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現代病「集中できない」を知力に変える「最新スキル」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年1月19日 17時45分

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月19日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。新刊著書の『現代病 「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』から、読む力の最新スキルについて語った。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

現代病 「集中できない」を知力に変えるには

佐々木俊尚氏の新刊『現代病 「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』が1月28日に発売される。書籍、ネット、SNS、ソーシャルメディア、ニュース、有料メディアなど、読み物が溢れるなか、いかにスピーディに集中してネット記事やSNSを使いこなすのか……発売に先駆けて、著者に読む力の最新スキルを訊く。

「どのように多様な視点を確保するか」「時間をどのように有効活用するか」

飯田)この書籍によって、佐々木さんのノウハウを全部公開してしまうということですか?

佐々木)私は毎朝ツイッターで記事を10本くらい紹介しているのですけれど、「どのようにして情報を読んでいるのか」とよく聞かれるのです。だいたい1000本くらいの見出しをチェックして、30本~50本くらいを読み、そこから紹介しています。その情報をどうやって網羅しているのかとよく聞かれるため、「そんなに言われるなら、全部書いてみるか」と思い、書いてみました。

飯田)全部書いてみましたか。

佐々木)これを読めば、私と同じくらいの情報量を得ることができます。

飯田)この本を読めば。

佐々木)基本的に、「何のために情報収集するのか」と「どうやって時間を有効活用するのか」、その2点について書いています。前者に関して言うと、「多様な視点を獲得するのがいちばん大事だ」ということです。1つの物事、例えばオミクロン株についての記事があっても、1つの見方だけをしていると、その記事を信用していいかどうかわからないではないですか。

飯田)1つの見方だけでは。

佐々木)「あるお医者さんがこう言っている」という情報があっても、それが本当に正しいのか。見方をたくさん用意しなければいけない。そのためには、「どうやって多様な視点を確保するか」ということを書いています。

新聞を読んではいけない ~ものの見方がすべて同じ

佐々木)いちばんやってはいけないことは、新聞を信用することです。新聞社の人は、「新聞はいろいろな情報を読むことができる。それに比べるとネットはたこつぼ化していて、自分の興味範囲が狭くなるからいけない」とネットを批判する人が多いのだけれど、新聞を読んでいる方がたこつぼ化するのです。確かに新聞は、ジャンルは多様です。

飯田)そうですね。

佐々木)新聞を1部買うと、国際面もあれば政治面もある。社会面もあり、文化面もある。確かにジャンルは多様なのですが、ものの見方がすべて一色です。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

気が付いたら新聞社の見方に支配されてしまう ~ウェブメディアの記事を横断的に読んだ方がいい

佐々木)朝日新聞や毎日新聞は、「反権力の見方」しかしていない。どんな記事でも「これは現政権を批判するために書いているのではないか」というバイアスがある可能性を考慮しないといけない。朝日新聞や毎日新聞の見方だけを信用していると、その見方に凝り固まってしまうのです。もちろん、ときには「岸田政権は間違っている」という考え方も必要なのだけれど、一方で「岸田政権を擁護する」という見方もあれば、あるいはもっと別の見方もあるし、3つか4つくらいの考え方を同時に見るということが大事なのです。

飯田)そうですね。

佐々木)月4000円を払って、1つの新聞を見ていればすべて網羅できると思い込んでいると、気が付いたら新聞社の見方に支配されている場合があります。それであれば、ウェブメディアの記事を横断的に読んだ方がいい、ということです。

左右2つに分かれてしまった新聞 ~極端な右の「読売・産経」と左の「毎日・朝日・東京」

飯田)ニッポン放送には各新聞が置いてあるので、すべて読みますが、朝日新聞・毎日新聞の国と、読売新聞・産経新聞の国という、日本のなかに2つの国があるのかなというくらい印象が違います。

