲得した。この競技での金メダル獲得は史上初。歴史的快挙を成し遂げた。
武井壮(たけい・そう)/ 日本(にほん)フェンシング協会・会長
■1973年生まれ。東京都葛飾区出身。
■大学3年で十種競技をはじめ、競技転向わずか2年半で日本陸上優勝。日本チャンピンオンとなった(十種競技100mのベスト記録は今も日本最高記録)。
■大学卒業後、陸上を引退し、アメリカにゴルフ留学。
■その後は、陸上・競輪・ゴルフ・プロ野球選手などの個人トレーナーとして活動。
■2005年には、萩本欽一氏が監督を務めた茨城ゴールデンゴールズにも入団。
■数々のスポーツの経験を活かし、「地上最強の百獣の王を目指す」と豪語。
■もちろん現在も日夜トレーニングを続け、世界マスターズ陸上などに出場し好成績を残している。2015年には世界マスターズ陸上の4×100mリレーの日本代表のアンカーとして出場し、金メダルも獲得。
■2021年6月19日、日本フェンシング協会の新会長に就任。
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