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【解説】石破首相「所信表明演説」の裏側 少数与党の異例の国会は…

日テレNEWS NNN / 2024年11月29日 20時28分

日テレNEWS NNN

29日、少数与党の異例の国会で石破首相が所信表明演説を行いました。日本テレビ政治部官邸キャップの平本典昭記者に3つの疑問について解説してもらいます。

   ◇

◇石破演説…「裏側」を徹底分析

◇「密室」?「ガラス張り」?

◇どうなる?「103万円」

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鈴江奈々キャスター

「石破首相の演説ですけれども、『裏側』を平本さんはどこに注目しましたか?」

政治部官邸キャップ 平本典昭記者

「石破首相の所信表明演説は、就任直後の10月4日に続けて今回が2回目となります。前回との比較で『裏側』が見えてくると思います。注目したのは演説で『消えた言葉』と『増えた言葉』です。まず消えたのは、石破首相が就任直後に掲げた『共感と納得』。増えた言葉は『真摯(しんし)』『丁寧』『謙虚』です」

鈴江キャスター

「この変化にはどんなメッセージ、思い、狙いがあるんでしょうか?」

平本記者

「まず『共感と納得』は主に『国民』に向けた言葉でした。今回出た『真摯』に向き合う相手は、『国会での野党』と言えます。前回、石破首相は選挙前だったこともあり、『国民の支持』を得ることが政権運営のカギを握るとしていたのが、今回は少数与党になったことで『野党の協力』を得ることを最優先にギアチェンジした演説だったと言えます」

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鈴江キャスター

「野党との協議がこれから注目されていくわけですが、その協議が『密室』なのか、『ガラス張り』で行われるのか、このあたりはどうなんでしょうか?」

平本記者

「これに注目しているのが、野党第一党の立憲民主党の野田代表の戦略です。野田代表は石破首相との『話し合い』自体は行うけど、ただ『話す場』に注文をつけています。野田代表は今の自民党、公明党、さらに国民民主党との協議は『密室』で決めていると批判しています。そうでなく、少数与党の国会なのだから『ガラス張り』、つまり野党とは国会の委員会など、見える場でやるべきと主張しています。ただ、与党側には『ガラス張りというのは聞こえはいいが、話せる事も話せない。野党のパフォーマンスだ』と慎重な意見もあります。議論が深まるのか、与野党の姿勢、議論の場にも注目したいと思います」

日テレNEWS NNN

鈴江キャスター

「3つ目の疑問ですが、注目される『103万円の壁』。これは結局どうなるんでしょうか?」

平本記者

「臨時国会の議論の焦点の1つで、石破首相は29日の演説で引き上げを表明しましたから、『引き上げ』自体は実現する見通しです。しかし、細かい制度設計はこれからです。ポイントを3つ紹介します。1つ目は『引き上げ幅』です。国民民主の言う178万円、満額まで行くのか、今自民が主張している10万円程度なのか。2つ目は他の『壁』にも一緒に手をつけるのか。『106万円』『130万円の壁』、そして特定扶養控除まで緩和するのか。そして3つ目は『所得制限を設けるか』です」

「この税制調査会(税調)の議論が決着するのは期限ギリギリ、2週間後の12月中旬頃と言われています。ただ、今回は最後に決まりましたよと結果だけ国民に提示するのではなく、どういった考えで私たちが納めた税金の使い道が変わるのか、少数与党の国会、見える形で、わかりやすいプロセスで国会論戦を見せてほしいと思います」

鈴江キャスター

「ここから未知の領域に進んでいくということですね」

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