上野のパンダ2頭が中国へ…“突然の別れ”惜しむ声 レンタル代は年1億円 日本のパンダ、今後は?【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN / 2024年9月27日 8時54分
上野動物園のジャイアントパンダ「リーリー」と「シンシン」が29日、高齢と病気のため中国に返還されることになり、ファンからは別れを惜しむ声が相次ぎます。中国からレンタルをしている日本国内のパンダは今後6頭となりますが、繁殖は難しい状況です。
そこで今回の#みんなのギモンでは、「今週末返還へ 上野パンダ今後は?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。
●愛され13年…突然の別れ
●どうなる? 日本のパンダ事情
■JR上野駅の電光掲示板にメッセージ
山崎誠アナウンサー
「季節の変わり目は別れの季節ということで、センチメンタルな気持ちでお伝えします。上野動物園のパンダ、リーリーとシンシンが29日をもって中国に返還されることが決まっています」
「26日、JR上野駅の電光掲示板には『リーリー シンシン 今まで本当にありがとう』というメッセージが流されていました」
パンダを見に来た夫婦
「いつも(電光掲示板に)出してくれるので、その度に撮りに来る」
「きょうも朝7時から(パンダの列に)並んでたんですけど」
「不忍池の向こうの方まで、一体どこが(行列の)最後なのかなと」
■26日は待ち時間「150分」も
山崎アナウンサー
「リーリーとシンシンを日本で見られるのは26日を含めて残り3日となりました。26日は平日にもかかわらず、午前11時には待ち時間150分という発表がありました」
森圭介アナウンサー
「それだけ、一目見たいという方が大勢いたということなんですね」
桐谷美玲キャスター
「私の母がパンダ大好きで、リーリーとシンシンに会えなくなるのをすごく寂しがっています」
■2011年に来日、4頭の子どもを出産
山崎アナウンサー
「好きな方が多いですよね。28日が最終観覧日、翌29日に返還されるのが、リーリー(オス)とシンシン(メス)です。この2頭は2011年に日本に来て、4頭の子どもが生まれました」
「最初の子どもは2012年。残念ながら生まれて1週間ほどで死んでしまいましたが、2017年にシャンシャン(メス)が生まれました。2021年には双子のシャオシャオ(オス)とレイレイ(メス)が誕生。こうして生まれるたびに、パンダフィーバーが起きていました」
陣内貴美子キャスター
「上野のすぐ近くの湯島にある会社に勤めています。(パンダの子どもが)生まれるなど、何かあると上野の街を挙げて盛り上がっていたんですよ」
■7歳を迎えたシャンシャンの所有権は?
山崎アナウンサー
「去年中国に返還されたのがシャンシャンです。今年6月に中国で7歳を迎えたシャンシャンの映像があります。日本生まれですが所有権は中国にあり、日本にいるパンダは全てレンタルという形です。研究のために日本に貸し出されている状況にあります」
森アナウンサー
「レンタルは決まっていることですが、いつか中国に帰らないといけないということで、寂しがっている方はいるでしょうね」
桐谷キャスター
「なぜこのタイミングで、シャンシャンの両親にあたる2頭が返還されることになったんですか?」
■去年秋から2頭とも高血圧の症状
山崎アナウンサー
「東京都によると大きな理由としては、高齢と病気です。2頭は今年19歳を迎えました。この19歳は人間に当てはめると60歳ほど。去年の秋からは2頭とも高血圧の症状が確認され、血圧を下げる降圧剤の投与を続けているということです」
「東京都・中国野生動物保護協会によると『現在は重篤な状況ではないが、健康なうちに中国に帰国させ、生まれ育った環境で治療を受けさせることが望ましい』として、返還が決まりました」
鈴江奈々アナウンサー
「リーリーやシンシンにとっては故郷ですからね。そういった場所でまた元気になれるといいですね」
■ファンからは別れを惜しむ声が続々
山崎アナウンサー
「それぞれのファンからは『突然のお別れにまだ整理がつきません』『かわいい子どもたちに会わせてくれてありがとう』『たくさん幸せを分けてもらって感謝しかない』『ずっといてくれると思っていた』と、別れを惜しむ声が上がっています」
森アナウンサー
「パンダのファンの皆さんが多いのは分かっていますが、この一言一言に愛がほとばしっていますよね」
■一部のファン、リーリーは「~ない男」
山崎アナウンサー
「人気者のパンダのうちお父さんのリーリーは、優しくおっとりとした、マイペースな性格です。一部のファンからは『~ない男』と呼ばれていたそうです」
陣内キャスター
「笑わない男ですか?」
山崎アナウンサー
「ラグビー(日本代表)の稲垣啓太選手もそう評されていました」
桐谷キャスター
「お腹がいっぱいにならない男?」
鈴江アナウンサー
「諦めない男。子育てでも何でも…」
山崎アナウンサー
「正解は“待たせない男”です。今上野のパンダを見るには大行列ができ、長時間待ちの世界です。夫婦にシャンシャンが生まれ、コロナ禍になると、とにかく長い時間並んで待たないといけませんでした」
「その中でもオスのリーリーだけは別枠で公開されていたので、待たずに見られたということです。学校の遠足でもパンダを見ることができる、唯一の存在。ファンにとってはありがたい存在でした」
■日本で見られるパンダは6頭に
桐谷キャスター
「お別れは寂しいですが、今後どんどんパンダには会えなくなっていってしまうものなんですか?」
山崎アナウンサー
「去年はシャンシャン、今年はリーリーとシンシンが帰国ということで、来週から上野動物園で見ることができるパンダは双子の2頭、シャオシャオとレイレイだけになります」
「現在、和歌山のアドベンチャーワールドには良浜(ラウヒン)、結浜(ユイヒン)、彩浜(サイヒン)、楓浜(フウヒン)のメス4頭がいるので、日本で見ることができるのは6頭になります」
陣内キャスター
「もっといると思っていました」
山崎アナウンサー
「そうですよね。ちょっと意外かもしれません。(6頭のうち)上野のシャオシャオを除いて全てメス。シャオシャオとレイレイは双子なので、このままだと子どもが生まれない、繁殖ができない状況です」
■「友好の証」で日本にパンダを贈呈
山崎アナウンサー
「日本のパンダを振り返ると、1972年に上野動物園に中国から初めてジャイアントパンダのカンカンとランランが来ました。陣内さんは8歳の時ですね」
陣内キャスター
「このニュースを見ると何かしら思い出しますが、はっきりとは覚えていないですね」
山崎アナウンサー
「この1972年は日中国交正常化が実現し、『友好の証』として日本にパンダが贈呈されました。その後、パンダにはレンタル料がかかるようになりました」
■2頭のレンタル代は毎年1億円ほど
山崎アナウンサー
「東京都によると、現在その額は非公表ですが、2011年から10年間、2頭のパンダのレンタル代として毎年95万ドルを中国に支払っていたということです。2020年頃のレートで換算すると、約1億円ということになりました」
森アナウンサー
「経済効果を考えると、(1億円は)決して高い額ではないんじゃないでしょうかね」
鈴江アナウンサー
「経済効果もそうですし、パンダを見ると純粋に幸せな気持ちになります。中国と日本の草の根での交流ということで、いい形でこれからもパンダ外交が続いたらいいなと思いました」
山崎アナウンサー
「これまで大変な責任も担ってきたパンダですし、どうしても別れは来てしまいますので、その時間も大切にしていきたいと思います」
「リーリーとシンシンが日本で見られるのは、27日を含めてあと2日です。大変な混雑が予想されますので、公式SNSなどを確認するようにしてください」
(2024年9月26日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)
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