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後継者不足で…町のお店消える?半数が「後継ぎナシ」も“脱ファミリー化”で改善 マッチングの効果は【#みんなのギモン】

日テレNEWS NNN / 2024年11月23日 12時11分

日テレNEWS NNN

店主の高齢化などで後を継ぐ人が見つからず、地域で親しまれた店や企業が廃業するケースが後を絶ちません。家族以外から適任者を探す、官民挙げたマッチングが進むなどして後継者の不在率は5年前より改善傾向にありますが、なお約半数に上る状況です。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「後継者不足で…町のお店消える?」をテーマに解説します。

■後継者難で倒産 1~10月で455件

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小野高弘・日本テレビ解説委員

「あの味大好きでよく通ったなあ、というお店。久しぶりにまた味わいたいなと思って行ってみたらひっそりと店が閉じられていた…。そんな経験ありませんか?帝国データバンクが22日、気になる数字を発表しました」

「全国約27万社を対象にした調査で、後継者不在率が52.1%(全国・全業種平均)でした。10の会社があれば5つで、後を継ぐ人がいない。さらに、後継者難で倒産したのは今年1月~10月で455件ありました。単純計算で毎日1件以上倒産していることになります」

森圭介アナウンサー

「経営的に苦しいというよりは後継者がいないので、泣く泣く倒産したということですよね。後継者問題で困っている店や会社は多いです。そこで記者が取材に赴きました」

■地元に25年以上愛される中華料理店

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小野解説委員

「群馬・前橋市で中華料理店『チャイニーズダイニング天壇』を営む、長谷川弘之さん(73)です。看板メニューは海鮮おこげ。最初はサクサク、あんを掛けたら食感が変わっておいしかったそうです。メニューは150種類以上あり、地元に25年以上愛されてきました」

「常連客からは『10年以上(通っている)』『もっとだよね?』『中華を食べる時に、この店がいいねと。地域にとって慣れ親しんだ味の中華のお店』という声が聞かれました。長谷川さんも2年ほど前から後継者探しに苦労しているといいます」

長谷川さん

「60代はあまり先のことは考えてなかったんですよ。だけどあっちが痛い、こっちが痛いとなってくると、『このままやっていけるのだろうか』と。身内の者とか色々相談したんですけど、『後継ぎ俺がやってみる』という人は誰もいなかったです」

■後継者不足が目立つ職種 5年前と今

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小野解説委員

「皆さんにも味の思い出はありませんか?」

鈴江奈々アナウンサー

「学生街でお世話になった店など今はどうなのかなと、ふと思い出しましたね」

森アナウンサー

「私は高校の校門を出て20秒もしない所に中華料理屋さんがあって、まあそれはお世話になったんですよ。数えきれないくらい行きましたが、そこも店主の方がご高齢になってお店を泣く泣くたたんじゃったんですよ」

小野解説委員

「そういうお店は、『できれば自分の子どもに後を継がせたい』という話もよく聞きますよね。ただ若い人は都市部に出ていくというケースも多いため、後継者不足になってしまうんですよね」

小野解説委員

「ではどんな職種で後継者不足が目立つのでしょうか。帝国データバンクによると、1位はディーラーなどの『自動車・自転車小売』(64.9%)、2位は住宅建築など『職別工事業』(63.0%)、3位は病院や診療所などの『医療業』(61.8%)でした」

忽滑谷こころアナウンサー

「かかりつけ医のお医者さんやクリニックが閉業したら困りますよね」

小野解説委員

「飲食店は7位の58.5%で、後継者不足で困っていますよね。これらの業種は、10軒あれば6軒ほど困っているという計算ですが、5年前はどれも70%を超えていました。10軒あったら7軒困っていた、それが今は6軒ぐらいになっています」

「その頃から比べると、随分と後継者不足が改善されてきているなということが分かります」

鈴江アナウンサー

「意外ですね」

小野解説委員

「これらだけでなく、全ての業種で改善されてきているということです」

■同族承継は減少傾向に…増えたのは?

日テレNEWS NNN

小野解説委員

「その背景には何があるのか。いろんな会社で、以前は血縁関係がある人が後を継ぐケースが多かったんですが、今は“脱ファミリー化”が進んでいます」

「帝国データバンクによると、ファミリーが継ぐ同族承継は2020年に39.3%でしたが、今年(速報値)は32.2%と減ってきています。会社の中で『これは!』と思う人にかじ取りを任せる内部昇格は2020年に31.9%でしたが、今年(同)は逆転し36.4%まで増えました」

「また、どこかの企業で社長を経験したなど、経営の実績がある人を外から招くケースもみられるということです」

森アナウンサー

「私の妻の親族が地元で建設業をやっていて、その方が亡くなってしまいました。同族承継ではなく、会社の中の方にお任せするということで内部昇格をとりました。そういうものが増えてるんですね」

■日本政策金融公庫が仲介…成果は?

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小野解説委員

「外の人を募集して経営を任せるケースでは、官民挙げて『後継者マッチング』の取り組みを進めています。日本政策金融公庫などが後継者探しを仲介します。同公庫では2019年度から始めて今年の8月までに249件成約したそうです」

「一昨年からは企業やお店が水面下でやらずに、実名を公表する『オープンネーム』という方法でも行っています。名前も全てオープンにした方が多くの情報を提供できる、事業を引き継ぐのもスムーズにいくというメリットがあるそうです」

■マッチングイベントで問い合わせも

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小野解説委員

「今年9月のマッチングイベントに(中華料理店の後継者を探す)長谷川さんが参加していました。『(求めるのは)地域密着に対しての情熱があるかどうか』と語りました。イベントをきっかけに、長谷川さんのもとに関心のある人から問い合わせがあったそうです」

「長谷川さんは取材に、『お客様や常連さんがいますから、やはり中華をこのままやってもらえればありがたい』と言います。詳しい話を聞きたいという人も出てきたそうで、いい方向に進むといいですよね」

小野解説委員

「こうしたオープンネームでのマッチングで、ホテルや中古車販売店などで実際にマッチングが決まって事業を引き継いだということがあるそうです」

刈川くるみキャスター

「(長谷川さんから)情熱というお言葉もあったように、同じ思いを持った方がつながれる取り組みは進んでほしいですね」

小野解説委員

「民間企業もマッチングに取り組んでいます。後継者に来てもらうために、業種や会社自体の魅力を広く知ってもらう取り組みもしています。マッチングの動きが活発になるといいと思います」

(2024年11月22日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト

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