【解説】能登豪雨で“河川の氾濫”多発 中小河川の危険性
日テレNEWS NNN / 2024年9月23日 19時43分
能登半島地震の被災地を、記録的な豪雨が襲いました。なぜ大きな被害となったのか。社会部の災害担当・中村洋介デスクが解説します。
鈴江奈々キャスター
「今回の記録的豪雨では、石川県内で23日までに23の河川が氾濫しました。河川の氾濫が多発した要因というのは何が考えられるのでしょうか?」
社会部 中村洋介・災害担当デスク
「もちろん、当時の猛烈な雨量もありますが、能登半島には、例えば利根川のような大きな河川がなく、ほとんど中小河川であったことが要因の1つだと思います」
「商業施設が被害を受けたわけですけれども、その横に流れるのが河原田川です。その隣に流れている塚田川は複数の家屋が流されて、23日も捜索活動がつづいている川です」
「河原田川の姫田橋観測所の当時の水位のデータが残っています。特別警報が出た21日朝から23日までの時間が横軸で、縦軸が水位です。21日朝の段階ですでに輪島市には大雨洪水警報が出ていましたが、午前9時過ぎに線状降水帯の発生情報が出ます。そこから水位が急に上がります」
鈴江キャスター
「急激に川の水位が上がっているのがわかりますね」
中村デスク
「1時間で3メートルくらい水位が上がっていて、午前11時前に大雨特別警報が出たということです。そのときにはすでに水位が上がっていて、川の氾濫が起きていたとみられます」
鈴江キャスター
「大雨特別警報が出たときにはすでに氾濫していた状況だったと」
中村デスク
「そうですね。このグラフに当時の雨量のデータを重ねてみます。線状降水帯の発生情報が出たら確かに雨量が急激に増えていて、その後すぐに水位が上がっていくんですけれども、グラフのように、降ったらすぐに水位が上がるというのが中小河川の危険な特徴です。大きな川の場合は降ったら水位の上昇はもっと遅れて、数時間、あるいは半日遅れたりして、水位が上がっていくんですけれども、中小河川は降ったらすぐに上がる。すぐにあふれていくというのが中小河川のリスクです」
「降ってから逃げるのでは、異変を感じてから逃げるのでは間に合わない。避難に許される時間的猶予が少ないというのが中小河川の特徴だと思います」
鈴江キャスター
「こういった中小河川というのは全国にありますから、注意が必要だということになりますね」
中村デスク
「中小河川は住宅地の中を縫うように流れることもありますし、どうしても大河川の方に災害の注意がいくんですけれども、中小河川はこのように非常に危ないです。ですので、自宅の近くに中小河川がある人は災害情報に、より敏感になって、とにかく少しでも早く避難行動を取るようにしてください」
鈴江キャスター
「念のための避難というのも有効かもしれませんね」
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