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コロナ禍での「いい習慣」を忘れてしまった患者

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年10月4日 11時20分

コロナ禍での「いい習慣」を忘れてしまった患者

東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が9月27日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。国民皆保険における医療や公費への負担について解説した。

※画像はイメージです

新型コロナ感染症が5類に移行後、相談もなく、いきなり医療機関に来る人が増えた

飯田浩司アナウンサー)国民皆保険についてですが、現場でご覧になっていて、「さすがに医療や保険に負担を掛けているのではないか」と思うことはありますか?

尾﨑)コロナ禍のときは直接診療を受けられないことが多かったため、「自宅でこういう形で療養していただければ大丈夫ですよ」「市販薬を買って喉の痛みや熱に対処してもらえば乗り切れると思います」と、自宅療養してくださる方も増えました。

飯田)自宅療養される方も多くいました。

尾﨑)でも新型コロナが5類になった途端、「少し喉が痛いので診てくれないか」「咳が今朝から出ているのだけれど」などと言って電話も相談もなく、いきなり医療機関に来てしまう人がまた増えています。

飯田)5類に移行したら。

尾﨑)コロナ禍だと軽い症状であれば、自分で薬を買って自宅療養してみようという人が増えたわけですが、5類になったら、そういうこともすっかり消えてしまいました。

病気にならないよう、定期的な健康診断やがん検診は必ず受ける

尾﨑)先日、「お腹の調子が悪くて心配なので、大きな病院で精密検査を受けたい」という人がいたので、「わかりました。では紹介状を書くので、3日くらいお時間をいただけますか?」と言ったら激怒されました。

飯田)すぐに書けと。

尾﨑)きょうにも入院が必要であれば、必ずその場で書いてお渡ししますけれど、そこまで深刻な症状ではないにも関わらず、「あそこの病院にすぐ行けないのはおかしいのではないか」と主張する方が増えています。

飯田)コロナ禍では、「そうは言ってもお医者さんたちもこれだけ患者さんが溢れて大変なのだから、医療崩壊させてはいけない」というコンセンサスがあったけれど、ある意味、また元に戻っている感じですか?

尾﨑)そうなのです。軽度の異常であれば、ご自分で考えて対処していただきたいですね。また、病気にならないためには健康診断やがん検診なども積極的に受けていただきたい。

飯田)健康診断を必ず受ける。

尾﨑)がん検診の受診率は4割ぐらいで、5割を超えていません。欧米では8割を超えています。病気になると医療費が高いし大変だとみんな思っているので、予防に力を入れるわけです。そういうことも、これからは大事になってくると思います。

飯田)そうですね。

尾﨑)日本は医療費も安いしフリーアクセスということもあって、「病気になっても医療機関が面倒を見てくれるからいいや」と思う人が多いのではないでしょうか。今後は、自分の体を自己管理していただき、「それでもダメな場合は医療機関に行く」という考えに変わっていかないと、財源を維持できないのではないかと思います。

新行市佳アナウンサー、尾﨑治夫氏、飯田浩司アナウンサー

医療機関で「薬局で買うと高いので湿布薬も保険を使って出して欲しい」と言う患者も ~湿布薬は年間300億円ほど掛かっている

飯田)先生がご覧になっていて、その辺りの意識は世代によっても違いますか?

尾﨑)世代というよりも「医療費を無駄遣いしてはいけない」という考えの高齢者の方は多いのです。その一方、「薬局で買うより先生のところで保険を使ってもらった方が安いから、湿布も出して欲しい」とか、「肌荒れしているから保湿剤も出してくれ」という方がいらっしゃるのも事実です。

飯田)そういうチリが積もっていくと。

尾﨑)湿布は全体で300億円ぐらい掛かっているという話ですからね。

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