佐々木)10年~20年くらい前、まだ新聞が元気だったころは、「新聞は画一化されている」「どの新聞を読んでも同じだよね」などと言われていたのです。

飯田)新聞が元気なころは。

佐々木)ところが最近では、いま飯田さんがおっしゃったように、別の国のような感じです。同じ国のことを書いているとは思えない。これは新聞が売れなくなった結果、高齢者しか買わないので、高齢者にシフトしているわけです。高齢者の方は、極端な左派や極端な右派の人々が多い傾向にあります。そうすると、読売・産経新聞などは極端な右の人に寄ってしまい、毎日・朝日・東京新聞などは極端な左の人に寄ってしまう。そうすると完全に世界は二分されてしまう。両方読めば、「ああ、なるほど。違う見方があるな」と思うのだけれど、2紙取るだけで月間8000円ですからね。

有料メディアをどう選ぶか ~的確にいまの国際社会を描いている「フォーリン・アフェアーズ・リポート」

佐々木)どのように有料メディアを選べばいいのか。ポイントは「日本の無料メディアにはない視点を有しているかどうか」ということです。海外メディアの方が有料に値すると思っています。

飯田)海外メディアの方が。

佐々木)例えば、国際社会や外交、安全保障に関して情報を得るのであれば、朝日新聞などの日本の新聞を読むよりも、「フォーリン・アフェアーズ・リポート」という、アメリカの外交問題評議会という権威ある団体が出している雑誌を読んだ方がいいと思います。少し高いですが、日本語版が月約2000円、年間約2万4000円で定期購読できます。

飯田)日本語訳が出ているのですか。

佐々木)「アメリカの視点」というバイアスはありますが、これほど的確にいまの国際社会を描いている雑誌はないなと、いつも読みながら感心しています。お金を払うのであれば、そういう雑誌を読んだ方がいいです。

海外メディアのよさ

飯田)日経の人が殺し文句で「日経電子版を買うと、実はFTの記事が読み放題なのです。ここが魅力です」ということを言います。

佐々木)そうなのです。「フィナンシャル・タイムズ(FT)」を読めるのは大きい。

飯田)イギリスの視点なので、別角度のバイアスはあるのだけれども、これを読んで日本の経済紙との違いを味わう。

佐々木)私が有料で読んでいるのは、「フォーリン・アフェアーズ・リポート」以外だと、日経と「ウォール・ストリート・ジャーナル」です。

飯田)なるほど。

佐々木)あとは講談社が出している「クーリエ・ジャポン」。海外の「ワシントン・ポスト」や「ニューヨーク・タイムズ」などの面白い記事だけを抜き出し、翻訳してくれています。お金は無限にはないので、有料メディアはかなり絞る必要があります。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

集中力を保つために15分で強制的に別の作業に変える

飯田)時間の使い方ですが。

佐々木)時間については、集中力が続かないではないですか。よく「集中力をアップするには」とか、「こんなサプリを飲めば」などという記事や広告を見ますが、サプリで集中力が上がるなら苦労しません。私がやっているのは、「短い時間しかやらない」ということです。実際に家では、タイマー設定しています。

飯田)時間を決めてしまうのですか?

佐々木)はい。15分のタイマーを設定します。原稿を書き始めて、15分経つとスマホが「ピピピッ」と鳴るので、書くのをやめて、別の作業を始める。15分置きにして、1時間で4つの作業をします。例えば「記事をチェックする」、「原稿を書く」、「請求書の処理」という3つの仕事があれば、それを交互に15分ずつやるのです。

飯田)そうですか。

佐々木)「15分×6回」をやった場合は、90分の仕事をしたことになります。細切れにして、集中力が途切れるころになったら、強制的に別の作業へ変えてしまうのです。

15分を超えると飽きてしまう

飯田)15分で。

佐々木)強制的に変えると、「もうちょっとやりたかったのに」となります。

飯田)そうですよね。反論としては、「乗って来たころにやめることになるのでは」と。

佐々木)でも、それを超えると飽きてしまうのです。20分~30分やっていると「飽きて来た」と思って、スマホでツイッターを見たりしてしまいます。

飯田)そうですね。

佐々木)「もう少しやりたい」と思っているときにやめる。あとで「もう少しやれたら、こんなアイデアがあったのに」などと思い出しながら他の作業をしていると、戻って来たときに勢いがつくのです。

飯田)なるほどね。同時並行でやるということは、得意不得意はあるかも知れませんが、その方が集中力が途切れない。

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