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尾上右近 「これはあのときの経験が使えるな」と思うことがある

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年5月30日 21時55分

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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(4月25日放送)に歌舞伎俳優の尾上右近が出演。團菊祭五月大歌舞伎について語った。

尾上右近

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。4月25日(月)~4月29日(金)のゲストは歌舞伎俳優の尾上右近。1日目は、團菊祭五月大歌舞伎について—

黒木)歌舞伎だけでなくてドラマ、映画、バラエティと大活躍ですね。

尾上)いえいえ。

黒木)「團菊祭五月大歌舞伎」。右近さんの方から説明していただけますでしょうか。

尾上)歌舞伎座は三部制になっておりますが、第三部に「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」という演目がございます。私は尾上姓を名乗らせていただいていて、音羽屋というチームなのですが、音羽屋が代々大事にしていて通称「弁天小僧」と呼ばれる演目です。その主人公・弁天小僧菊之助を務めさせていただくことになりました。この團菊祭という公演自体は読んで字のごとく「團十郎」「菊五郎」という名優の2人を称えてつくられた音羽屋にとって重要な公演です。

黒木)いまおっしゃったように9代目市川團十郎さんと5代目尾上菊五郎さんの功績を称えるために昭和11年から毎年5月に公演される演目なのですね。

尾上)ほぼ毎年行われます。最初にこのお話を伺った時点で5月に行われるとわかっていたので、「心して演じなければ」と思いました。歴史の1ページのなかに自分がいるということをきちんと自覚した上で、いまという時代に全力で取り組みたいですね。枠のなかからときにははみ出し、ときには閉じこもり、縦横無尽に取り組みたいです。

黒木)伝統を受け継ぎながら、次の方に伝承していくのですね。でもまだ20代でいらっしゃるから、これからいろいろな役をおやりになるだろうと思いますし、可能性がどんどん広がっていきますね。今回の弁天小僧菊之助はどのような人物なのですか?

尾上)悪党です。「悪に生きる弁天小僧」というぐらいの少年で、もう失うものは何もなく、悪の世界で生きることを達観しています。開き直りの美学みたいなものがありますね。五人男という5人の悪党の物語で、そのなかでいちばん端くれの設定ですが、いちばん活発で玉のようなエネルギーを持っています。人間は悪に魅力を感じることがあると思うのですが、悪としての魅力を詰め込んだお役どころだと思います。

黒木)昨年(2021年)は『衛生』というミュージカルにも挑戦なさっていて、それこそ悪党の役柄でしたが、そのような外の舞台での学びが歌舞伎に生かされることもありますか?

尾上)ふとした瞬間につながりを感じることがあります。器用な方ではないので、やる度にいろいろなことを新鮮に感じます。応用が利くタイプではないので。

黒木)そうなのですか。

尾上)何が地続きになっているのか、何が別個になっているのかということを整頓できるタイプではないのですが、やっている内に「これはあのときの経験が使えるな」と思うことがあります。その瞬間はありがたいですし、自分の広がりを自覚するタイミングでもあります。

黒木)歌舞伎はお稽古が短いと伺いますけど本当なのですか?

尾上)短いですね。4日くらいです。

黒木)え! 4日?

尾上)1ヵ月間、公演があって、次の公演までの数日間を稽古期間として使い、また初日がくるという感じです。千秋楽の次の日から稽古が4日間くらいあって、また次の月の初日を迎えるということを繰り返していくので、公演に一球入魂しながらも、月の後半になると次の月の準備を各々している空気が流れ始めます。

黒木)歌舞伎は代々引き継がれている伝統ですから、見たり聞いたりして覚えていかれるのでしょうね。

尾上)そうですね、そうやってインプットしていくということと、やらなくては仕方ないというか、幕は開きますからね。そのなかでひたすら揉まれて強くなる。みんなが辿って来た道なのだなと思って何とかやっています。

 

尾上右近

尾上右近(おのえ・うこん)/ 歌舞伎俳優

■1992年5月28日生まれ。清元宗家七代目・清元延寿太夫(きよもとえんじゅだゆう)の次男。曾祖父は六代目尾上菊五郎、母方の祖父には俳優 鶴田浩二。
■2000年、7歳のとき、歌舞伎座『舞鶴雪月花』の松虫で・本名の岡村研佑で初舞台。12歳で・新橋演舞場「人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)」の長兵衛の娘・お久役ほかで二代目尾上右近を襲名。2018年1月、清元栄寿太夫を襲名。
■2017年『スーパー歌舞伎IIワンピース』では主役ルフィを演じた。
■俳優と清元の両立が注目を集めるほか、テレビ・映画・バラエティなどでも活躍。大河ドラマ『青天を衝け』などに出演し、初出演映画の『燃えよ剣』では、会津藩藩主・松平容保を演じ、第45回日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞。
■5月2日~27日には、歌舞伎座で『團菊祭五月大歌舞伎』。第三部「弁天娘女男白浪」で、弁天小僧菊之助を演じる。
※團菊祭は、近代歌舞伎の確立に貢献した、九代目市川團十郎と五代目尾上菊五郎の功績を称えるために、昭和11年から始まり、近年の歌舞伎座では五月興行の恒例の祭典として上演。

 

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